【対談企画】美大卒のキャリアコンサルタントに聞いてみた!<女子美術大学出身・堀川美紀さん>

ゲストをお招きして対談形式でお話を聞いていく企画動画のご紹介です。
 
今回は、美大卒でデザイナー経験もあり、今はキャリアコンサルタントの資格を取得されて活躍されている堀川美紀さんをゲストにお迎えして、ご自身の就活や転職、美大生の強みやキャリアについて色々とお話をお聞きしました。
こちらの記事ではそんな動画をダイジェスト版でご紹介します!
 

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ー今回のゲストは女子美術大学を卒業されて、今はキャリアコンサルタントの資格を取得・活動されている堀川さんです。では早速、自己紹介をお願いします。
 

堀川さん: 堀川美紀です、よろしくお願いします。
女子美術大学のファッション造形学科を卒業しています。
 
子供の頃からファッションデザイナーになると決めてその学科に進んだんですけれど、大学では絵に描いたような優良生徒のような感じで、無遅刻無欠席提出遅れ無しだったんですけど・・・この頃からなんとなく自分は特別な才能はないかもと思い始めてました。
 
卒業後アパレル業界に就職することが出来たのですが、そのままアパレル業界で8年間デザインや企画とかもやりながら営業経験も積み、色々経験していく中で何かちょっと業界に違和感を感じるようになって、今の会社に転職しました。
 
現在は全く異業種で、勉強カフェを運営しているブックマークスという会社に店長職で入社、今は人事の仕事をしています。
国家資格のキャリアコンサルタントも取得して、人事領域での経験や知見を深めていこうと思っているところです。
 
ー小さい頃からファッションに興味あったんですね!
 
堀川さん: はい。絵を書くのが好きで、女の子にいろんなお洋服を着せるのが好きだったんですよね。
「その仕事がファッションデザイナーなんだ!」と知ったときに「自分もそれになろう!」と思ったまま大人になってしまったという感じです。
 
ー就活は何年生くらいから意識しはじめましたか?
 
堀川さん: 先生に声かけてもらって3年生の夏くらいにコレクションブランドのインターンに参加したりはしました。
そういった経験を通して「卒業したら会社に入って働くんだなー」っていうのはイメージしていたんですが、実際に就活を意識しはじめたのは本当に卒業間近になってからだったと思います。
 
周りも就活を意識してる人は少なかったような気がしますね。
割とみんなのんびりしていて、自分の作りたいものが作れる・やりたいことが出来るっていう判断軸で動いていた印象で、何社もエントリーシート出して・・・みたいな話はあまり聞かなかったです。
 
ー実際の就活はどんな風に進めましたか?
 
堀川さん: まず、ポートフォリオは過去に作った作品などをまとめて作りました。
自分が行きたいところが、コレクションブランドとかオートクチュールのブランドばっかりだったので、自分の作品を見せる必要があったためです。
 
大きな合同説明会にもいくつか行ったことがあったと思います。
あとは、学校にきているアパレル系の求人の中から大手のところを2つくらいは受けた記憶がありますが、それ以外は自分が好きなブランドに直接応募した形が多かったですね。
 
ー就活の失敗談や、「もっとこういうふうに進めればよかった」とか「今だったらこんな風に就活するな」と思うことあれば教えてください。
 
堀川さん: 「なんでそれになりたかったか」を今だったらもっと深堀りすると思います。
 
私は「ファッションデザイナーになりたい」って決めてずっときてしまったんですけど、多分夢が決まってるって時点で安心しちゃってたと思っていて。
自己分析というか自分のやりたいことも決まってると思っちゃっていたんですよね。
 
洋服を作るのに携われる仕事について「デザイナー」という職種しか知らなかっただけ・・・と言うこともあった気がして「なんで自分がファッションデザイナーになりたかったのか」というところをもっと深く掘り下げておいたらもっと色々な選択肢が出来たのかな?と思っています。
 

 
ーなるほど。深く掘り下げていたら、ファッションデザイナー以外にどんな職種があがったと思いますか?
 
