【紹介予定派遣 活用事例】
株式会社ピキピキドカン様は、誰もが知る大企業や広告代理店をクライアントに持ち、たくさんの刺激的で遊び心のある広告を世に送り出している広告企画制作会社です。
三軒茶屋から徒歩8分の閑静な住宅街にあるオフィスにお邪魔すると、迎えてくれたのはなんとも個性的なダルマと招き猫。デスクスペースも広く、シンプルな内装と広いバルコニーはとても居心地がよさそうです。
今回の『ステキに出会う旅』は、アートディレクター(AD)、グラフィックデザイナーであり同社代表の八木ひとみ様に、このお仕事の魅力や、会社の代表であり女性クリエイターでもあるご自身の仕事への向き合い方、そしてクリエイターの皆さんへのメッセージをお聞きしました。
子育てしながらの会社勤めに不安を覚え、夫の言葉に背中を押されて独立
-まずは、インパクトのある会社名のお話から聞かせていただいてもよろしいですか?
あはは。やっぱり気になりますよね。
私が勤めていた会社を辞めて個人で仕事を始めたときに、コピーライターをやっている夫に考えてもらった屋号です。
若い人はご存知ないかもしれませんが、昔のアニメの主題歌の一節にそういう歌詞が出てくるんです。
夫いわく、私の働いている様子がその歌詞っぽいらしくて。
仕事にぐっと集中して、雷みたいにバリバリ仕上げる、みたいな。
「え、そんなふうに見られてたんだ」と少しショックを受けつつ(笑)、ちょっと面白いな、と思って、いくつか案を出してもらったなかから選びました。
その屋号を法人に引き継いだ形です。
-以前はデザイン会社や広告代理店でデザイナー、アートディレクターとしてお勤めだったと伺いましたが、独立された経緯をお聞かせください。
デザイナーとして働き始めた頃から、ある程度経験を積んだら独立するプランは持っていたんです。
ただ、独立してからと思っていた妊娠と出産のほうが先になったんですね。ちょっとその場合のプランは考えていなくて(笑)。
広告代理店のADの仕事はハードですし、当時は、今と比べて女性が育児と仕事を両立することに理解のある世の中ではなかったですから、産休から復職するにあたって、出産前と同じように働くのは難しいかもしれない、と不安になりました。
そのことを夫に相談したら、「だったら、思い切ってこのタイミングで独立したら?」と。
自分の収入だけでもなんとかなるから試しにやってみなよ、と背中を押してくれたんです。
それで「そっか。じゃあやってみよう!」と思い切って独立しました(笑)。
-そうだったんですね。最初はひとりで始めたんですか?
そうですね。最初は個人事業主で。でも幸いなことに、以前一緒にお仕事をさせていただいていた方々からお声がけいただけて、スタッフをひとり雇ったタイミングで法人化しました。
のちに夫も合流して、今は私含めてスタッフ4名で業務に当たっています。
-仕事内容についてお聞かせいただけますか?
商品パッケージや広告グラフィックのデザイン、テレビ番組のロゴやイベントグッズなどのデザイン、CMやWEBを始めとする広告企画制作などが主な業務です。
スタッフ4名中3名が女性ということもあって、ご依頼いただくのは化粧品や日用品など、女性向け商材の方が多いですね。
ただ、フェミニンな表現もありつつ、どちらかというとインパクト重視のキャッチーな広告が得意かな、と思っています。
それから、広告代理店出身者が多いので、制作工程全体を把握したうえでご提案できるのも強みかもしれません。
人としゃべることがエネルギー源。常に相談しやすい存在でいたい
-ホームページを拝見すると、個性的で楽しげなデザインばかりでワクワクしてしまいます。
ところで、八木さんのプロフィールに「しゃべるのがエネルギー」と書かれていますが…。
私、人と喋るのが大好きなんです(笑)。
わりと知らない人からも話しかけられやすいですし。
会社のある三軒茶屋が下町の雰囲気が残る街だからということもあるのかもしれませんが、商店街を歩いていると八百屋さんや揚げ物屋のお姉さんが、普通に喋りかけてくるんですよ。でも、そこから始まる会話が楽しいんですよね。
-その雰囲気は、お仕事でも生かされているのでしょうか?
どうでしょう…ただ、会社も私自身も、お客さまにとって常に相談しやすい存在でいたいとは思っています。
私、打ち合わせに行ってもほとんどが雑談で、お仕事の話はほぼしてない時もあります(笑)。
「さっき階段で転んじゃって〜」とか、「娘が冷蔵庫に牛乳こぼしちゃって〜」とか、どうでもいいようなことでも、自分から開けっぴろげに話しかけると、相手も安心していろいろと相談してくれるようになるんですよね。コロナ禍でリモートになっても、そういうコミュニケーションは変わらずとっていきたいと思っています!
