【21卒8月実施】美術系学生に就職活動におけるアンケートを実施しました

【21卒8月実施】美術系学生に就職活動におけるアンケートを実施しました

クリエイターワークス研究所および、ユウクリが運営する美大芸大就活ナビでは、2021年卒業の美大生・芸大生(以下美術系学生)に対し、2020年8月時点での「就職活動状況」を把握するアンケートを実施しました。

厳しい内定率。「内定率50%以下」と回答する大学が半数を占める状況。

美大芸大就活ナビ利用の学生を対象に行ったアンケートでは、8月時点の内定率は22.4%となりました。6月に行った同様のアンケート(https://www.y-create.co.jp/blog/recruitment/1100.html)と比較すると内定率は+12.2ポイントの結果です。5~6月で先延ばしになっていた選考が動いたほか、7月にかけて制作会社での新卒採用が始まり、スピード感を持って選考が進んだことが内定率向上に繋がったと考えられます。

しかしながら、就職みらい研究所が行う8月1日時点での内定率調査結果は81.2%となっており、美大生の就職率と比較すると大きな乖離があります。

また、並行して全国の美大・芸大・一般大学の美術系学部のキャリアセンターを対象に美術系大学・学部の内定率調査を実施しています。こちらにおいても内定率50%以下と回答した大学が半数以上を占める結果となり、美術系学生の厳しい内定率状況が浮かび上がっています。
やはりコロナウイルスによるクリエイティブ・広告業界へ打撃が大きく採用枠が激減、他職種への転換が思うように進まないケースが多く、内定率の伸び悩みが生じているようです。

なお、内定を獲得した学生の入社先としては、メーカーやコロナ禍でも影響を受けにくかったWeb制作会社が上位の結果となりました。一方、各種イベントや販促活動の自粛が業績に強く影響していることから、主に広告・販促などを扱うグラフィック系の制作会社・代理店での内定が伸び悩んでいる状況です。(※0%の項目非掲載)

内定率の低さは「求人数の少なさ」と「グラフィック志望者の集中」が要因

人気業界はグラフィック制作会社が特出していますが、求人数の少なさが就活生の課題です。上述の「入社予定企業」でも分かるように、グラフィック制作会社への入社は全体の8.3%と業界の中でも特に低い割合となっています。秋採用によって多少の採用枠増加はあるものの、現在の景気観からグラフィック制作会社の競争率は非常に高く、学生は自身の希望と企業の市場感を考え、どのように折り合いをつけて就職活動を行っていくかが今後のカギとなります。

約7割の学生がクリエイティブ業界に絞った就職活動を行っていますが、今後エントリーする企業として、一般職を視野に入れている学生は少なくありません。とくに現在内定を保有していない学生は約8割が年内の就職活動終了を目標に動いています。
今後も内定率の増加は続いていきますが、クリエイティブ以外の職種の割合が増加していくものと考えられます。

【その他就職活動継続中の学生意見】
・最初から業界業種を絞りすぎてしまった。
・自粛後の採用打ち切りを予測できなかったところが大きな反省点だった。
・とにかくデザイン業界で働きたいが、8月以降は一般職の検討を始めた。
・卒業制作を控えるため早く就活を終了させたいが、選びたい気持ちもある。

本アンケートをうけて

美大芸大就活ナビにおける22卒の学生登録ペースは前年度の3.7倍で推移しています。21卒の就職活動が難航していることを受け、22卒もこの状況が継続することを懸念していると読み取れます。

アンケートに回答した学生による22卒就活生のアドバイスとして、「早めの行動を」という意見が最も多く上がりました。自身が想像する以上に企業側の選考基準が高く、そこに対応するには早期就活準備で一般学生に力負けしない対策が必要のようです。各大学における就活セミナーの積極的参加の他に、長期インターンの経験で企業慣れを行っておくことも就職活動におけるテクニックであるという学生からの意見も見受けられました。

美大芸大就活ナビでは本アンケート結果を受け、さらなる21卒美術系学生の就職支援ほか、22卒学生への情報提供、サポートを引き続き行ってまいります。

調査概要

◆調査期間
2020年8月3日(月)~2020年8月16日(日)

◆調査対象
全国の美術系・芸術系大学生

◆調査方法
インターネット調査