【働き方改革:第4回】欧米ママワーカーから学ぶ!「マルチタスク術」をビジネスに活用する

働き方改革によって働く時間は減少傾向にあります。しかしながら、業務も同様に減るということはありません。その環境下では、いかに時間あたりの効率性を上げるかが重要になってきます。今回は、女性の社会進出が目指しい欧米で活躍しているママワーカーに注目し、欧米のママワーカーが駆使する”マルチタスク術”について解説したいと思います。

 

女性科学者があげたママワーカーの「すべきこと」リスト

働くママの朝は国を問わず慌ただしく、欧米では「ミリタリー」のようだなどと揶揄されることもあります。

可能な限り前夜にアイロンをかけ、お弁当は腐りにくいものを用意、給食代はお釣りがないように、学校のお便りにサインし、子どもと自分の翌日着る洋服を出し、仕事の書類をバッグに詰めて…。
そして翌朝子どもを起こし、着替えさせて、朝ごはんを食べさせて出かけるのみ!

『workingmums.co.uk』の調査によると、70%のママワーカーが仕事と家事の両立にストレスを感じると答えています。しかし、そのストレスから解放されるために、少しでも時間を短縮するためには、マルチタスクとして”効率”を考え、”自分のやらなければならないこと”をマネージメントしなければなりません。

しかしながら、あらゆる日々の「タスク」をこなすためとは言っても、ただやみくもにこなしていくだけでは”効率”がよいとは言えません。

アメリカやイギリスなどから発信している学術サイト『The Conversation 』に寄稿したある女性科学者によると、仕事と家事の両立においては「すべきことの明確化」が非常に重要だそう。さらに、その中でもビジネスに活用できそうな項目が4つあります。

1. 重要な学校行事を優先する。
2. 子どもの病気に備え、いくつもバックアッププランを持つ。
3. 自分がやっている仕事が家族にとっても、重要であることを理解してもらう(可能であれば仕事の一部を見せ、家族も巻きこむ)。
4. まず自分がその仕事を楽しむ(母親が幸せなら、子どもも幸せである)。

まず1.について、クリエイティブ現場においては「優先順位(進行管理やプロジェクトの順番など)をつける」と置き換えられます。
次に2.は、不慮の納期遅延やクライアントからの指示やダメ出しに代替案などを持つこと、つまり「リスク・マネージメント」を意味します。
3.は、共に働くチームの仲間や上司、同僚、部下にプロジェクトの重要性とクライアントの意図を認識してもらい、チームの指揮を高めたり生産性をあげること、「ディレクション・マネージメント」と考えられるでしょう。
4.は、自らプロジェクトに情熱を注げば、周囲の理解とサポートが得られる「仕事への熱意」という風に捉えることができます。

 

ママワーカーと米国マネージメント協会によるマルチタスク法

マルチタスク術を、実際現場に取り入れるために必要なこととは何でしょうか?

米国マネージメント協会によると、「”マルチタスク”とは、脳を効率よく効果的な方法でエネルギーを放出する訓練であり、それにより短時間でもより多くのことを達成できること」だそうです。同協会が提案するマルチタスクを成功させる方法を以下にあげます。

・訓練を重ねる
タイピングやプログラミングで考えてみてください。何度も練習を重ねると、指先を見ずともできるようになり、ルーティン作業でプログラミングができるようになります。働くママも同様で、日々こなすことから脳や体が慣れていくのです。
ディレクションやマネージメントにおいても、意識的に、そして訓練的に”マルチタスク”を日常的に行えば少しずつ、より難易度の高い業務を同時にこなすことが可能になるでしょう。

・時にはペースを落とす
そして、次々にチームを作ったり、人材を選んだり、プロジェクトに飛びつくことは必ずしも得策とは言えません。脳はあまりにも強いストレス下におかれると働きが低下し、効果的なマルチタスクは不可能になるからです。
ママワーカーがハーブティーを飲んだり、好きな音楽を聴いたりしてストレス軽減させながら仕事と育児に励むように、進行管理や予算や企画などにおいても時にはペースを落とし、リラックスする状態を意図的に作り出し、マルチタスクへ挑むことが重要です。

・優先順位をつける
繰り返し脳のチャンネルにスイッチを入れ続けることは、実は記憶の呼び起こしを鈍くさせることにつながります。パソコンに置き換えると、多数のソフトを同時にウィンドウなどで開けたままにしておくと、処理速度が遅くなり、しまいにはセーブ前にクラッシュするような状態で、脳も同様のことが言えるでしょう。
前述の女性科学者が「すべきこと」としてあげたように、優先順位をつけることで、チーム全体の進行がスムーズになり、時間の無駄遣いが防げます。緊急事態発生時には他は後回しにし、解決後に元のタスクへ取り込むようにまとめることも重要です。

・効率性を高めるためのリスト化
日常業務で頻繁に参照する事項はリストにまとめ、目に届くところに置きましょう。こうすることで脳内パンクと指示ミスなどを防げます。ママワーカーも、一日の予定や仕事、買い物など、リスト化していることが多く見受けられます。特にディレクションなどにおいては、リスト化は「頭の整理」と「効率アップ」につながります。

 

まとめ

今回は「ママワーカー」という切り口で解説をしましたが、なんども訓練をする、優先順位をつけるといったことは、日常的に行っている方も多いのではないでしょうか。また、新卒などの若い社員がやらなければいけないことが溜まってしまって混乱しているときに、「とりあえずメモ帳に書き出してみたら?」と、リスト化するよう指導する方も多いと思います。

実のところ、ママワーカーが特別なことをしているのではなく、ママワーカーはマルチタスク術を身につけて仕事に活かすため、皆が断片的に行っているマルチタスクの成功に必要なことを率先して取り組んでいるとも言えます。

マルチタスクは、現代社会において厳しい競争社会で成功し、不要なストレスや自分自身を追い詰めることなどを回避するためにも有効です。特に、ディレクションやマネージメントを行う際においては必須スキルとなってきます。1つのタスクに専念しクオリティや精度をあげたくとも、チームのサポートや個々人のフォロー、進行管理、クライアントのクレーム処理や交渉にも、同時進行で対応しなければなりません。

欧米のママワーカーをお手本とし、普段とは少し違った視点から仕事を落とし込んでいくことで、自らの業務やマネージメントなどに活用するヒントが見つかるかもしれません。

 

参考・出典元
http://theconversation.com/juggling-a-career-and-motherhood-a-scientist-tells-her-story-46352
https://www.amanet.org/training/articles/secrets-of-multitasking-slow-down-to-speed-up.aspx
https://www.supernanny.co.uk/Advice/-/Family-Matters/-/Childcare/Not-enough-hours-in-the-day.aspx

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