「常にデザインの背景にストーリーを盛り込んで、お客様に説明できるように心がけています」
ユウクリが運営する「クリエイターワークス研究所」が開設5年目を迎えるにあたり、ロゴデザインをリニューアルしました。
デザインをお願いしたのは、SpearMint［スペアミント］代表 グラフィックデザイナーの鶴見 裕也さん。
▶https://www.spearmint.biz/
リニューアル前に抱えていた課題を解決するだけでなく、「クリエイターワークス研究所らしさ」がしっかり落とし込まれた素敵なデザインに仕上げてくださいました。
このインタビューでは、今回のロゴデザインに関するこだわりや、ずばりユウクリとの仕事の進め方はどうだったのかなどを鶴見さんにお聞きしています。
クリエイターさんの頭の中をちょっと覗かせてもらえた貴重なインタビューになりました！
皆さんもぜひ読んでみてください。
自分らしさより「お客様らしさ」を表現するのが信条
－リニューアル前のロゴについては、どんな印象をお持ちでしたか？
鶴見さん
可愛らしくて親しみやすさもある、いいロゴという印象でした。
「クリエイターワークス研究所」らしいワクワクする感じもありましたし、印刷の三原色であるCMY（シアン・マゼンダ・イエロー）が使われていて、クリエイティブを連想させるところもいいですよね。
－普段、こういったリクエストがあったときに気をつけていることはありますか？
鶴見さん
今回はロゴデザインのリニューアルでしたが、新規作成でもリニューアルでも、もしくはロゴに限らずパッケージやチラシやホームページのデザインでも、私が重視しているのは「その企業らしさ」「そのサービスらしさ」を表現できているかどうかです。
クリエイターのなかにもいろいろなアプローチをする方がいて、自分の色を大切にして、デザインを自分の作品としてお客様に提案する人もいます。
私の場合は自分らしさよりも、ヒアリングや調査を通して深掘りしたうえで、「そのお客様らしさ」をデザインに落とし込んで表現することを信条にしています。
今回のロゴリニューアルに際しては、もともとある「親しみやすさ」や「クリエイティブ感」といったイメージがクリエイターワークス研究所らしさでもあると感じました。
ですから、最初にご相談いただいたときには、そのイメージから引き離すべきなのか、それともイメージに則るべきなのかをユウクリの皆さんとすり合わせる作業がポイントになると思いました。
－確かに、リニューアル前のロゴの印象が悪かったわけではなかったんです。
だから私たちも、いいところは尊重しながら、どうすれば課題を改善できるかを鶴見さんにご相談しようと考えていました。
鶴見さん
ヒアリングの際にその要望をまとめた指示書をご用意いただいて、「もともとのイメージは残しながら、視認性と汎用性を見直す」という目的がすぐに共有できたので、私としてはとてもやりやすかったです。
クリエイティブに慣れていなかったり、そもそもデザイナーに発注するのが初めてだったりするお客様だと、なにをどう伝えれば形にしてもらえるのかをご存知ないですから、私からいろいろな質問をして道筋を立てるところから始めることも多いんですよ。
日本語でもカッコよく見せるための「作字」とは
－ロゴの制作過程で難しく感じたところはありましたか？
鶴見さん
「作字」ですね。今回のロゴはフォントを使わずにゼロから作字しています。
作字するときには、私の場合はまずは方眼紙に手書きでアイディアを描き出して、それをスキャンしてPCに取り込んでデザインにまとめていくのですが、日本語は文字の組み合わせによってバランスがかなり変わってくるので、それを整えるのに苦労しました。
アルファベットであればだいたい同じような形と大きさなので、「CREATOR WORKS」という具合にバランスを取りやすいのですが、カタカナで「クリエイターワークス」だと、「リ」と「エ」のように形がバラバラで、バランスを取るのが難しくなってしまうんです。
漢字も同様で、日本語のロゴをつくるときはいつも「日本語は難しいなあ」と思いますね。
－そんなご苦労があったとは…。
何気なく「カタカナの方が親しみやすいよね」くらいの軽い気持ちで発注していました！
鶴見さん
でも作字は楽しいですよ。
今回のロゴでは、全ての文字の天地を揃えたうえで、違和感がないようにデザインするのが面白かったです。
アルファベットだったらあまりいじらなくてもかっこよくできたかもしれませんが、「英語の方がかっこいい」という一般的なイメージを、「日本語でもかっこよくできるんだな」と改めてもらえるように頑張りました。
