【人事・採用担当】自社にマッチする「優秀な人材」を採用する上でのポイント

現在、人材採用は売り手市場で中小企業やクリエイティブ業界でも、自社にマッチする優秀人材の確保が難しい状況となっています。経営者にお会いすると「知名度が低く、なかなか人が集まらない」とお嘆きの声もよく聞きます。しかし、すべてがそうでしょうか。人材採用を成功させるには? 競合他社に先んじ求める人材を確保するには?まずは採用活動を行う上での基本に立ち返ることが大切です。今回社労士の立場から人材採用を成功させるポイントをお伝えします。

 

人材採用を取り巻く現在の状況

少子高齢化による労働人口減少傾向と近年の景気回復傾向で、採用を取り巻く環境は売り手市場で、この傾向は少なくとも東京オリンピックが境の2020年前後までは継続されるのではないかと見られています。それは数字にも顕著に反映され、厚生労働省が3月1日発表した1月の有効求人倍率は1.63倍とバブル期以来の採用難時代を迎えています。

しかし実際には、業種や企業規模で有効求人倍率に大きな違いが現れ、人気業種や大企業の競争率がますます高くなる一方で、不人気業種や中小企業では充分に人材を獲得できないという「格差傾向」も顕著になっています。しかし、このような中でも同様の条件にも関わらず、多くの候補者から優秀なクリエイターを確保する企業もあります。

厚生労働省発:有効求人倍率

 

採用活動のステップと要素

大きくわけると採用活動は、求職者を「集める」「選考する」「選んでもらう」という各ステップがあります。

自社にマッチした優秀なクリエイターを確保するには、まず求人広告や人材会社などを利用して転職希望のクリエイターを「集めて」、自社に必要な人物像にあったクリエイターを「選ぶ」ことになります。そして、最後にその候補者に自社に入社するという決断をしてもらう=「選んでもらう」という流れです。

この際に考慮すべき要素として「他社との競合」があります。通常、新卒・中途を問わず求職中のクリエイターのほとんどが、同時に複数の企業を視野に入れて活動します。その点では、最後に「選んでもらう」ということも大事ですが、「集める」「選考する」というフローにおいても、いかに自社の方を向いておいてもらえるかを常に考える必要があります。

つまり、企業が多くの中から最適なクリエイターを採用したいと考えるのと同様に、クリエイターもできるだけ多くの中から最適な職場を選びたいと考えています。

 

採用力を測る! 重要な「4つのポイント」

選ばれる企業に重要なのが「自社のブランディング」
ブランディングというと、顧客や市場に向けての側面が高いように感じますが、採用でも同様の思考を活用できます。採用を偶然ではなく企業側が主導権を持ち積極的に作り出すというのが、採用活動に直結するブランディングです。

採用活動を取り巻く環境はどの企業にも等しく影響します。それでも大きな採用力の差が現れるのは、このブランディングの差が大きく関わってきます。つまり採用力とは、自社のブランディング力で以下の指標で計算できます。

下記4つそれぞれの項目を強めることで採用力がアップできるのです。

●採用力=「企業力」×「理念・ミッション」×「労働条件」×「採用活動」

1.企業力
企業が持つ「知名度・イメージ・資本力・売上高・従業員規模・上場の可否」など、企業全体の力で、ブランド力とも言い換えられるかもしれません。採用力要因での企業力は、簡単に改善できるものではなく、長期間と継続的努力が必要です。

2.理念・ミッション
理念やミッション、企業文化や環境を含めた社風などは企業の仕事に対する意味合いを指します。生活のための仕事という側面もありますが、現在、若い世代を中心にライフワークバランスの意味が見直されている傾向があり、社会貢献などの理念も明確にした企業が注目されるようになってています。

3.労働条件
労働条件待遇処遇制度職場環境のことを指します。給与や雇用形態などは求職者にとって大きな関心事なのは明らかですが、働き方の多様化が著しい現代では働きやすい制度や福利厚生なども重要な要因になっています。

4.採用活動
上述の採用活動全般です。最適な人物像の洗い出しから募集や面接、採用に至るまで、多くのプロセスが存在しますが採用力を高めるために工夫がしやすく、すぐに改善を行うことが可能です。

例えば、企業力が高い大企業でも、理念・ミッションや採用活動に力を入れていない場合
●「企業力」10 ×「理念・ミッション」3 ×「労働条件」10 ×「採用活動」1=300

となるのに対し、中小企業でも企業力以外に注力すると以下の計算式が成り立ち、大企業を上回る採用力が可能になります。
●「企業力」1 ×「理念・ミッション」8 ×「労働条件」5 ×「採用活動」10 =400

 

中小企業でも人材採用を成功させるコツとは?

