【スポット派遣 活用事例】株式会社IDR

【スポット派遣 活用事例】株式会社IDR

【スポット派遣 活用事例】
デザイナー伊藤政芳氏によって1978年に設立以来、グラフィックデザインをメインとして様々なクライアントを手掛けてきた株式会社IDR様。
コスメや飲食物、日用品の広告など、生活に密着した商材の実績を数多くお持ちです。

長年の歴史を踏まえつつ、進化目覚ましいクリエイティブ業界を担っていくため、2020年に伊藤氏から代表の役職を受け継ぎ、新たな体制で会社の未来を創造している土倉瑞生代表にお話を伺いました。

培ってきたデザインコミュニケーション力で、「5G時代」に対応する

-御社はどのような事業をされていらっしゃるのか、事業を継承された経緯なども含め、お伺いできますでしょうか?

IDRは、私と同じ年齢の会社で、今年で43年目となります。
創業社長の伊藤が立ち上げから2020年3月末まで代表を務め、翌4月から私が代表の役職を承継しました。

伊藤が70代となり事業承継が必要というときに、会社の規模として個人が買い取れるようなものではなくなっていたので、事業持株会社様にご協力頂き、継続していくことになりました。
その際、現場を充分に理解している者が社長になったほうが事業を良くしていけるだろうということで、20年来現場を担当してきた私が社長にチャレンジする運びとなりました。

-お仕事の内容について、事業承継の前後で変わったことはありますか?

事業内容自体は、承継をきっかけに大きく変わったということはありません。
しかしそれとは別に、DXとかデジタルシフトとか言われる時代の変化に対して、広告等のコミュニケーション業界も同様の変化が求められています。

元々のIDRはグラフィックデザインをメインとしていたのですが、2008~2010年くらいから少しずつデジタル方面やパッケージデザインの相談が入ってくるようになりました。
デジタルの専門チームができたのが2013年頃で、その頃から当社でも時代に合わせた表現をどんどんやっていこうという舵取りを行っています。

私が代表となった前後、一昨年・昨年あたりからは「5G時代」として、より豊かな表現を求められるようになりました。
映像も自社で手掛けていけるよう新たに動画担当チームを作り、活動を始めています。

お客様の課題にジャストミートできる「オールメディアプロダクション」へ

-御社は長いお付き合いのクライアント企業様が多いと思いますが、コロナ前後でお客様からのご要望に変化がありますか?

コロナ前は、比率としては現物のあるSPツールを中心に作ることが多かったですが、コロナ後はデジタル媒体の比率がぐっと増えました。
社会環境の変化で商品の売れ行きがガラッと変わり、化粧品が売れにくい一方で衛生用品などは何もせずとも飛ぶように売れていく、というような現象も目の当たりにしました。

予測し得ない変化が起きたことによって、表現物も変わることを余儀なくされている中では、新しい手法をクイックに提案できる対応力を身につけておくことが不可欠です。
「IDRはグラフィックの会社なので、課題解決策としてグラフィックをご提案します」というスタンスだけではお役に立てないので、お客様の課題に常にジャストミートできる手法を持っておきたいなと考えています。

今で言うと、「オールメディアプロダクション」を目指してやっていきたいと思っています。

-UIやUXにもチャレンジされていますが、グラフィックデザインとの違いはあるのですか?

大雑把な言い方になるのですが、広告としてビジュアル表現をする場合、騒がしい中で振り向いてほしい、こっちをみて、という強い表現をすることになります。
そういう強い表現の広告に対して、UIやUXというのはひっかかりなくなめらかに、ストレスなく使ってもらうことを重視するものだと考えます。
世界観を表現する役割は変わらないのですが、アプローチが違うので、逆とまでは言わないものの、違う視点が必要だと思いますね。

-そのような変化はベテランのデザイナーさんであれば、不安なく順応できるものですか?

考え方の訓練は必要だと思いますが、基礎がきちんとできているデザイナーであれば、試行錯誤していくうちに会得していけるものだと思います。

今は変化の時期ということもあるので、意識的にチャレンジして学んでいこうというのが当社の方針で、定期的にライトな勉強会を行って、幅広い考え方をインプットする機会を作っています。
変化ばかりを強要するとストレスになるので、日々インプットしていくことで、自分らしく働きながら、取り入れてもらえればと思っています。

「少人数のチーム制」で、働く人のワークライフバランスを保つ

-時代が変わる中でも、IDR様が変わらずに大切にしていることを、ぜひ伺いたいです。

IDRはマーケティング戦略がしっかりある大企業様との仕事が多いので、その戦略を理解した上で、より魅力的なアウトプットに落とし込むことを大事にしています。
戦略にマッチしつつ、人が直感的に魅力を感じる表現にすることは簡単ではありませんが、頭でっかち過ぎて魅力を感じなかったり、逆にキレイ・カワイイ・カッコイイだけでもダメで、機能も高くないといけないという認識です。

「表現のための表現」はお客様にとってのソリューションではありません。
目的を果たす役割はブレず、より魅力的な表現でソリューションを提供する、ということを大切にしています。

