【人事インタビュー】私たちが美大生・芸大生を採用する理由~三井不動産が考える美大生・芸大生の魅力とは?~


美大芸大就活ナビではデザイナーやディレクターなどのクリエイティブ職の求人が多いですが、ミッドタウンやららぽーとを手掛ける総合デベロッパーの三井不動産は「総合職」として美大生・芸大生の採用に力を入れています。
 
美大芸大生をターゲットとした採用活動に力を入れるその理由や背景は? そこに美大芸大生の活躍の場が広がるヒントがあるのでは?と思い、今回直接人事の方にインタビューのお時間をいただきました!
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-三井不動産が美大生や芸大生の採用に取り組むことになったキッカケはなんだったのでしょうか。
 
「今後、三井不動産をどのような組織にしていきたいか」を議論する機会がありました。その中で、私たちは優れた資産や仕組みを持つから今まで生き残れたわけではなく、1500名ほどの社員、「人」がキーマンとなってビジョンや未来を構想してきたからこそであるという結論に行きつきました。
 
今後も三井不動産が成長を続けていく上では、「人」が最も重要です。それぞれ異なる考えや意見を交わすことで新しいアイディアが生まれ、自由な発想力や自身がワクワクできる未来構想で事業を進めることができる、ダイバーシティな組織にしていきたいと考えています。
 
アート・デザイン志向を持っている方も含めて多様な考え方や発想力を重視しており、人材採用においても、それを実現できる方々を広く採用したいと考えています。そのため、今までアプローチをしていなかった美大生や芸大生の方の採用に取り組み始めました。
 
-三井不動産の成長戦略において採用活動は非常に重要な位置づけなのですね。ではなぜ、このタイミングで重要視したでしょうか。
 
三井不動産が社員に求める考え方や行動が、時代とともに変わってきました。
今までであれば目標を設定してそれを達成する、答えがある状況でその答えを追求していくことが求められていました。
 
しかし、現在はVUCA(※1)の時代なんて言われていて、不確実性が高く曖昧な時代です。だからこそ今後はゴール自体がどのようなものなのか、そのゴールが人々にどのような影響を与えるのかを想像することが求められています。
 
さらに不動産事業は10年先やそれ以上の未来を思い描き、構想して企画を行う仕事です。その中でどんな能力が必要かと言うと、「過去」ではなく「将来を見据えた発想力」です。それを実現できるのはアート・デザイン思考を持つ人材なのではないかと考えています。
 
※VUCA…Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の4つの単語の頭文字をとった造語。取り巻く社会環境の複雑性が増し、将来予測が困難な状況を意味する言葉。
 

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-美大生や芸大生の魅力は何だと感じていらっしゃいますか。
 
美大生や芸大生の作品制作における考え方やプロセスに関心を持っています。作品制作を行うにあたっては、自身が感じる疑問点や問題意識など、何かしらの課題設定をしますよね。他の人であれば「当然だ、当たり前だ」と思っているものに対して改めて疑問を呈すること自体、アート思考・デザイン思考の力であると思っています。
 
作品制作の過程についてもそうです。制作をするには≪まず作ってみる→他人からのフィードバックや自身での再考→さらなる改善≫の過程があると思うのですが、フィードバックを受けてまた考え直して改善する力というのは、我々の事業とフィットすると思っています。
 
美的センスやスキル面ではなく、課題に対する独自の切り口や考え方、具体的な作品への落とし込み方に美大生や芸大生ならではの魅力を感じています。
 
-街づくりとアートやデザインはどのような関係があるとお考えですか。
 
先ほどのお話で、アートやデザインとは自由な発想で、あるべき未来を構想する力が本質であるとお伝えしました。三井不動産は過去においても、そのような自由な発想で時代を切り開いてきました。
 
三井不動産が1968年に建築した霞が関ビルは、高さ147mの日本初の超高層ビルです。当時の日本では建築基準法で高さ31m以上の建築が禁止されていました。
 
しかし1960年代の日本は高度経済成長期。地方から都市に多くの人が流入し人口増加が進む状況下で、三井不動産の先輩たちは既存の常識や与えられたルールの中で発想するのではなく、そもそも都市空間はどうあるべきか、都市の過密状態を続けると日本の未来はどうなるのか、という発想から未来を構想しました。
空間の高度利用や31mの規制を変えなければ日本の未来はないのではないかと構想し、国を説得して霞が関ビルを完成させたということです。
 
今では超高層ビルが当たり前の世界になりましたが、この突破は未来に対する構想があったからこそです。『当たり前に疑問を呈し、常識を覆してビジョンを思い描く』そういった意味でも、三井不動産はアート思考のDNAがあるのだと思います。
 
そのため我々も、「未来はこうあるべきだ」という発想ができる、多様な考えの人材による組織を作っていきたいと考えています。
 

「大都市における人間性の回復」という大きなテーマをもって建設が進められた霞が関ビル
 
-具体的に街づくりにアート思考が反映されている例が聞けて新鮮です。
 
今の日本は物質的な豊かさを享受し、誰もが「モノ」がそこにあるだけでは満足しない世の中になり、人々のニーズは精神的な豊かさに向かっています。
今後の街づくりは、なんだか居心地いい空間、きっちり決められたルールがあるわけではないが、なんとなくそこに寄り道したくなる雰囲気のようなものを打ち出す必要があると思います。ただ綺麗で、ただ整っているだけでは受け入れてもらえないと思っています。
 
そうなると、人の感性や情緒に訴えかけるものは街の中でますます必要になるのだと思います。それが建物なのか仕組みなのか明確な答えはまだ出ていません。しかし、少なくとも美術館で時間を過ごし皆さんが心洗われて帰ってくる世界を、街の中でも実現したいなと思っています。
 
