【制作外注】プロダクションのポテンシャルを引き出す10のキーポイント<前編>

制作外注

クリエイティブ系の仕事においても外部のスタッフを使うことは多いと思います。しかし、デザイナー、プログラマー、オペレーター、エンジニア、さらにディレクターに発注した際に期待した仕上がりにならなかった。よく聞く話です。
発注する側としては最高のデキで仕上げて欲しいですよね。そのためには幾つかのルールやマナーがあります。外注スタッフに意図が伝わっていない。気分を害してモチベーションを下げてしまったetc…。外注先のポテンシャルを引き出すために以下の10のキーポイントを押さえておきましょう。


 

大前提:プロフェッショナルな会社(人物)へ依頼

仕事の厳しさ、こだわりを知らない。時間やお金にルーズ。失敗を謝らない。独りよがりの作家志向…。
そもそもの話として、こういった方へは仕事を発注しないことです。打ち合わせの段階でこれらの雰囲気を感じ取った時には、きっぱり断るか、限定的な部分のみお願いした方が良いでしょう。

少し話は変わりますが、個人に仕事を発注する時に注意すべきことがあります。
それは、その方がどんなに立派だとしても、必ず保険をかけておくべきです。

人間、いつどこで事故や病気になるか分かりません。その時のための引き継ぎ役は必須です。先方が自分のネットワークで解決できると言う場合でも、不測の事態の連絡先は事前に確認しましょう。
縁起でもない話で恐縮ですが、突然の事故で入院した時に誰に連絡すればいいでしょう?
 

1)部分発注でも全体を説明

キャンペーンの部分的なツールを発注するとしても、キャンペーン全体の趣旨はもちろん、
そのブランドの基本的な情報は伝えるべき
です。向こうがいい仕事をするデザイナーであればあるほど、そう言った情報が活きてきます。

キャンペーンサイトやバナー広告を頼む時にも同じです。決して、必要な原稿、サイズ、納期、ギャラだけで話を終わらせてはいけません。さらに言えば、キャンペーンガールにサンプル配布を依頼する時にも、本来は同じように対応すべきでしょう。そこまでコントロールするのが近年のブランディングです。
 

2)相手の話を聞く

人の話を聞くことは外注以前の話ですが、ともかく話を聞いてくれるクライアントや代理店が少ないと、受注側は思っています。

前述した通りのプロフェッショナルに仕事を依頼するのであれば、彼ら(彼女ら)の意見は一考に値するはずです。一方的に自分の考えを伝えるだけではコミュニケーションと呼べないでしょう。多角的に検討してこそデザインはいいものに仕上がっていきます。

「俺は人の意見は聞いてるよ」という方、本当にそうでしょうか?
信頼できる同僚、遠慮のない部下の方に確認した方が良いかもしれません。これは笑い話ではありません。同僚、部下と違って、外注先は、長い付き合いの人でも発注先に決定的な本音は言えないものです。
 

3)抽象的な言葉は使わない

発注内容の説明は、意図がはっきり伝わる言葉で具体的に話しましょう。
抽象的で双方が違うイメージを持つような言葉は後々問題になりかねません。言葉だけで伝わりづらい時には参考資料を提示するなど、相手に明確なイメージを定着させてください。美人、きれい、可愛いなどが、人によって違うイメージを持つのと同じことです。

中には擬音などで説明する人も見かけます。「こう、ドカーンとさ」と言われインパクトを出すのかと思えば、スペースを広げるだけの事だったりします。

ほんの一例)
×ゆるい感じで → ゆるキャラ的なのか、文字などが空いた感じか、淡い色ばかりの構成なのか分かりません。
×きれい目な感じで → 美人のことか、白いデザインか、カラフルな事なのか明確にしましょう。「感じ」と言うのはまさに人によって感じ方が違います。
×パシッとして → さらに擬音は人によって全く感じ方が違います。この場合、きちんとしてるのか、たたきつけた感じなのか、あるいは逆に軽い音のようにも聞こえます。
×流行りのトーンで → 流行の捉え方もよほどの大ヒットでなければ趣味によって異なります。また、トーンという言葉も色調の話か、全体の雰囲気か分かりにくい時があります。
×いんびな → 漢字の誤用です。「隠微」と「淫靡」が混乱して使われるのをよく耳にします。他にも言葉の誤用はたくさんあると思います。
 

4)事前の社内コンセンサス

いいところまで進んでひっくり返る。これは多くのデザイナーが経験したことでしょう。デザイナーばかりでなく、多くの職種で起きていることかもしれません。
ボスの一言でひっくり返る。どんな会社でも仕方のないことのようにも思えます。

しかし、最終段階での大修正は、時間も圧迫しますし、支払いにも影響します。そして何より、あなたを含め多くのスタッフのモチベーションを削ぐことになります。
そうなると、やはり事前に社内コンセンサス(あるいは発注元クライアントとのコンセンサス)を充分にしたいところです。事前に手間をかけておいた方が、最終的には短時間で、しかも安価で終わることができます
 

5)デザイナーの指定

発注先のプロダクション内が忙しい時、先方社内で若いデザイナー(ディレクター、プログラマー、エンジニアなど)に仕事を回してしまうことがあります。これは、ある程度はビジネスとして許されることでしょう。しかし、安定した仕上がりを望むのであれば、意思疎通が良く、スキルの高いデザイナーを確保しておいた方が賢明です。

もしその人がどうしても忙しい時には、その人の目を通してから送ってもらうようにお願いしましょう
ノーチェックで送られた場合、あなたに判断がつく範囲の差異では、いつものレベルまで修正を繰り返すだけですが、もしあなたに判断のつかない差異の時には、そのままフィニッシュへたどり着いてしまうことになります。

 
今回の内容はいかがだったでしょうか?
どれも言われれば分かっていたような事柄だと思いますが、日々、忙しい中での発注においてついないがしろにしていませんか?
外注先との打ち合わせの前に、これらのキーポイントを確認してみましょう。

次週は、残りの5つのキーポイントとして「素材の受け渡し」「お金の話はきっちりと」「スケジュール管理」などをお話しするつもりです。ぜひ、次回のキーポイントもチェックして外注先のポテンシャルを引き出しましょう。

次回の予定
【制作外注】プロダクションのポテンシャルを引き出す10のキーポイント<後編>

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