また、クリエイティブの世界はどうしても属人性が高いものになるので、少しでも会社として継続的なものにしていくため、当社ではチームワークを非常に大事にしています。
いろんな個性の方が複数の小さなチームとしてまとまって動くことで、チームとしての個性は持ちつつ一定のクオリティ、馬力を持たせるようにしています。

チームワークは働く人々のワークライフバランスを保つためにも重要です。
個人の体調不良やプライベートな予定なども、チームワークがあれば緩和できるのです。

かつての広告業界はすべてを犠牲にしないとやっていけない世界でしたが、チームワークを活用することでできる限り個人の生活も大切にし、継続的に安定したクリエイティブが提供できる環境を作ることは、働く人にもお客様にとってもメリットだと考えています。

-今どのくらいのチームが動いているのですか?
3名前後のチームが、8チームほど動いています。
昔からチーム制ではあったのですが、ここまで少人数にしてチーム数を増やしたのは2年くらい前からです。
ミドルマネジメント層を育成し、リーダーシップにチャレンジできる機会を意識的に作っているという側面があります。

女性が安心してライフイベントを迎えられる体制をつくりたい

-どのような背景や課題があって、「少人数のチーム制」に至ったのですか?

当社は女性スタッフが多く、7割くらいを占めています。
30代半ばで丁度、自分の力でいいクリエイティブを作れるようになる時期と、重要なライフイベントがかち合ってきてしまうんですよね。

例えばAさんが結婚して子どもをもうけるために仕事のペースを落としたいというときに、代わりになれるBさんがいないと、Aさんが苦しくなってしまうんです。
そういう理由で、この業界を続けられないとか会社を辞めるようなことになると非常に勿体ないので、スキルを持っている人をできるだけ増やして、やりくりができるようにしておきたいという思いがあります。

-安心してライフイベントを迎え、落ち着いたら戻って来られる体制ということですね。

今はお子さんがいる方や、産休を控えている方で出産後また復帰しようとする方もいます。

より多くの人がリーダーシップにチャレンジできるようにしておくことで、例えば1回リーダーになった後ライフイベントがあって休み、復帰後の最初は軽めのポジション、状況が許すようになったらまた再度リーダーに戻ることもできるような形を目指しています

-女性が多い業界ですから、会社としては変化に対応していくことが必要なんですね。

当社は女性のクリエイターが活躍できる分野の仕事が多いので、実際に女性の目線があったからこそ成長してきた側面もあります。
ですから、職業、仕事でチャレンジしたいという女性が才能を発揮するためのいい器を作りたいと思っています。

結婚出産以外にも介護や思わぬ事態など、あらゆる人にライフイベントは起こります。
お客様のブランド育成を長期的にお手伝いをしているので、どんどん入ってどんどん辞めていく会社ではなく、スタッフもじっくり腰を落ち着けて、お客様とご一緒できる体制を目指しています。

またクリエイターというのは、きちんと自分の暮らしが送れる状況、イチ生活者であるという感覚を持ってこそ、いいクリエイティブが提供できると思うのです。
父になり母になり、もちろん親にならなくても良いし、いろんな役割を経験してデザイナーではない視点を持つことは、アウトプットの豊かさにも直結します。
暮らしの中で様々な役割を担うためにも、チーム制にすることは大きなポイントだと思っています。

-チームを成り立たせて活気あるものにしていくために、特別な取り組みなどは行われていますか?

特別な施策があるわけではないのですが、チーム内できめ細かくコミュニケーションを取るように推奨しています。
私が代表になる2年ほど前からSlackなどのチャットツールを導入したり、在宅勤務に合わせてサーバーをクラウド化するなど、職場環境がオンラインに変わったことで、メール時代より格段に社内コミュニケーションが取りやすくなったと感じます。

またチームだけで世界が閉じてしまわないように、積極的にチーム外と関わる機会も作っています。
ミドルマネジメント層同士の会議を設けていて、例えば提案数が足りないので別案を募集したり、チーム同士で人材をやりくりし合うなど、チーム間での助け合いもできるようにしています。
大規模プロジェクトには複数名が参加して、チームをスケールアップして取り組むこともあります。

それ以外にも今年は「2021学びの月曜日」と銘打った全社ミーティングを毎週10分間行っていて、年間スケジュールを立てた上で、一人ずつ持ち回りで発表しています。
若い人は作品の紹介、ベテランは自分で勉強をしてきてミニウェビナーをするなど形はいろいろですが、このプレゼンにより、他のチームの動きやメンバーがどんなことに興味を持っているのかが分かるのがメリットです。

多様な個性を組み合わせることで、掛け算的なチームづくりを

-採用についてのこだわり、大切にしていることはありますか?

「創るパッション」を持っているデザイナーと仕事がしたいという思いがいつもあります。
また、その人らしさ、個性のある方と出会いたいと思っています。
多様な個性を組み合わせることで、掛け算的なチームが作れたりするので。
バランスタイプの方も必要ですが、バランス×バランスよりは、とんがり×とんがりのほうがケミストリーが起こる可能性があると思います。

-「創るパッション」は、どういったところに感じますか?