堀川さん: 分かりやすく言うと、ファッションデザイナーになりたかった理由は「綺麗な色が好き」だったんです。
「綺麗な色で人を元気にさせたいな」とか「いろんな色を組み合わせることってすごく楽しいな」ってすごく思っていて、だとしたらファッションじゃなくっても、よかったのかもしれません。
 
「デザイン」という枠で選択肢が広がったかもしれないし、お花屋さんなんかも、好きなことが出来たかもしれないな、とか・・・。
 
「自分が何をやりたいのか」と言うところを掘り下げると、自分の可能性ってもっと広がるんじゃないかなって思っています。
そうすると他の職業についても調べるきっかけになったりとか、それによって働き方や環境なども変わってきて世界が広がるんじゃないかなと思います。
 
ー「自分が何が好きなのか」とか「それが活かせる仕事ってどんなものがあるんだろう」みたいなことを早い段階からいっぱい考えておくって、大切かもしれないですね。
 
堀川さん: 私も物を作るのが好きとか、洋服を作るのが好き、絵を描くのが好きみたいなところがスタートだったんですけれど、仕事は好きを続けるための手段じゃないなって思って。
 
「仕事をして働く」となった時に、ニーズがあるからこそ仕事になるので自分がやりたいことを続けていくために何の仕事をするかと言うよりは、自分がやることによって「どういうふうに世の中に貢献できるか」とか「誰がそれを受け取ってくれるのか」っていうことを考えるのが仕事なのかなって、今になるとですけど・・・すごく思いますね。
 

ー会社を選ぶ際に、何を見ておけばよかったと思いますか?
 
堀川さん: 作った作品=会社じゃない、というのはすごく思います。
作品だけ見て会社を選ぶのではなく、その作品や製品の出来ている背景だったり、どういうビジョンを持ってそういったものを作っているのか、みたいなところがすごく大事だったんだなと思っています。
 
あとは自分が「これだけは許せない」とか「納得いかない」みたいなところは、自己分析の中で見つけておくとその要素が含まれる会社は候補に入れない、ということも出来たのかなと思いますね。
 
就活も最初の頃の転職も「自分がやりたいデザインが続けられるか」と言うところだけが軸になっていたなという気がしていて。
働きながら自分のキャリアを築いていくとか、どう働いてお金を稼ぐのかとか、あと何年間働くか・・・みたいなことって全然考えていなかったし、そう言う視点も必要だったなと思っています。
 
ー学生時代にやっておけば良かったな、と思うことはありますか?
 
堀川さん: もっと先生と仲良くなっておく、と言うのはありますね。笑
アーティスト活動しながら学校のお仕事を助手として手伝うという形で生計立てられてる子もいたので。
他にも、お仕事を紹介してもらっている子も結構いたので、媚びる必要はないけれど仲良くなっておいて損はないぞと今は思ってます。
 
後は「いろんな仕事を知っておく」というのも良いなと思っていて。
私は学生時代スーパーでレジ打ちのアルバイトをしてたんですけど、何かアルバイトするも目的を持ってやったりとか、ここで働くってどういうことかな?としっかりと考えると良いと思いますね。
 
ー堀川さんから見て、美術系学生の強みとはどんなところでしょう?
 
堀川さん: 私は美大出身だからできることに、社会に出てから改めて色々と気付くことができました。
コンセプトを根っこから考えるという経験は、なかなか普通の大学や学科ではできないことだと思います。
そう言った経験が、美術系学生の企画力やブランディング力と言った力にも繋がっているのではないかなと。
 
後は、美術系の大学も作品を作ってばかりと言う訳ではなくて、普通に他の大学生と同じように一般教養の科目も並行して学んでいるので、マルチタスク的な力が付いている人も少なくないと思いますね。
 
そして、周りを見ていると意外と勉強好きな人も多いと感じていますね。
自分の好きなことや分野を突き詰めていく勉強が好きな人が多くて、自分がやりたいことや進みたい方向を見付けたときには、そこに集中して力を注げる人が多いと言う印象も持っています。
 
ーこれから就活をする学生の方に、アドバイスをお願いします。
 
堀川さん: ファーストキャリアだけで人生は決まらないので、これで一生が決まっちゃうっていうほどガチガチに固めなくてもいいと思っています。
 
キャリアって轍(車の輪が通った跡)っていう意味なんですけど、ファーストキャリアって自分の進んできた跡として必ず残るので、後から意味付けしてあげれればどんなルートからでもそこから自分の道は開けるはずです。
 


 
いかがでしたでしょうか。
目前の就活に集中してしまいがちですが、堀川さんのお話からキャリアを積んでいくということ、仕事を続けていくということなど長い目で自分のキャリアや就職活動を見るきっかけになったのではないでしょうか?
 
↓↓↓↓↓↓ 堀川さんとの対談は、全3回に分けて公開されています ↓↓↓↓↓↓
 
Vol.1 どんな就活していましたか?
Vol.2 就活に関するアドバイス
Vol.3 美大生の強み、教えます!
是非、記事と合わせてチェックしてみてくださいね。
 
 
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次回も是非お楽しみに!
 
編集担当/ natumi(東京藝術大学)