【外資企業の取組事例】30ヶ国以上で導入。”やる気”が出る目標管理の方法とは?

外資企業はじめ、海外で取り入れられている制度・研修。今回は「3つの質問をするだけで不毛な議論をなくし、具体的なアクションプランへと導く」という、フィンランド式アプローチを紹介します。GEやドイツ銀行をはじめ世界30ケ国を超える国で導入され、面接時の “3つの質問”により、本質的な課題解決に向けたプランが飛び出し、やる気が満ちてくる目標管理が実現できています

 

海外で取り入れられている「やる気」を上げるための目標管理

「目標管理」をきちんと運用していくことは人事や人事制度コンサルタントにとって大切なことですが、果たして社員にとって目標管理のその先にある目標達成への道をどこまでしっかり指し示すことができているでしょうか。目標管理はモチベーションも上がらず、成長にも特に影響しないと感じている社員は、意外と多いかもしれません。

しかし、海外に目を向けると、目標管理に対する印象は大きく異なります。
目標管理が上司による部下のマネジメントの基盤となり、お互いに建設的で前向きに取り組んでいます。当然、モチベーション向上にも繋がっており、評価の納得度も高いです。

日本と海外で、なぜこのような違いが生まれたのでしょうか。その理由は、面接時のアプローチの違いにあります。

 

やる気を上げるための『フィンランド式アプローチ』とは?

チームで問題解決にあたる手法のひとつに、リチーミングと呼ばれるプログラムがあります。
これは1990年代前半にフィンランドの精神科医ベン・ファーマン氏と社会心理学者タパニ・アホラ氏によって考案されたもの。チーム一人ひとりの心にアプローチし、やる気を出させることで力をのばし、チームとして前進していくことを目指すこのプログラムは、今では先進国から成長国まで広く知られるものとなっています。

このフィンランド式のアプローチは、GE、P&G、ドイツ銀行などをはじめ、先進国から新興国までの多くの企業で導入され、目標面接で応用されています。面接時に社員のやる気を引き出し、目標達成のための具体的なプランへと落とし込むための鍵は、「3つの質問」にあります。

ではその質問を具体的に解説します。

 

質問その1「どうすれば達成するか?」で具体的アクションプランを出させる

日本は目標を出させることに主眼を置きがちですが、海外では「どうすれば達成するか?」に絞って目標管理の内容を詰めます
「どうすれば」というアクションプランがなければ目標を達成できるはずはなく、達成できなかった時にその理由を問われても、本人にも具体的な理由がわからず言い訳が出てくるだけで、生産的ではないからです。

目標だけを見ていると、ちょっと躓いたとたんに、心理的に「できない」という方向に傾いてしまうことがあります。だからこそ、どうすればできるかという点にフォーカスすることで、ゴールへ向けた道が明確になり、たとえその途中に大きな壁があってもそれを越えれば目標にたどり着くことができるのです。

 

質問その2「どうなっていたか?」を聞いて、目標に「心」をついていかせる

ここで大切なのは「心」。「どうすればできるか?」を頭で考えも、やりたいという「心」がついてこなければ、アクションプランはただの作文になってしまいます。
やらなければいけないと「頭」で理解しても心が動かなければ、人は結局動かないものです。
また、命令で動かすと心がついてこないので期待した結果が出せず、かえって心は離れていきます。

ではどうすればよいでしょう。

答えは、「どうなっていたいか?」をどんどん聞いていくことです。
部下が本音では違うことを思っているなと感じたら、現状は置いといて「どうなっていたいか?」の姿をいろいろ聞いてみるといいでしょう。実はこう思っていて・・といろんな思いや話が出てくるはずです。
一通りまとまったら「そうなったら、〇〇はどうするかな?」と聞くと、自分がするべきことがクリアになり、心がついてきているので前向きに取り組んでくれるようになるはずです。

 

質問その3「あなたにとってどんな問題?」「なぜあなたは問題視するの?」を聞き、本音の課題を洗い出させる

なりたい姿を一緒に考えても部下の心が動かず、何か引っかかっているようなら、「あなたにとってどんな問題?」「なぜあなたはそれを問題視するの?」と聞いてみるとよいでしょう。本人も気付いていなかった本音の課題が見えてくるからです。

仮に「お客が減って収入が伸びない」ことを問題としていたとします。
いきなり原因を探ろうとしても「景気がよくないから」など、自分以外に責任の所在を求めた意見が出てきてしまいがちですが、そこで、「収入が下がることはあなたにとってどんな問題?」と切り返してみてください。すると「住宅のローンが返せない」と出てきたとします。さらにもう一歩踏み込み、「住宅のローンが返せないことをなぜ問題視するの?」と聞くと、「幸せな家庭が壊れてしまう。子どもがまだ小さいからできるだけ一緒に過ごしたいと思っている」といった本音が出てきます。
それがわかれば、「子どもと一緒に過ごす時間を増やす」ことを課題にして整理すると、心がついてくアクションプランが描けようになります。

部署の課題などは総論ではみんなが同じように考えていますが、社員ひとりひとりでは捉え方も違えば問題視しているポイントも異なるものです。
総論では個々の心は動きません。心を課題や目標についていかせるには、上記のような質問を投げてみるといいでしょう。

 

社員の心を動かし、やる気を出させる3つの質問は、一人で気持ちの整理をしたいときにも使えます。
「どうすれば達成するか?」「自分がどうなっていたいか?」「何が問題だと思っているのか」を紙に書き出してみてください。自分の本当の悩みや解決策のヒントが見えてきて、気持ちが楽になることも多いです。目標面接だけでなく、社員研修でも応用できるのではないでしょうか。

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