【制作外注】プロダクションのポテンシャルを引き出す10のキーポイント<後編>

外注する際のポイント

外部スタッフへの発注。多くの業種で行われていることでしょう。そして、その中の多くの場面で「なんだよ、言った通りになってない」などと言った会話が交わされているのではないでしょうか。
デザイナー、プログラマー、オペレーター、エンジニア、さらにディレクターなどクリエイティブ関係の外注時に押さえて欲しいポイントを前後編で10か条にまとめました。後編の今回は、デザイナーがよく聞くあのセリフ「お任せします」についても触れています。外注先のスキルを100%引き出して、より良い仕事に仕上げましょう。
>>前編はこちら

 

6)素材の受け渡し

例えば、商品サイトのデザインをお願いする時に「カタログから適当に使ってよ」と言ったことはありませんか?
身に覚えのある人も多いのではないでしょうか。

これはもちろんダメです。

データが古くないか、紛らわしい資料はないか、著作権はクリアされているのか、そもそも自分も伝えたい事がそこに書いてあるのか、事前に確認して的確に指示してください。
他にも、画像を大量に渡す時や資料を後送する時などに説明不足に陥りがちです。どれを使うのか端的に指示するか、目的を明確に説明して選んでもらうか、素材の使用に誤解が生じないようにしましょう。

大企業の有名商品であっても、カタログとWebで全く違うことが書いてあるケースをよく見かけます。
資料、素材、データの受け渡しは念入りにチェックしてください。
 

7)お任せします。は、本当にお任せする時に

グラフィック、Web、パッケージ、いろいろなデザイナーがクライアントや代理店から言われたことがあるだろうセリフ「お任せします」。それを信じてデザイン案を見せてから痛い目を見たデザイナーも少なくないでしょう。そして、発注側からすれば「なんで思った通りに上がってこないんだろう」と思うことでしょう。

これは、前回の『1)部分発注でも全体を説明』や『3)抽象的な言葉は使わない』に起因している事も多いと思いますが、やはり「お任せする」範囲を明瞭にしないからでしょう。

例)
色はお任せします=本当でしょうか?赤でも青でも黄色でも、明るくても暗くても良いのでしょうか?色使いも同系色でまとめるのと、補色を使いコントラストを効かせるのでは全く違う仕上がりになります。

最低限の条件、達成して欲しい目標などを最初に確実に伝えましょう。

そして、一方で発注側もデザイン、クリエイティブを見る目を身につけていないといけないと思います。そのために日頃より良いデザイン、良い美術品を見たり、また仕事に関係する最新の理論などを見聞きしておくことも必要でしょう。
その上で、自分にジャッジできる守備範囲を明白にして、それ以外全てを外注先に任せるのが不安であれば、社内の信頼できるスタッフを打ち合わせに同席してもらい、外注先に「任せる」範囲を明瞭にしてください
 

8)お金の話はきっちりと

外注プロダクションにその仕事をお願いしていくらのギャラを払うのか。これは、発注時に明らかにしておくべき事です。発注時に金額を伝えない、依頼外の変更料金を支払わない、これらは相手のモチベーションを下げるばかりでなく、法的にも違法な行為です。

仕事を受ける側は一般的には弱い立場ですから、中には「いいですよ。いいですよ。」と無理難題を飲み込んでくれるところもあるでしょう。しかし、それは余程の信頼関係があり、1年なりの一定期間内で損得が清算されている場合にのみ成り立っているケースです。
通常のケースでは相手にプレッシャーをかけることになります。そして、相手がストレスを感じるような関係で発注し続けてもいい仕事は期待できません。
 

9)簡単な作業と決めつけない

上記7)で触れた「お任せします」に次いでよく耳にする言葉に「サクッとやって」があります。これもいけませんね。
外注する立場ではなく、逆に自分が上司などから言われたらどうでしょう。「大した仕事じゃないからサクッと終わらせちゃって」と仕事を頼まれたと考えてください。いい気持ちはしないでしょうし、上司が知らない手間が掛かる場合もあるでしょう。

例えば、100枚の資料を10部コピー取るとしても、中に織り込みページがあるとコピー機のソーターに通らずに手間がかかることがあります。
または、受け取った大量の画像が保存形式や解像度の変更で手間取ることなどもあります。
上記は例として単純なものですが、専門職の中には素人には思いもよらない手間が掛かる作業もあるものです。

そしてもう1つ大事な事として、取引先のプロダクションがいつも自分の仕事だけをしていると思わないようにしてください。相手がサクッと終わる状況にいないこともあると認識していた方が良いでしょう
 

10)スケジュール管理

先方がチェックの日に思い通りの物にあげてこなかった。あるいは、社内コンセンサスが取れておらずに大直しになった。
どんな理由で誰の責任で問題が生じたにしろ、あなたがそこから遅れを取り戻さなければならないでしょう。元の原因が外注先であろうとなかろうと、それはあなたに跳ね返ってくるのです。
そんな時のために、時間は常に予備の時間を含んで動かした方が良いでしょう

プロジェクトの大きさ、長さにもよりますが、最初の発注の仕上がり日だけでなく、その後の修正、納品にそれぞれ保険をかけた方が良いのですが、それでは作業日程が長くなるばかりです。外注先、その他の要因をトータルに考慮して遅れの確率を意識して時間を管理してください。
 

信頼とコミュニケーション

さて、これでプロダクションのポテンシャルを引き出すための10のキーポイントが終わりました。
全てを見ると非常にビジネスライクで冷たい印象を受ける方もいるかもしれません。ビジネスなのでビジネスライクではありますが、もちろん冷たくする必要はありません。最終的な仕上がりのためにポイントポイントを押さえておく必要があるだけです。
外注先とのやりとりが円滑に進み良い仕上がりが得られるようになれば、お互いの信頼感も増し、意識せずに10のキーポイントをクリア出来るようになると思います。

クラウドソーシングなどで発注するケースも増えているようです。その場合、なかなかクリエイターとのコミュニケーションを図りづらいでしょうが、どのような発注形態でもクリエイターとのコミュニケーションが良い仕事結果を生むことに間違いはないでしょう。
10のキーポイントが、より良い仕事のためにお役に立てることを願います。

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