－初めて作字されたロゴを見たときに、メンバーみんな「かっこいい」「可愛い」とテンションが上がりました。
鶴見さん
よかったです！
学生の頃、レタリングの授業で手書きや文字バランスの大切さを学んだ甲斐があります。
デザインの背景にあるストーリーや意味づけが大切
－作字の他にこだわったところはありますか？
鶴見さん
「CWL」の部分のデザインですね。
リニューアル前のロゴを観察していたら円形と直線、三角形が見えてきて、「マルと三角と四角で構成したら面白くなりそう！」とアイディアが湧いたんです。
円形と三角形と四角形は形の基本ですし、積み木でも円形と三角形と四角形を組み合わせて形にするじゃないですか。
「これはクリエイティブの原点だ」と思って、絶対デザインに盛り込みたかったんです。
－とても素敵なご提案でした。
私、「所」の一部がルーペになっているところが好きなんです。
リニューアル前のデザインでは同じ部分がメガネを表現したデザインだったのですが、ちょっとわかりにくくて。
鶴見さん
文字を眺めているうちに「これは、ルーペの形にできるな」と。研究所らしさも出るし。
全体的に以前のロゴよりも意味づけが強化できたのではないかと思っています。
－プレゼンの席で、デザインに込められた意味やストーリーを説明していただいたときには「すごい！ここにはこんな意味が！」と感動しました。
いつも今回のように丁寧に説明されているのですか？
鶴見さん
そうですね。特にロゴは企業やサービスの本質が凝縮されたものですから、「なんとなくかっこいい」だけなら比較的簡単につくれると思うのですが、なぜそのロゴがその企業らしさやサービスらしさを表現しているのか、その裏付けがないとお客様も決め手にかけると思うんです。
ですから私は、常にデザインの背景にストーリーや意味づけを盛り込んで、お客様に納得していただける説明ができるように心がけています。
－確かに、そこまで考えてくださるのはありがたいですね。
鶴見さんを頼りにするお客様が多い理由がわかった気がします。
今日はありがとうございました！
鶴見さんとユウクリのつながり
鶴見さんは7年前、会社員からフリーランスになるタイミングでユウクリにご登録されました。
フリーランス駆け出しでまだ安定したお仕事が入ってきていない段階ということもあり、1日や1週間以内のスポット派遣【クリプラス】で多数の派遣先にてご活躍されていました。
その後、徐々にフリーランスのお仕事が舞い込むようになり、現在ではユウクリから業務委託のお仕事を中心にご依頼させていただいており、長きに渡りご活躍されているクリエイターです。
鶴見さんのデザインプロダクション、SpearMint［スペアミント］のホームページはこちら
暮らしにちょっとした刺激を
SpearMint［スペアミント］はグラフィックデザインによって新しいブランドを生み出したり、ブランドイメージの根幹を創造するデザインプロダクションです。
▼SpearMint［スペアミント］の制作事例
《お仕事図鑑vol.1》地元栃木で活躍中のフリーランスデザイナー鶴見裕也さんに聞く！なぜ【フリーランス】という働き方を選びましたか？
クリエイターワークス研究所とは
クリエイターワークス研究所は『クリエイターみんながイキイキと働ける世界に』をミッションに、クリエイティブ業界に特化した実態調査を⾏っている調査機関です。
そのミッションを叶えるべく、『「知らない」「見えない」クリエイターのリアルを伝え、クリエイティブ業界に前向きで新しい行動変容が起こす』ことをビジョンとしています。
そして、『前向きで新しい行動変容』のきっかけの一つが【実態調査】です。
今回のロゴリニューアルに伴い、サイトもリリース。
クリエイターの実態調査の結果をコラム化し、インフォメーショングラフィックを用いてよりクリエイティブ、且つ、より「伝わる」デザイン表現で発信しています。
複数のデザイナーが手がけるインフォメーショングラフィックデザインにもぜひご注目ください！
また読みたくなるコンテンツとして、クリエイターの採用、育成などの改善に役立てられる情報を配信していきます。
▼クリエイターワークス研究所サイト
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今回インタビューをさせていただいた鶴見さんのように「フリーランスを軌道に乗せるまでの仕事を探したい！」という方や「転職活動のサポートを受けたい！」という方も、まずはカンタン登録をしてみませんか？
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