【中編】Q.外資代理店ってどうなの?~高給?激務?冷たい?~

外資ってどう?2

皆さんからの外資系広告代理店に関する質問にまとめてお答えするシリーズの2回目。いよいよご協力いただいた方々の会社内部に関わるお話へと進んでいきます。具体的な業務内容や、質問に多かった「外資の給料」のことにも切り込んでみました。

 

Q6.アカウントって何ですか?

アカウントとは営業職のことです。ただし日本の営業と比べると少し違った面があります。

正式にはAccount Executiveと言います。
Executiveとなっていますが、日本語で言うエグゼクティブ=重役と言う意味ではありません。その場合はExecutive Managerのように頭につけて使います。
Accountは辞書で引くと「計算、勘定」と言う意味が最初に出てきますが、この場合はその後にある「口座」「顧客」の意味になります。

Account Executiveは一般的なヒラの営業社員です。仕事内容としては、日本企業でも広まって来ているように、クライアントのベネフィット(利益)を考えてトータルに提案する営業です。

日本式の短期売り上げを伸ばす考え方とは底辺にある考え方が違うように思います。ですから、予算管理、スケジュール管理はもちろんですが、メディアプランやクリエイティブプランを推し進めるプロデューサーとしての面もあります。
ちなみに、日本式営業の方が「デザインはよく分からないから任せるよ」と口にすることが多いですが、外資のアカウント・エグゼクティブの方はほぼそのセリフを口にしません。積極的に意見を言います。
クリエイティブに関する理解もあると言う自信があってのことでしょう。
 

Q7.外資は外資の仕事をするのですか?

外資系のクライアントはもちろん多いです。
これは、日本独自に営業活動をして受注するのではなく、ワールドワイドで繋がっているからです。グローバルな企業の中にはブランド管理、コスト削減を考慮して本国と同じ広告会社へ依頼することがあるのです。

しかし外資系の仕事をしていただけでは売り上げが限られてしまいますし、もともとが提案型の企業ですので日本企業への提案も多く行います
その場合、前回Q2で触れた「フィー制度」が、受注の障害になることがあります。やはり企画丸ごとをあらかじめ買い取ることに日本企業側に抵抗があるようです。そのようなケースでフィーでなく受注することも、実際には行われています。
 

Q8.東京でアジア全体の仕事もするの?

東京のオフィスがアジア全体をコントロールする案件もありますが、クライアント、広告会社のネットワークによるところが大きいでしょう。ブランドの本社がある国の広告会社でブランディングのコントロールをすることが多いですが、グローバルになると各地域に代表のオフィスを置きそこが管理することもあります。

ただし、そのオフィスは日本人の方が思っているよりも日本以外にあることが多いです。

たとえば英語が通じやすいフィリピンにある支社がアジア全体をコントロールすることもありますが、その場合は日本オフィスはフィリピンの支配下になります。海外と取り引きのないクリエイティブ系の日本人は、クリエイティブ分野では日本はアジアの覇者と感じている人が多いので、フィリピンなどのアジア諸国が日本の上に立つ感覚が理解できない人も多いことでしょう。
 

Q9.高給ですか?

高い人は高いです(笑)。クリエイティブも含めて上層部の人間は高い給料を得ています。日本企業と比べても高給な方だと思います。
しかし、アシスタントであったり、デザイナーでもスキルの低い人間、アートディレクターだがクライアントを任せられない人間は高い金額は貰えません。

だいたいの企業で毎年契約を見直す機会がありますので、その時に自分を高く売ることができ、タイトル(肩書き)が上がればそれに応じて年収も上がっていきます。企業、景気にもよりますが、昇給のカーブは日本企業よりも急なのかもしれません。
マネージメント、アカウント、クリエイティブともにトップの人間は日本企業よりもかなり高い年収を得ているでしょう。
 

Q10.激務と聞きますが?

確かに忙しい面はありますが、特に外資系だから激務と言うことはないと思います。大手企業のブランドを預かっている広告代理店社員は、日本の大手広告代理店でも激務をこなしていることでしょう。
社会的にブラック企業は勧められることではありませんが、クリエイティブ業界にはブラックに近いグレー企業はまだ多く存在していて、それは外資系にとどまらないと考えられます。
 

Q11.制作工程に違いはあるのか?

制作の進行は、日本の大手広告代理店と比べるとほぼ違いはないでしょう。しかし日本のデザインプロダクションでは違いがあるかもしれません。

今では日本においても大手代理店では、プロジェクトのコンセプト、目的、約束、問題点などプロジェクトに関する概要を書いたブリーフシートを提出してサインをもらいます。このブリーフシートはクリエイティブを制作する上でも基本になるものです。
後々、プロジェクトの進行上で相互に責任問題が生じた場合に参考とする契約書です。日本の地元企業をクライアントにした場合には必ずしも四角四面には事が運びませんが、事前にお互いの考えを統一するためには重要な書類です。

一方、日本のプロダクションでは今でも口約束で仕事を受けるようなことがあると聞きます。これは、そもそもプロダクションが広告代理店(広告会社)とは違ってブランド全体に対する提案ではなく、1ツール単位で受注することが多いことにも由来しますが、やはり日本独特な馴れ合いのビジネスが影響しているように思います。
 

Q12.冷たいイメージがありますが、、、

すぐにクビになるイメージがあるとも言われているようですが、もちろんそんな事はありません

1年毎に契約更改する企業もあるためにそのように思われてしまうのでしょうか?
とは言っても、契約更改は年収などの見直しを行うもので、何の問題もない社員をいきなりクビにすることはまずありません。むしろ、海外では雇用関係で裁判を起こされた場合に雇用者の権利が結構強いので、会社都合で退社させる場合は国内企業よりも手厚く補償をしているケースを見かけます。このあたりはHR(人事)は神経を使って対応しています。

社内の雰囲気が冷たいということもないでしょう。むしろ外資系企業の方が人間関係はフランクで、上司をファーストネームで呼ぶ人もいます。パーティや社内行事もとても盛り上がります。それは社長でも同様で、気さくに話しかけて笑い合う場面は珍しくありません。
パーソナリティにより差はありますが、欧米人が日本人に比べオープンな性格である上に、マネージメントの人心掌握術としてそのように振る舞ってもいるようです。

 

さて、来週はこのシリーズの最終回。英語の問題、日本人との相性、そして最近のグローバルな広告の傾向の話もする予定です。
 
次回の連載予定
Q:外資代理店って何?《後編》

 

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