フリーランスだからこそ大切にしたい、心と身体の「休め方」

フリーランスや個人事業主において「どのように働くか」といったテーマはよく見聞きしますが、不思議と「どのように休むか」についての言及はあまりありません。しかし、フリーランスは個人事業主。個人であるから、会社以上に、自身が元気に働けなければいけない必要性が強いと言えます。今回のコラムでは、そんなフリーランスの「休み方」について考えていきたいと思います。

 

その休み・・・本当に「休日」になっていますか?

休日にありがちなよくあるパターンの一つが、クライアントからのメールや電話、新規の依頼に対して、ついつい律儀に対応してしまうことです。

フリーランスにとっては「いつもの」よくある行為かもしれません。しかし、仮に会社員などの人が休日に上司やクライアントから連絡を受け、呼び出しやら資料作成などの作業をやらされていたとするならば、それこそ「ブラックの烙印」を押されかねないのが今のご時世です。

しかし、上記のような行為などを日常的にやってしまい、場合によってはほぼ習慣化して気付くことすらしていない人もいるかもしれません。「異常」とまでは言わないまでも、これでは肉体的にはまだしも、精神的には休まるわけがありません。

そこで提案したいのが、まず「この日は完全に休み」という休日をあえて設定することです。

 

休みを決めるメリットとは何か?


このように休日を設定する一番の「メリット」は「生活と仕事にメリハリが出てくる」ということです。

フリーランスなどはついつい「仕事のない日が休み」に陥りがちですが、もはや「休み」というよりは、単なる休憩時間の延長状態になってしまいます。そして、「オン・オフ」ができない、あるいは曖昧な状態は休息の充実感も曖昧になってしまうことが多く、精神衛生上においても良い状態ではないでしょう。
さらに仕事までもが、ついダラダラとメリハリがつかない状況になってしまうのです。

だから「今日は休みである」と意図的に自覚し、行動することが重要になってきます。自分自身に言い聞かせそれに基づいて行動することは、単純ではありながらも大きな効果をもたらしてくれるでしょう。

また、筆者の経験では毎週火曜日と水曜日は休日にするなど、決まった曜日をほぼ強制的に休みとして設定することもおすすめです。仕事量の逆算力も高まり、よりメリハリも効いてきて、その上、スケジューリングもしやすくなってくるのです。

 

さらなる「質のよい休日」を求め、実現するためには?

「質のよい休日」を過ごすためには、休日におけるクライアントなどからの問い合わせには一切答えないようにすることです。

とは言え、それは「難しい」と思う人もいらっしゃるかもしれません。しかし、事前に「◯曜日は休日ですので、翌日の返答になりますことをご了承ください」などと情報共有しておけば、自分が思う以上に快諾してくれるものです。

あらかじめ伝えておけば「昨日は休みだったので」と、後から連絡をするより心象も悪くならない上、通常の常識ある相手ならば緊急性の高い要件以外は連絡を控えるように気を使ってくれるものです。また、「今日ではなくてもよい連絡」というものが格段に少なくなることで、連絡が来る煩わしさからも解放され休日の充実度も上がり、そこから仕事も円滑に運ぶという”隠れたメリット”もあります。

万が一、「休日返上して早く仕事を」と返してくるようなクライアントがいれば、潔く関係を切ってしまうのも一考の余地があると言えるでしょう。
筆者の経験上では、そのような相手先は仕事も面倒だったりギャランティも低かったりなどの場合が多く、取引を停止してもまったく問題はありません。小さな目先のために自分を犠牲にすることは、結局は自分の首を絞めることにつながるからです。

 

休みを決められない場合は「労働時間で管理」してみる!


とは言え、実際問題、休みを設定するのは難しいのも事実です。仕事がないと不安になってしまい「休みが決められない」タイプの人も多くいるのではないでしょうか。

そこで、最近筆者が取り入れているのが、月の「平均労働時間を決める」ということです。

国際機関経済協力開発機構(OECD)が公開している統計情報によると、日本人の平均労働時間は年間約1710時間となっています。これを週休2日とし年間労働時間を245日とすると、1日の労働平均時間は約7時間となります。これを軸として「約8時間を1日の労働時間」とし、売上目標と照らし合わせながら、休憩や休日の調整をしていくというものです。

ちなみに「1日は約8時間」というのは、実際に企業の就業時間で考えても、就業時間を8時間としている企業は多いので、常識的な時間と言えるでしょう。

このように、数字の部分においてドライにシステマチックにしていくことで、たとえ自分の労働管理でも非常に「楽」な作業となります。一人親方だからこそ、自身の管理は「感情に左右されずに行う」習慣を作り、「売上」と「休日」の調整を行うことが重要なのです。

 

まとめ

フリーランスは何といっても身体が資本。その資本(健康)を作るのは、「働く=美徳」といったような考えから、「質のよい休息や休日に重点を置く」ことなのかもしれません。
休日という「柱」を一本立てると思うより遥か、生活にメリハリが出て仕事にも好影響を及ぼしていきます。「仕事ができる人=キッチリ休める人」というくらいに考え、発想の転換を図って休日を大切にするのも悪くないのではないでしょうか。

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