デザイナー・クリエイターであれば無視できない広告賞。
世界三大広告賞をはじめ、今後注目される広告賞について概要や見どころをまとめました。年々、価値そのものが変化していく広告賞をすばやくチェックして、今後の制作活動に役立ててください。
目次
■カンヌライオンズ 国際クリエイティビティ・フェスティバル（旧：カンヌ国際広告賞）
http://www.canneslionsjapan.com/（日本語サイト）
日程： 2016年6月18日～6月25日
【概要】
言わずと知れた世界三大広告賞のひとつ。フランスの地中海沿いのビーチリゾート、カンヌで年に一度、一週間開催されます。
期間中に同時開催される「ライオンズ ヘルス」「ライオンズ イノベーション」と合わせて約100カ国から15,000人以上の来場者が集まり、さまざまな業界からの注目度の高さがうかがえます。
また、2016年は「ライオンズ エンターテインメント」が新設されます。
これは、エージェンシー、メディアに加え、エンターテインメント業界の参加による、エンターテインメントとコンテンツを主とした2日間のフェスティバルです。こちらもどのようなコンテンツが表彰されるのか、今から楽しみですね。
カンヌの魅力は広告賞もさることながら、期間中に行われるセミナーにもあります。
過去の受講生のうち、81％が人生が変わるような体験ができたと評価するくらいエキサイティングな授業がめじろ押しです。各界で活躍するプロフェッショナルから受けられるとあって、セミナー会場はいつも満員となります。
【去年の主な受賞作品】
Ninja High School Girl by C.C. Lemon（サントリー食品インターナショナル/博報堂、博報堂ケトル、博報堂DYメディアパートナーズ）
女子高生が次々繰り出す忍者の技に一瞬たりとも目が離せない作品が受賞。日本の作品も毎年多く表彰され、そのセンスや繊細な技術が高く評価されています。
■One Show Interactive
http://www.oneshow.org/
日程： 2016年5月9日~13日
【概要】
ニューヨークで若手クリエイターの才能発掘と育成を目的として設立された非営利団体が主催する世界三大広告賞のひとつ。
毎年、世界中のトップクリエイターがその審査にあたり、世界の広告界が注目する、クリエイターたちの憧れとなっている権威ある広告賞です。日本からのエントリーも年々増えています。学生による作品を多く取り上げることも特徴です。
【去年の主な受賞作品】
「行くぜ、東北。」（JR東日本/電通）
カンヌライオンズでも受賞した作品。被災地復興支援をテーマとした作品ですが、高いデザイン力が世界で高く評価されました。
■CLIO Award Interactive
http://www.clioawards.com/
日程：2016年9月28日
【概要】
カンヌ、ワンショーと並ぶ世界三大広告賞の1つ。
世界の広告業界のトレンドを知りたいなら、広告そのものを総合的な視点から審査するこちらの広告賞をウォッチするのがおすすめです。
【去年の主な受賞作品】
Tire Kimono（東洋ゴム工業株式会社/株式会社マッキャンエリクソン）
日本らしさを感じさせる浴衣の生地に、タイヤの特徴を柄と繊細な色彩で表現した作品が海外で高い評価を得ました。
■D&AD Awards
http://www.dandad.org/
日程： 2016年4月17日～24日
【概要】
エッジが効いた広告から刺激を受けたいクリエイターが必ずチェックするこちらの広告賞。
あらゆる分野のデザインや広告作品を対象に、次世代を切り拓く卓越したクリエイティブを表彰するD＆ADは「イエロー・ペンシル」の名称で知られています。
D&ADは最高賞である「ブラック・ペンシル」を授与しない年があるほど作品を厳選するストイックな賞です。上位から「ブラック・ペンシル」「ホワイト・ペンシル」「イエロー・ペンシル」「グラファイトペンシル」「ウッドペンシル」という名称の賞があります。
■Asia Pacific Advertising Festival（ADFEST）
http://www.adfest.com/
日程：2016年3月16日～19日
【概要】
2016年度はすでに終了していますが、タイのパタヤで毎年開催されるアジア最大級の広告賞です。
日本の作品も毎年多数入選し、日本の広告マンも訪れます。
【主な去年の受賞作品】
サントリー 響の「JAPANESE HARMONY」（SUNTORY/博報堂）
着物や屏風に使われる流水紋をモチーフに描かれた楽器とウィスキーの見事なクリエイティブは日本人が見ても息をのむ美しさです。
■Spikes Asia festival of Creativity
https://www.spikes.asia/home/
日程：2016年9月21日～23日
【概要】
タイで開催されるアドフェストと並ぶアジアの広告賞。毎年、シンガポールで開催されています。
カンヌネットワークをフルに活用し、広告賞と並ぶ広告祭の2本柱であるセミナー、ワークショップを毎年強化してきています。
【去年の主な受賞作品】
フルLTE 「3秒クッキング 爆速エビフライ」（株式会社NTTドコモ/株式会社東急エージェンシー/株式会社 エヌ・ティ・ティ・アド）
ユーモア抜群のこの作品は複数の海外の広告賞で受賞。日本の作品から今年の受賞は76作品に上っています。
以上、比較的知名度の高い広告賞のご紹介でした。
エントリーにはある程度の費用がかかることもあり、広告賞へのエントリーのハードルは高めです。また、広告賞そのものがビジネスとして成立していることを背景に、数そのものが増えたり、部門が増えたりと、目まぐるしい動きが出ているのも昨今の世界の広告賞のリアルでもあります。
時代とともに変化するクリエイティブの本質を見極め、腕を磨く一助としてぜひご活用ください。
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