-雑談力、大切ですよね。コロナ禍でお仕事のやり方は変わりましたか?
「人を集められないから撮影を減らそう」とか「撮影はするけれど規模は縮小」みたいな案件が増えています。
一方で、スピード感は上がっています。
ミーティングがオンライン主体になって移動時間を減らせる分、作業を効率化できるようになったと思います。
ただ、コロナ禍であろうがなかろうが、時代に合わせた表現を生み出すのがクリエイターの仕事ですから、そういう意味では平常運転というか、撮影ができない分ほかの手法を考えたり、オンラインを活用したイベントを企画したりと、ここが腕の見せどころだな、とも感じています。
みんなでつくり上げる楽しさと、クライアントや働き方と向き合うことの大切さ
-パワフルな言葉にこちらが勇気づけられます。八木さんにとってのお仕事のやりがいについてお聞かせください。
「力を合わせてひとつの広告をつくり上げること」でしょうか。
私、医療ドラマが好きなんですよ。
専門家がそれぞれの技術を生かしながら、力を合わせて難しい手術をやり遂げるシーンを見るといつもグッときます(笑)。
クリエイティブの現場もそれと同じで、営業担当がいて、クリエイティブディレクターやアートディレクター、コピーライターがいて、デザイナーがいて、マーケティング担当がいてというふうに、いろいろなメンバーが関わってひとつのものができあがっていく。
その過程に携わるのが好きですし、その結果、商品が売れたり広告が話題になったりして、クライアントやその先にいるユーザーが喜んでくれることに、なによりのやりがいを感じますね。
それから、プロジェクトごとに違うジャンルや商材を扱うのも楽しいです。
シャンプーのパッケージをデザインしたあとにテレビ番組のビジュアルをつくったり、製薬会社のパンフレットをつくったり。
毎回自分の知らない世界を知ることができますし、都度学びがある。デザインや広告って面白いお仕事だな、と思います。
-会社としての姿勢や目標についてお聞かせください。
とてもベーシックな話で恐縮なのですが、「たとえ小さな仕事でも、一つひとつ丁寧に、一生懸命取り組むこと」。
これは、独立するときに先輩からいただいたアドバイスなんです。
誠実に仕事に取り組んでさえいれば、自然とうまくいくよ、と。
まあ、あまり利益が出ない仕事ばかり取ってくるのは、社長としてはいかがなものかと思いますが(笑)、クライアントもいい方ばかりですし、声をかけていただけたら引き受けてしまいますよね。それに、そういう姿勢を評価してくれる人は必ずいると信じています。
それから、女性クリエイターが活躍できる会社でありたいと思っています。
やっぱり今の日本の社会で、家庭を持っている女性のデザイナーやADがばりばり働ける場所はまだ少ないなぁと。
たとえライフステージに変化があっても、この会社ではそれに合わせた働き方ができる環境を用意しておきたいと思っています。
-素晴らしいですね。同じ女性として応援したいです。
ありがとうございます。
独立したばかりの頃、クライアントさんの企業で、子育てしながら生き生きと働いている女性の姿を見て感銘を受けたんです。
こんなふうに働ける場所もあるんだ、と驚きましたし、クリエイティブの現場でも同じような場所をつくれたらいいな、という目標にもなりました。
いま当社ではスタッフがひとり産休に入っているのですが、その頃の目標がひとつ叶ったようで嬉しく思っています。
バナー広告を見て「20年前にお世話になった会社だ!」からのおつきあい
-採用についてお聞きしたいのですが、2018年からユウクリのサービスをご利用いただいていています。
まずユウクリのことはどこで認知していただいたのでしょうか?
ネットですね。
会社を立ち上げた当初は、スタッフは知り合いに紹介してもらっていたんです。
でも人の紹介だと断りにくいし、なかなかうまくマッチングしていませんでした。
あまり長続きせず辞めてしまうことも。せっかくいろいろ教えてもまたゼロから。
これはよくないと思い、何社か人材エージェントの会社を検索してみたんです。
そのときにユウクリさんのバナー広告が出てきて、「あ!デザイナーになりたての頃、お世話になったことがある会社だ!」って思い出したんです。
-え!八木さんご自身がユウクリに登録されていたんですか?
そうなんですよ。もう20年ほど前ですが、紹介していただいた会社に勤めた経験があります。
その会社にはいろいろな派遣元からデザイナーが集まっていたのですが、ユウクリさんから派遣されていた方は皆さんいい人だったな、という印象がありました。
実際に今でもお付き合いのある人がいるくらいです!
-そうだったんですね!嬉しいです!
これまでに2名採用していただいていますが、ユウクリのどんなところをご評価いただけていますか?
