海外のクリエイティブ事情~ドイツの2016年クリスマス商戦広告

ドイツ風景2

クリスマスが1年の最大のイベントであるドイツでは、広告にも当然力が入ります。一方で、街の景観を重視する傾向があるためか、全体的に街中の広告は日本と比べると少なく、しかも割と保守的な印象があります。首都ベルリンの中心でも派手な広告や奇抜な広告にお目にかかる機会はそれほど多くありません。そんなドイツの2016年のクリスマス広告事情を、今回はベルリンからお送りします。

 

ドイツのクリスマス商戦スタートは8月!? 盛り上がるのはアドベントスタートから

ドイツのクリスマス商戦開始時期は年々早まってきていると言われており、クリスマス関連のお菓子は8月末頃には既にスーパー店頭に並び始めます。8月末から12月下旬までですと約4か月!日本と比べると長いですよね。

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写真:夏の終わりに早くもスーパーに並び始めるクリスマス菓子
画像出典:http://www.focus.de/panorama/welt/lebkuchenstart-in-den-supermaerkten-andeutungen-von-rewe-gibt-es-weihnachtsgebaeck-bald-das-ganze-jahr-ueber_id_4911212.html

ベルリンの街でクリスマス広告やデコレーションを目にするようになるのは、クリスマスイブから数えて約4週間前ぐらいのアドベントと呼ばれる期間が始まるタイミングあたりから。
11月30日に最も近い日曜日(2016年は11月27日)が第1アドベンドで、次の日曜が第2アドベントと、クリスマスまでに4回のアドベントがあります。アドベントが始まると、ドイツ中の街の広場でクリスマス・マーケットが立ち、地元の人々や観光客を楽しませてくれます。

ドイツ風景2

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写真:数あるベルリンのクリスマス・マーケットの中でも、最も美しいと名高いジャンダルメン広場に立つクリスマス・マーケット。

クリスマス・マーケットも年々開始時期が早まり、マーケットがたたまれる時期も(代表的な大きなマーケットでは)遅くなってきている傾向にあります。また、クリスマス・マーケットも大都市では数が多く、競争が激化しているせいか、電車の中で電子看板の広告も見かけます。

クリスマスマーケットの広告
写真:ベルリン 地下鉄U3路線で展開される、ダーレム・ドルフ駅(同じくU3路線)近くで開催されるクリスマス・マーケットの広告

 

ベルリンのクリスマス・デコレーションと宣伝のハイライトは?

ベルリンのクリスマス広告やデコレーションのハイライトは、何といってもヨーロッパで2番目に大きいといわれるデパート「カーデーヴェーKaDeWe (Kaufhaus des Westens)」のデコレーションとその売場ではないでしょうか。
毎年KaDeWeではクリスマス・デコレーションにテーマがあり、今年のテーマは「クリスマス工房Die Weihnachts Manufaktur」。ショーウィンドウには可愛らしい小人たちがクリスマス・グッズをせっせと製造している様子がディスプレイされ、道行く人々の目を楽しませています。

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写真:ベルリン KaDeWeショーウィンドウのクリスマス・デコレーション

昨年2015年は、デパートの入口付近にクリスマス・ツリー、サンタクロース、クリスマス・グッズ売場が設置されており、デパートに入った瞬間、クリスマスの世界に迷い込んだような気持ちになる華やかな仕掛けが話題となりました。その素敵なデコレーションは、買物客だけでなく小売店や広告業界の人々も必見で、わざわざ足を運ぶ価値があるといわれていました。

なのですが、今年2016年は、昨年まで入口にあったそのクリスマスの世界が4階(日本式の5階)に移動しました。そのため、キラキラと美しく輝きを放つKaDeWeのクリスマスは健在でしたが、残念ながら、お店に入ると直ぐに目に入る・・・という様子ではなくなってしまいました。

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写真:2015年 KaDeWeクリスマス・シーズンの売場(デパート入口付近)
写真出典:http://louiseethelene.de/christmas-window-shopping-die-schoensten-schaufenster-zu-weihnachten/

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写真:2016年、4階へ移動したKaDeWeのクリスマスの世界(クリスマス・グッズ売場)

時は少し戻りますが、そのKaDeWe、アドベント前の前哨戦と言ったところしょうか、11月半ば(12日)にBerliner Zeitungという新聞に、一面をすっぽり包んでしまう”ラッピング広告”を出しました。
少々フライング気味のクリスマス広告は野暮だと思ったのか、アドベントの時期に見られるような華やかさはなく、地味目の広告でした。それでも、少し早目に今年のクリスマス商戦を打ち出すあたり、並々ならぬ意気込みのようなものを感じました。

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写真:11月12日付新聞のKaDeWeラッピング広告

 

ドイツのクリスマス商戦とその他の販促ツール

ところで、実はドイツでは、靴下に贈物が入っているのはクリスマス当日ではないのです。

ドイツでは、12月6日を聖ニコラウスの日と言って、子どもたちが前夜にきれいにした靴や靴下を用意しておくと、(良い子にしていれば)ニコラウスがチョコレートや胡桃、ミカンやリンゴなどを入れていってくれると言われています。子どもたちはニコラウスからの贈物を楽しみに6日の朝起きてくるのです。
その聖ニコラウスの日も、クリスマス商戦の1つの山場となります。

ニコラウスの日
写真:聖ニコラウスの日に子どもたちに贈られる(のをスーパーで待つ)チョコ・サンタたち

また、12月1日から24日までをカウントダウンするアドベント・カレンダーと呼ばれるものも、近年ではクリスマス商戦ツールのひとつとして捉えられており、毎日窓をひとつずつあけると小さな贈物が入っているカレンダーを玩具業界、菓子業界、あるいはコスメティック業界などもこぞって販売しています。

店頭では、各種アドベント・カレンダーが非常に幅を利かせており、アイキャッチャー(パネル、変形ポスターなどの販促ツール)を使って消費者を惹きつけようとアピールしています。

アドベントカレンダー

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写真:12月1日を前に各社がしのぎを削って販売するアドベント・カレンダー

 

ドイツの広告や販促ツールは、ドイツの街並みに調和するような比較的落ちついたものが多めです。
その一方で、年々クリスマス商戦は長期化し激しくなっていることもあり、街並みとの調和を意識しつつより消費者の目を引くように各社が努めている様子が伺えます。今後クリスマス広告がドイツでどのような方向に展開していくのか楽しみですね。

 

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