前述を踏まえ、大企業ほど企業力が高くないスタートアップや中小企業が、採用に成功するため何をすれば良いのか、そのコツを解説しましょう。

1.求める人材像を明確にする
採用後によくある「働きぶりを見ていると、思っていた人材と違う」という失敗。しかし、人事担当者が面接時に、「自社にマッチした人材」を本当に選んだかという疑問が残ります。
相対的に「優秀そうな人材」を選んだりしていなかったでしょうか?本当に大切なのは「自社に合った人材選び」です。
会社の規模、実際の業務や範囲、働き方に照らし合わせ、今まさに会社が求めている人材像の明確化が重要で、どのような性格で業務を得意とするか、何に興味があるかを「見える化」することでミスマッチは格段に減ります。

2.候補者へメッセージを届ける
理念やミッションは企業の存在意義に関わることで、簡単に路線変更できないかもしれません。しかし、候補者へメッセージとして伝える工夫はしていますか?
例えば、家電メーカーの企業が「暮らしに便利な家電を販売しています」とそのままの業務内容を伝える場合と、「国民すべての暮らしを豊かで幸せにする業務です」と伝えるのでは、候補者へのメッセージ性が変わります。
『働くことに意味を求める』傾向のある現代、理念やミッションに共感を持つ候補者がより多く現れます

3.働きやすい環境を整え、アピールする
中小企業や業種によっては、給与などの待遇面はそれほど優遇できないかもしれません。しかし、働き方の選択を広げたり、環境を整えることは可能です。
個々の事情により、フルタイム勤務ができない優秀な人材(特にママワーカーや高齢者)も多く、適材適所での人員配置を企業側がいとわなければ、大きな効果が期待できます。
クリエイティブ業界でも、ライフスタイルに合わせた働き方を希望する人も多いと思いますので、特に働きやすさを整えたアピールで、優秀人材を確保しやすくなるでしょう。

4.候補者への早いレスポンス
企業が人材を選ぶのと同様、候補者もより多くの企業から最適な職場を選びたいと感じています。このため、候補者に対する人事担当者の対応が非常に重要になります。
最終的な入社理由のアンケートでは、人事担当の対応・人柄が上位になることも多く、中でも一番重視されたのがレスポンスの速さです。これはビジネスパーソンの営業活動でも同様なことからもわかるでしょう。

5.面接の双方向性
買い手市場であった時代、充分な母集団から最適な人材を選ぶのが面接でした。しかし、状況が一変した現在は面接の意味合いも変化し、面接官へも対応が迫られています。
つまり、お互いが選び選ばれる立場である面接では、自社の魅力を熱意を持ってアピールし、候補者のパーソナリティを引き出した上で判断を下すことが面接官に求められています。

 

まとめ

上記のポイントは採用にあたっての基本ではありますが、ぜひもう一度社内で確認した上で採用活動を行っていただきたく思います。

とはいえ、中小の制作会社の多くでは、社内に人事部署・人事採用が設置されておらず、会社代表やアートディレクターが採用業務を兼任するケースも少なくありません。その場合、通常業務と兼務するため採用基準の設計に十分な時間を取れず、スキル面のみを見た優秀な人材を優先し、本来の目的である「自社にマッチした人材の採用」からは大きくかけ離れてしまいます。

採用活動は長い時間をかけて培う企業価値の最大化であり、経営戦略的に見ても、将来を見据えた重要な活動ですので、そのような場合は、採用のプロである人材サービスを展開する企業や、採用コンサルタントの力を借りることも検討してみましょう。

執筆
社会保険労務士法人ユニヴィス 社会保険労務士 池田久輝

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