当社では採用の条件として、優れたスキルを持っていることも重要なのですが、それ以上に会社やスタッフとの相性を重視しています。
ユウクリさんは、そういう当社の考え方やスタッフの性格をとてもよく理解してくれているので、必ず私たちが「この人と一緒に働きたい」と思える方を紹介してくれるんです。
他の会社さんにも同じ内容をお話しして紹介してもらいましたが、ユウクリさんほどしっくりこなかったんですよね。
それから、とても親身になってくれることと、登録者のことをよく理解されていること。
以前、スキルもあってキャラクターもとてもいい人を紹介していただいて、これはほぼ採用かな、と思いつつ、若干ひっかかるところがあって迷っていたんです。
そうしたら担当営業の勝亦さんから「八木さん、あの方、もしかしたらピキピキさんと合わないかもしれません」とおっしゃってくださって。
それで「そうだよね、じゃあ今回はお断りしよう」と決断できました。
-きっとマッチングするだろうと思ってご紹介するのですが、実際お会いいただくと違和感を覚えることもあって、難しいところです。
いや、すごいな、と思いましたよ。
だってドライに考えれば、多少強引にでもマッチングさせてしまった方がユウクリさんにとっては利益になるのに。
こちらの身になって考えてくれていることがわかって嬉しかったですし、登録者さんともコミュニケーションをしっかり取っているからこそ、ミスマッチに気づけたんだろうな、と感じました。
-機械的になり過ぎないマッチングは、まさに私たちが大切にしていることです。ありがとうございます。
「紹介予定派遣」という制度もいいですよね。
3ヶ月のお試し派遣期間があって、合わないと思えばどちら側からも断ることができる。
関係性として対等だし、お互いハッピーだと思います。
もう他の採用方法が考えられないくらい、当社には合っていると思います。
自分の見せ方を意識することが大切。失敗を恐れず何度もトライしてほしい
-採用する側、される側双方のご経験をお持ちの八木さんから、今仕事を探していたり、スキルアップしたいと思っていたりするクリエイターの皆さんにアドバイスをいただけますか?
自分のことをどう見せるかは意識しておいた方がいいかもしれません。
せっかくスキルがあるのに、うまく伝えられないのはもったいないですよね。
私も昔は、プレゼンで話すことを全部メモに書いて、本番でもそれを読んでいたのですが、それだと内容も気持ちも伝わらないんですよね。
だから今は、最低限話さなければいけないことだけ決めておいて、あとはそのときに出てくる自然な言葉で話すことを心がけています。
-デザイナーさんのなかには、人前でしゃべることに慣れていなくて、萎縮してしまう人も多いようです。
以前は私もそうでした。
でも、自分がプレゼンや面接を受ける立場になってわかったのですが、聞いているほうは意外と暖かい目で見守ってくれているものなんですよね。
私も、面接で緊張している人を見たら「落ち着いて!がんばって!」って(笑)。
だから失敗を恐れずに、何度でもトライしてみてください。
ユウクリさんの方でも面接の対策はしていただいているんでしたよね?
-そうなんです。弊社は登録クリエイターの方一人一人に担当キャリアアドバイザーがつき、クリエイターさんのウィークポイントを中心に面接対策も実践しております。
しかし、仰る通り、まだまだ課題はあると感じています。
実践的な話で言うと、自分のポートフォリオを、いつでも見せられるように準備しておくことと、なるべく頻繁にアップデートすること。
全く関係ないと思っていた出会いがきっかけで仕事になることもありますからね。
PCやタブレットからすぐに「自分がいま一番見せたい作品」を見られるようにしておくことが、なにより簡単で伝わりやすいアピールの方法だと思います。
それと、ポートフォリオも2パターン用意しておくと良いですね。
一つは、「私はこんな人」というのがA3サイズ1枚ですぐにわかるような自分の代表的制作実績をまとめたもの。
もう一つは、それぞれの制作実績の詳細を載せたもの。
それぞれをクライアントやシチュエーションによって使い分けたり、中身も入れ替えたりしています。
これは代理店に在籍していた時に先輩から教わりました!
-とても参考になるお話、ありがとうございました。これからもご期待に添えるようがんばりますので、よろしくお願いいたします!
株式会社ピキピキドカン
2015年設立。『三茶から、みんなにチャチャチャ!』を合言葉に、古きよき下町の風情と最新のセンスが融合する街、三軒茶屋を拠点とする広告企画制作会社。
CMやWEB、店頭ツールを始めとする広告企画制作、ブランドコンセプトやネーミング等の開発、ロゴデザイン、商品パッケージデザイン、各種グラフィックデザインなどの業務を通して、多くのクライアントから支持を得ています。
ライフステージに関わらず、さまざまな働き方を実現できる会社を目指しており、産休・育休制度の拡充にも力を注いでいます。
株式会社ピキピキドカンのホームページはコチラ : 株式会社ピキピキドカン