-美大生が学ぶ内容で、入社後の仕事部分で生かせるところはありますか。
 
美大生の皆さんは作品制作の際に言葉で説明するのではなく、まず形にしてみてやってみる、という発想がありますよね。
 
自身の考えを共有する方法として普通であれば言葉で相手に伝えるのに対して、美大生の方は言葉以外にもイメージを人に伝える手段を持っていたり、上手く伝わらなければ試行錯誤しながら徐々に形にしていく、そのような方法が今後の私たちの求める事業の進め方に生かせると思います。
 
-なるほど。仕事を進める点、コミュニケーションの部分で美大生独自のアウトプットが活きてくるのですね。
 
はい。様々な人たちと物事を進める場合、それぞれ考え方が異なるので、自分の思っていることを相手に理解してもらい、さらに同意をもらわなくてはなりません。
となると「考えの共有」が一層大事になり、そういう場面で美大生のスキルが役立ちます。
 
私はアートに関しては素人ですが、芸術の本質的なものは自分なりの課題設定にあると考えています。例えば、ピカソはスペインの内戦の悲惨さに憤り、「ゲルニカ」を大きなキャンバスに描きましたよね。そういう問題意識を形にするのが芸術だと思っています。
未来を構想しようとする都市開発においても、このような問題意識が非常に大事だと思います。
 
本来であれば内側からあふれる「社会にこれを伝えたい、これを作りたい、これがおかしいんじゃないか」といった力が大切なんです。価値観が多様化し、不確実で曖昧な世の中だからこそ答えはどこにもなくて、未来視点で発想し、チームで検証し、想いで周囲を巻き込み、引っ張っていき、未来の世の中に都市開発の価値を問う、そんな仕事が総合デベロッパーの仕事だと思います。
 
-今回の募集は総合職となりますが、入社後はどのようなことが求められますか。
 
総合職採用なので美大出身だからといって、特定の業務のみを任せることはありません。周りの方と意見をすり合わせながら、日々勉強して成長していこうと思っている方であれば誰もが活躍できるフィールドです。
 
様々な視点から考えたり、多様なステークホルダーとなる相手がどう判断するのかを総合的に考えることが出来るようになって欲しいので、ジョブローテーションという部署異動があり、様々な部署を経験していただくことになります。
 

 
-どのような点を評価するのでしょうか?
 
学生の皆さんはそれぞれの方が様々な経験をされている思います。経験自体を評価するわけではありません。その経験を通じて自分はどのように世界を見るのか、どのように考えているのかを面接で話してくれて、そのストーリーが我々に訴えかけるものがあるといいと思います。
今後いろんな経験を通じて未来を一緒に考えてくれて、その中で成長していける方だと感じられたらすばらしいと思います。
 
アウトプットとしての美術作品や芸術作品というよりも、その背景にある考え方、その方の人格形成にどのような経験が活かされているのか、そういったところに興味があります。
 
-採用にいたる方の共通点ってありますか?
 
経験値に共通点はないですね。
先ほど美大生や芸大生はアウトプットで視覚化できる点が強みだと伝えましたが、やはり最後は言語化しなくてはいけません。言葉で明確に伝えることが出来る、イメージさせることができるコミュニケーション力があることは共通点だと思います。
 
我々の仕事では土地開発を行う際に、住民や地権者の方に説明しなければいけないことがあります。もちろんその土地開発をポジティブに思えない方もいらっしゃるので、「この土地をこういう街にしていきたいんです!」と未来を語り、何年もかけて説得することもあります。コミュニケーションといっても様々ですが、最後は言語化して想いを共有することが我々の仕事では必要です。
 
-最後に美大芸大生の方にメッセージをお願いします。
 
今までは美術やアートの分野で一生懸命に学んでこられ、それらと関連性のある企業を進路先として考える方も多いと思いますが、我々三井不動産は未来志向のできる皆さんのことをウェルカムに思っています。
 
今まで学んできたデザインスキルが直接的に生かされない環境かもしれません。しかし、思考の方法や作品作りのプロセスなど、皆さんが取り組んできたことは今後社会で求められる能力です。
 
三井不動産に入社すると、不動産という今までとは全く異なる分野になります。その環境で成長していきたいと感じて学んでいける方であれば、どなたでも活躍できます。
 
何より不動産は一つと同じ不動産はありません。マニュアルが通用しない世界です。人から言われたことをやるだけの仕事ではありません。
 
自分が起点となって自分の想いを実現させていくという面では、美大生の皆さんが想いを作品として形作ることと、我々が想いをもって街や不動産を作り社会に生かしていくという意味では、非常に共通点があるプロセスだと思います。
 
すごくワクワクするような仕事でありたいと思っていますので、是非興味を持って三井不動産を受けに来ていただきたいなと思います。

今回お話を伺った方は、、、


 
「2000年に三井不動産に入社、2019年より人事部に配属。 三井不動産のグループ会社や国土交通省への出向経験も。
 
就職活動時の第一希望は「公共的な街づくりに関わりたい」という想いから運輸省(現在の国土交通省)を志望したが、三井不動産の面接時に「それ、うちでできるよ!」と言う言葉をもらい、入社に至ったそう。
 
入社後に出向と言う形ではあるものの、学生時代希望していた国土交通省の仕事に関わることもできた、というエピソードもお話しいただきました!

インタビューを終えて

今回のインタビューを通し、総合職であっても、美大芸大生が求められていること、そして活躍できる可能性があることを感じることができました。 私たち美大芸大就活ナビでも、引き続き美大芸大生の可能性を広げていけるように、サポートしていきたいと思います!
 
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