基本的には作品を通じてですが、「創ることと、考えること、どっちが好きですか?」という質問は良くします。
これはどちらの答えも正解なんですが、その答えによって、その方の創るときの思考回路が分かる感じがします。
日々どんなインプットをされているのか、美術館に行くのか、YouTubeやインスタを見るのかなど、どの方法が正解というのではありませんが、現代的なインプットにどれほど貪欲な方であるのかは気になります。

好きなものは何かを聞くのも、好きなことがはっきり明確な方ほど個性がある方だと思うので、どんな視点を持っているのか、表現物をどれだけ愛しているかみたいなことを見たいと思っています。

面接はいま大半がオンラインなので、その方の雰囲気はなかなか伝わりにくいのですが、会話を通じて、何が好きで、どんなものを作りたいパッションを持っているのかを聞き、当社に合う人材かどうかを判断しています。

ユウクリは現場を支えてくれる縁の下の力持ち

-ユウクリにご依頼いただく理由を伺えますか?

ユウクリさんにお願いする理由は、長いお付き合いの中でのレスポンスの良さや、人材の数や質の高さといったところが大きいですね。
過去には個人でやられている小さな派遣会社にお願いしていたこともありますが、規模が小さいとスタッフさんの数も少なくて、緊急対応をしていただきにくかったりして…
そういう点でもユウクリさんには安心感があります。

またユウクリさんはフリーランスの方の登録が多いと認識しています。
フリーランスの方は優秀な方が多いので、そういう方と巡り合えるのは非常に助かります。
レベルの高い方との出会いを通じて当社の現場を支えてくださる、「縁の下の力持ち」というのがユウクリさんの印象ですね。

-ユウクリの担当者の印象はいかがですか?

IDRが求めているクオリティをしっかり理解してくださっていますよね。
私たちはディレクターのチームで動いているので、各ディレクターが担当しているクライアントやブランドも考慮して、「そのチームに入るならこういう方がいいでのは」というご提案をいただけるのは非常に助かります。

-御社の中で、社員の方がやる仕事と派遣がやる仕事をどのように使い分けていらっしゃいますか?

当社がレギュラーでアサインされている案件については、基本は正社員をしっかり充てていきたいというのはあります。
その上で、社員3人程度で組むチームの4人目として派遣の方に入ってもらうことで、チーム全体あるいは、チームを引っ張るディレクターに余裕をつくり、もう1つ新しい業務にチャレンジができるという感じですね。

当社は代理店の仕事がまだ多くはないため、代理店強化をする新規開拓チームを作っているのですが、そこに仕事が入った場合、仕事量が読めないことが多く、一気に人を増やすことが難しかったりします。
そういうチームの成長期における変動的な稼働を下支えするという目的で派遣の方に入っていただくこともあります。

新しいことをやるときの土台を支えていただくために、しっかりとしたデザイナーがいるというのは安心材料になります。
また、例えば合成作業が得意なチームと不得意なチームのように、技術的なバラつきがあるときに、合成が得意なベテランの派遣の方に入ってもらうなど、弱い部分を一時的に補強してもらう存在でもありますね。

-クリエイターを派遣する際に、条件に制約がある方や複数の人材を組み合わせたご提案を受け入れていただくこともあります。
-そういった方々を上手く活用するコツはありますか?

クライアント直接の仕事でスケジュール管理がしっかりできているチームには、ママさん層であるとか、時間に制約がある方などでも活躍していただけると思います。
逆にスケジュール管理が効かない代理店からの仕事の場合は面で入っていただいて、チームの一員となって支えてもらうのがやりやすいですね。
急ぎの仕事の場合は、数日単位であっても深夜まで対応できたり、フレキシブルな業務に対応できる方が非常にありがたかったりします。
チームや案件の特性に応じてご相談し、ユウクリさんにご提案頂いています。

-業務委託にもご興味があるとのことですが、それはどういった業務ですか?

会社としてはいろんな種類の仕事にアクセスしたいと思っていてるので、例えばお客様のところに新規事業開発部署ができたとなれば、そこに自主プレゼンをしかけてパートナーにしていただく働きかけをします。
そういう新たな取り組みをするときに、自分たちの従来の知識だけでは賄えない部分を、それについての知見のある方に業務委託をして、一時的に参加してもらうことができたら力強いなと思います。

会社が成長していく上では新しいものを取り入れていかないと、既存のものだけでやろうとするとすぐ壁にぶち当たってしまいます。
そういう意味においても、派遣だったり、業務委託だったり、会社にとっての新しい才能を取り入れて一緒にやっていくことで広がりが出ることを期待しています。

-ありがとうございます。これからも引き続きよろしくお願いします。

 

IDR

株式会社IDR

1978年に創業した弊社は、2020年を節目に世代交代を果たし第二創業期として成長のときを迎えました。
私たちIDRは、時代にフィットする高度なコンセプトワークを核に、リアル・デジタルの境界なく多様にアウトプットできる環境を強化しています。

人の感情に響き、行動させるクリエイティビティとは何か。
クライアントの想いを汲み取り、生活者視点で考えることを何よりも大切にしています。

株式会社IDRさんのホームページはコチラ : 株式会社IDR