前田高志さんに聞いてみた!「採用時に見ているポイントは?」
[addtoany]今回は前田デザイン室などで注目の前田高志さんに「採用時に見ているポイント」についてお聞きしたインタビュー動画のアーカイブ記事です。
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採用する立場になって見えてきたこととは!?
ーご自身が採用する立場や面接する側になって、見えてきたものや学生時代の就活で「もっとこうしたらよかったな」と思うことはありますか?
前田: 本当に思ってないことっていうのは、見透かせられるというか見抜けるんですよね。
なんか「知ったかしてんな」とか、「嘘ついてんな」みたいな。(笑)
何となくわかるんです。
かっこ悪く見えてもいいから、そこは正直に言った方が絶対良いと思うんですよね。別に企業は学生側にすごさは求めてないので。
だからきっと僕が内定貰えたのって、学生っぽかったからなんですよ。
めちゃくちゃ優秀な人よりもやっぱりちょっと可愛げがある方がいいじゃないですか。後輩とかってそうですよね?
新卒で入ってもらう人だから、後々伸びていくような人を採りたい。バリバリできる人は独立して一人でやればいいよねって思うし。(笑)
「前田さんと一緒に働きたい!」とか、「今はまだ未熟だけど将来こんな人間になりたいんです!」みたいな人と、一緒に働きたいなと思っています。
ー実際に面接した学生で面接時にこの子いいな、と思ったエピソードはありますか?
前田: 「めんどくさい役回りを率先してやる人」はいいなと思っていて。
まあ、リーダーとかですよね。サブリーダーとかじゃなくて、リーダー。
後は、「部活で全国大会に行った」とかもいいですね。
昔は「何でそんなものが評価されるんだろう」と思ってたんですけど、おじさんになってみるとそういうのがめちゃくちゃでかいと感じますね。
何やってもそういう人は平均以上に物事を持っていくし、上下関係や仲間と言った人間関係もあってしっかりコミュニケーションができると思うからめちゃくちゃ重要だと思います。
ー確かに、体育会系の部活動の経験は確かにガッツがあるアピールになる印象はありますね。
前田: ありますよね。
あと、僕もその気があると思うんですけど、物作りする人って内々に心を閉ざして一人でコツコツ作っていく人が多くて。
コミュニケーションを頻繁に取ってくれる人があんまいないんですよね。
よく「陰キャ」「陽キャ」って言うじゃ無いですか。「陽キャ」の人が欲しいですね。(笑)
「ここを訂正して」って注意したりした時に、内々に溜め込まずに「いやあ、辛いっす!」って言ってくれる方がいい。
ーポートフォリオで特に見ているところなどはありますか?
前田: 僕はクオリティとかも見るんですけどそもそもの物量ですね。
少ないと「そんなにデザイン好きじゃ無いのかな?」と思ってしまう。
まず、デザインが好きかどうか。その熱量はとても大事だと思っていて、そういう部分は見ていますね!
「これから頑張ります」って言われても、今まで頑張ってこれなかったものが急にできる訳ないじゃ無いですか。
ーものすごい多い量のポートフォリオを作られる方もいるんですが、多い分には大丈夫ですか?
前田: 僕的にはありですね!
でも、ものすごい量でも全然成長してなかったら、「努力の仕方が下手なんだな」って思うかもしれません。
若いうちに極める分野を決めて、20代のうちにレベルを上げよう!
今、改めて「学生に伝えたいこと」はありますか?将来に向けてのアドバイスなどあれば、是非お願いします。
前田: 今の若い子たちっていろんな選択肢が多すぎるんじゃないかなって思います。
やりたいことがすぐやれてしまうので「本当にやりたいことがわからない」とかもよく聞くんですよね。
そんな中でも「これを極めよう」みたいな分野を決めて、RPGのゲームで言ったらLevel50くらいまで二十代の内に上げてしまったほうがいいと思います。
そこから何かやりたいことが見つかった場合に、何をやるにしてもその極めたものが自分の武器になりますから。
ーちなみに前田さんは、学生から20代の頃に何を極めようと意識されていましたか?
前田: グラフィックデザイン、あとはアートディレクションですね。
「アートディレクターになろう」って決めたんですよ。
ITバブルがあってそこからは「Webやっとかないとヤバイ」みたいな時期だったのでWebも少し触ったんですけど・・・プログラミングみたいなことが苦手すぎて。
かつWebのシステム系は頑張って覚えてもすぐ更新されていく時期だったので、それはちょっと嫌だなと。
僕「ポジティブに諦めろ」って若い人によく言うんですけど、アートディレクターになってしまえば将来Webの仕事もできるだろうし・・・Webが無理だったから諦めて違うやり方でWebに関わろうと思って。
結果的に今、Webの仕事も出来ていますね。
ー学生だとまだ「ディレクター」ってどういう仕事なのか分からずデザイナーになりたい人の方が多い印象を持っているのですが、ディレクターの魅力ってどんなところでしょう?
前田: 日本の制作会社のシステム上、デザイナーの上司がディレクターみたいになってるんですよね。ただ、本来は同列のものなんですよ、ディレクションする人とデザインする人の役割って。
ディレクターの場合、いろんな選択肢の中から道を定めて「これでいきますよ」っていうのを示す人なんです。
デザイナーは「これでいく!」ってなったら、その世界観をどんどん突き詰める人。深みの部分を作っていく、職人みたいな人。
コンセプトを決める人になるか、職人になるか、の違いですね。
ーやはり、ディレクターになってからの方が仕事の幅は広がりましたか?
前田: そうですね、必要に迫られて広がりました。(笑)
単価を上げていこうとすると、ディレクションの仕事が必要不可欠になってきます。
ディレクターはアイデアの部分の仕事なので、価値が作りやすいんですよね。
いかがでしたでしょうか?
採用する側の視点からの見え方や、デザイナーだけでなくディレクターの仕事の魅力など皆様の就職に参考となるお話があれば幸いです!
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<Vol.1 元大手ゲーム会社デザイナーの就活とは!?>
<Vol.2 どんな学生でしたか?>
<Vol.3 採用時に見ているポイントは?>
<Vol.4 学生にアドバイス!>
<Vol.5 今の時代のデザイナー・クリエイターの生き方とは!?>
<Vol.6 憧れの人と同じ場所に立つ>
<Vol.7 ダメな自分に慣れる!?>
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編集担当/ natumi(東京藝術大学)