年々マーケットが拡大するハロウィン商戦!次に狙うイベントは?変化するシーズンマーケットの今と未来

年々早まるハロウィン商戦。雑貨屋ではもちろん、スーパーやコンビニでもハロウィングッズや関連商品、セールを見ます。なぜハロウィンはここまで浸透したのか、これからどのようなマーケットの広がりが考えられるか。また、ハロウィンに続くシーズンイベントとして注目されているイベントについて等、シーズンイベントの今と未来をまとめました。

 

コスプレイヤーがリード!? 今後のハロウィン市場は?

近年ますます盛り上がり方がヒートアップしているハロウィン。日本記念日協会の2016年発表資料によると、その推定市場規模は前年比約10%増の約1,345億円(※1)。これは、バレンタインの約1,340億円を上回る数字で、クリスマスに次いで第2位となっています。

そして今年も、まだまだ夏真っ盛りの8月から、100円ショップなどを皮切りにハロウィン商戦がスタート。Amazonなどのネットショップでもハロウィンの特設ストアが早々に登場しています。

なぜここまでハロウィンが注目され、日本に浸透したのでしょうか。

従来のクリスマスやバレンタインなどのシーズンイベント市場は、ホームパーティー、レストラン等での飲食、プレゼント需要がメインでした。しかし、それに対し、ハロウィンの一番の需要は「コスプレ」にあります。サブカルやマニアックなファンの世界だけじゃなく、広く一般的に「コスプレして楽しむ」という新たなお祭りムードが、ハロウィンの市場拡大の要因といえるでしょう。

ハロウィン当日は、ゴーストや魔女、ジャックオーランタンといった定番だけでなく、フェアリーや血まみれのナース、あるいは大好きなキャラクターなど、大人から子どもまでがコスプレを楽しむ時代となったのです。

※1
一般社団法人日本記念日協会 記念日文化研究所
「2016年のハロウィン推計市場規模報告」
http://www.kinenbilabo.jp/?p=470

 

ハロウィンのコスプレ需要にはまだまだ拡大の余地あり

コスプレの舞台となるのは、レストラン、テーマパーク、ホームパーティー、街ぐるみの路上イベントなどです。渋谷では毎年コスプレイヤーが集結し、当日夜の盛り上がりは風物詩ともなっています。

参加者が重視しているのは、キャラクターになりきること。メークも衣装デザインも含めてキャラをセルフ演出することを楽しんでいます。
また、コスプレと聞くといわゆるオタクを思い浮かべるかもしれませんが、ハロウィンでは既製品のバリエーションの多さから、普段はコスプレをしないライトな層、あるいは子ども連れの親などの参加も目立ちます。

今後、ハロウィンをさらなる需要が見込めるマーケットに成長させるカギは、セルフ演出ニーズに対するアプローチではないでしょうか。
どういった変身願望があるかを世代別にリサーチし、コスプレの完成度を高めるためのグッズ、自分自身のコスプレの魅力を発揮できる空間や舞台などを提供するといったことが考えられます。自社製品のプロモーションでも、コスプレイヤーの心をくすぐることを意識した戦略が必要でしょう。

 

ハロウィンの次に注目するのはイースター×ホームパーティー

ハロウィンに次いでシーズンイベントとしてますます需要拡大が見込まれるのが『イースター』です。ここ数年は認知度も高まっていますが、ただ、ハロウィンのコスプレほど牽引力のあるテーマが不在で、パワーのあるキーワードもしくはキーパーソン、キープロジェクトが求められている状況と言えます。

マーケティング・リサーチ会社クロス・マーケティング実施の調査では、イースターの認知度は「内容・名前を知っている32%」と「名前のみ知っている34%」を合わせると70%近くになります。またSNSアカウント保有者の方が内容認知の割合が高い傾向もあります。(※2)

イースターは、イエス・キリストの復活を祝う行事で、イースターエッグと呼ばれるペイントされた卵、多産の象徴であるウサギがシンボルとなっています。これまでは、卵やウサギをモチーフにしたお菓子やグッズ、食品メーカーによる卵を使ったメニュー提案などが、イースターマーケットの中心でした。

今後、イースターマーケットを盛り上げるカギは、お菓子や料理、グッズをまとめてプロデュース、プロモーションできる“ホームパーティー”にありそうです。
認知度は高まりつつあるイースターですが、イースター当日に何をしていいかわからない、という声もまだまだ多いのが事実で、クックパッドの2016年の調査によると約75%がイースターにちなんで行ったものは特にない、と回答しています。(※3)

隠された卵を探すエッグハント、卵が割れないように転がすイースターロールなどの伝統的なイースターの遊びにちなんだゲームや、卵料理、スイーツ、インテリアグッズなど、ホームパーティーというハコの中でできることを提案、プロモーションすることで、「イースターにはホームパーティ」という習慣が広く浸透すれば、日本でもイースターを楽しむ人が増えていくことでしょう。

ちなみにイースターの日は毎年変わります。
宗派によっていくつかの決め方がありますが、一番ポピュラーな日程では、来年2018年のイースターは4月1日になります。

※2
クロス・マーケティング
「イースターに関するアンケート調査」
https://www.cross-m.co.jp/cromegane/ea20170412/

※3
クックパッド
「イースターと卵に関するアンケート」
https://info.cookpad.com/pr/news/press_2016_0317

 

本来の趣旨から外れても楽しめるかどうか、SNS映えするかが大事

ハロウィンにイースター、2つの新興シーズンイベントの状況をお伝えしましたが、こうしたイベントを今の日本人、とりわけ活気のある若者たちが受け入れるかどうかは、「とにかく楽しめるかどうか」「SNS映えするかどうか」にかかっていると言えます。
たとえ本来の趣旨から外れたとしても、親しい仲間や親子で盛り上がれるきっかけや場所があり、それが楽しそうで、かつSNSでシェアしたい、と直感的に感じるものであれば、ヒットする確率が高いというわけです。

すでに定着しているクリスマス、バレンタイン、日本独自の行事であるひなまつりやお花見、七夕、お月見なども、そうした観点から新しいアプローチをひねり出すことで、マーケット拡大が狙えるかもしれません。

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