【ディレクター必見】「ディレクション」と「マネジメント」の違いとは?

大手の代理店や制作会社などでは、「マネジメント」と「ディレクション」の業務は別々の担当者がいるケースが多いですが、中小規模の企業では、人数の兼ね合いやキャリアによって両方を「兼務」している人も少なくありません。その場合、日々のディレクションがマネジメントの一部と重なるため、その境がとてもあやふやとも言えます。今回はこの両者の業務を把握し、比較していきたいと思います。

 

そもそも「マネジメント」とは?

まず「マネジメント」とは、簡潔に言うと「経営や組織、またはプロジェクトを管理する」ことです。
マネジメントに関しては、過去にベストセラーとなった「もしドラ(高校野球の女子マネージャーがドラッカーの”マネジメント”を読んだら)」でも有名な「P・F・ドラッガー」が生みの親とも言われています。日本では、この本で「マネジメント」の言葉がすっかり浸透した感もあります。

以前はいわゆる「管理職」として、「部長」や「課長」などのような肩書きで語られることの方が多かったですが、マネジメント(マネージャー)は、その「部署単位での業務」をまたいで従事することもしばしばあります。そして実質の経営に関わるものも多く、マネジメントの采配如何によって事業の収支や会社の経営状況を大きく左右することにもなるのです。
具体的な業務をおおまかにわけて見てみましょう。

1.自分の組織(会社全体、部署やプロジェクト、エリアなど)が向かう目標や方向性、ミッションを設定して業務が目指していく位置を管理する。

2.メンバー(部下)を成長させるための業務選定や指導などの人材育成。また、人材がモチベーションを持って取り組めるように、その環境や個人ベースにおいての管理をする。

3.事業においての予算組みや調整、クライアントへの請求書や見積書などの作成管理。

4.上司や経営者、他部署との橋渡しや連携調整。事業とのバランスをはかり、人材の役割やプロジェクト編成などにおける方向性の調整管理。

5.資金や組織・業務・人材など、あらゆる原因から噴出するリスクに対して、回避、もしくは軽減させるための管理。

 

ディレクションとは?

次は「ディレクション」に関して見てみましょう。

ディレクションも「管理をする」ところでは似通っていますが、マネジメントに比べるともっと制作現場に近く、管理業務だけでなく実際の制作に関わることなど、より細かい内容になってきます。
クライアントとの交渉や制作に対する管理や取りまとめ、さらに制作を行うことも多く、企画や企画提案することなどもあります。組織体制などによっては企画営業職などと分業することもありますが、ディレクション業務の範疇と言えるものを挙げてみます。

1.プロジェクトや事業の予算、制作に対して必要経費などの管理。

2.現場のスケジュール作成と進行・進捗の管理、人員や現場の状況把握とスケジュールの調整、またそれらの情報共有。

3.クライアントとの打ち合わせや折衝交渉、プロジェクトなどの企画作りや企画の提案、またクライアントと現場の橋渡し。

4.実際の作業を行う際に配置する人材選定。

5.クライアントの意図や、品質・ブランドなど対しての現場認識との擦り合わせ、そしてそれらの品質管理。

6、現場における実制作や作業の補足、指導など。

 

「ディレクション」と「マネジメント」の違い

こうして、それぞれの役割をまとめて見ると、どちらも組織やプロジェクトをまとめるという共通点があります。そのため、非常に近しい業務であると言えます。

逆に、ディレクションはマネジメントに比べより現場業務に即したものをとりまとめ、一方のマネジメントは経営的な観点が非常に強いという違いがあると言えます。

つまり、マネジメントは、例えば「制作」といった現場業務だけの知識や経験で行うことはできません。統括的なマネジメントを行うためには会社の方針や経営的な戦略知識、メンバーのキャリアの成長といったことをはじめ、常に幅広いアンテナを張る必要もあるのです。

 

肩書きだけの役職に流されない

制作現場でマネジメントとディレクションが混ざってしまうのは、マネジメントやディレクションに関する「肩書き」が会社由来によるものも多く見受けられ、ひとくちに「エリアマネージャー」「プロジェクトマネージャー」などという肩書きでも仕事内容はディレクター寄りであるということが往々にして起こり得るからと言えます。

これと近しい現象が、現場では「ディレクター」という肩書に対しても起きています。
「Webディレクター」なのにプロジェクト規模や人数のバランスから、肩書はディレクターであっても、実際はほとんどデザインやコーディングなどの実制作業務ばかりだったということを経験された方もいらっしゃるのではないでしょうか。

それゆえ、業務上の役割と、会社組織上での自身に期待されている(任されている)役割をしっかりと把握する必要があります

 

まずは「マネジメント」への意識を持つこと

では、「上手なマネジメント」をするにはどうすればいいのでしょうか。
世の中に多くのマネジメントについて解説した本があるように、マネジメントには様々な論や手法があります。組織やメンバーによっても最適な方法が違うとも言えます。

その中で、とは言えまず最初の一歩として大事なことは、マネジメントについての意識を持つことです。

「マネジメント」は、前述の通り、そても経営に近い話です。経営の方針を実際の現場で実行するのですから、ある意味では「経営そのもの」とも言えるかもしれません。つまり、マネジメントに意識を持つことは「経営」について意識を持つことと同義でもあります。

事業部長や社長から、経営方針について共有される場面があると思います。
その際、とても当たり前の話ではあるのですが、意識をもって情報に触れるのとそうでないのとでは、その情報の受け取り方がまったく違います。

「いいものを作る」の意識だけでなく、会社の経営方針を意識してディレクションをする。
例えば原価率の改善。あるいは各メンバーの成長。付加価値の創造。
それが最初の一歩です。

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