【文字組み教室】第2回日本語の文字をきれいに見せるコツ

【文字組み教室】第2回は「日本語の文字をきれいに見せるコツ」について話を進めていきたいと思います。日本語は英語と違い「ひらがな」、「カタカナ」、「漢字」があるため、それぞれに合った文字間の調整が必要になります。ひと手間加えるだけで、美しい文字の見せ方ができますので、ルールを覚えていきましょう!

まずは日本語の文字組みの基礎ルールになります。
今回は文字間を詰める方法「カーニング」「トラッキング」についてお伝えします。これは初心者でも最低限抑えておきたいポイントです!

ひらがな・カタカナは漢字より文字間を詰める

ひらがな、カタカナは文字間のスペースが多めなので、漢字と並べた時に間延びして見えます。下の図を見ても、「ポートフォリオ」のように伸ばしたり小さい文字が入るテキストは、ベタ打ちだとかなりバランスが悪いのが分かりますよね。

漢字によっては詰め過ぎたように見える文字もありますので、文字のかたちををよく見て、きれいに見える「詰め」をしていきましょう!

文字詰めの基本!カーニングとトラッキングとは?

通常文字を打っただけでは「ベタ組み」と呼び、理想的な文字組みとは言ません。基本的に文字と文字の間が空きすぎたり、狭すぎたりしています。

【カーニング】
文字と文字の間のスペースを調整することをいいます。
1文字ずつ調整したい場合は、「文字と文字の間にカーソルを合わせて」設定し、バランスを調整します。タイトルなど短いテキストは1文字ずつ良く見て、文字間の調整をしていきましょう。

【トラッキング】
テキスト全体において、文字と文字の間隔を調整することをいいます。調整したいテキストの「範囲を選択してから」数値を選び、設定します。

<文字組をする上で「タイトル」「見出し」など短い文は違和感が目立ちますので注意が必要です>

ひらがな、カタカナの部分だけ、全体をトラッキングで詰めて、気になる箇所はカーニングで文字と文字の間を詰める、といった手順が一番早く文字調整ができます。

カーニングの項目には、初心者を惑わす「自動、オプティカル、和文等幅」の自動詰め機能があります。しかしながら、これはきれいな文字詰めにはなりません。
基本的に自動調整は使わず、自分の目で見て、ひとつひとつバランスを整えていきましょう。(※きちんとした文字組は現場で覚えていくのも一つの手です。)

例えば、ひらがな、漢字、カタカナと分けて文を見てみましょう。それぞれ余白が違うので、文字間によって詰める数値も変わってきます。

文字は詰めるだけでなく、広げる場合もあります。難しい漢字は詰まり過ぎた印象になる場合もあるので、多少広げてバランスを整えることも大切です。
トラッキングとカーニングをうまく使用して、詰めたり広げたり、バランス良く調整していきましょう。

記号(「」、。)は詰めよう

ベタ打ちすると、鍵括弧や句読点などの記号はかなりスペースが空いてしまいます。そのため「カーニング」を使用して文字を詰めていきましょう。

適度に文字間を詰めていくことで、文が読みやすくなります。全体のバランスを見ながら整えていきましょう。ここまでできれば、一通りは文字がきれいに見えるようになってきたと思います。
少し離れた位置で、自分の作った文字をじっくり眺めてみると、どこをどうすれば良くなるのか見えてくると思います。

デザイナーとして、魅せるデザインの文字組をする場合は、さらに文字のアウトラインを取り、文字ひとつひとつのバランスを考えて微調整していきます。それくらい文字組は地道で奥深いものなのです。

街の看板や雑誌のタイトルなど、文字組に注目して見ることは勉強にもなりますので、街に溢れている多くの良い文字組を普段からインプットしていくこともおススメです。


【文字組み教室】連載第3回は→「文字を読みやすくする方法」です。
メリハリをつけたり、整えたり、文字の見映えを良くする方法をお伝えいたします!お楽しみに!


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