【産休育休復帰】クリエイティブ職のワーキングマザーを受け入れる際のポイント

一昔前に比べて、結婚・出産といったライフステージの変化を経ても「仕事を続ける」ことを選択する女性は確実に増えています。しかし、いわゆるワーキングマザーの産後復帰は、家事や育児と仕事を両立する女性自身にとっても、またワーキングマザーを受け入れる会社側にとっても、決して簡単なことではありません。ましてや、現場が「長時間労働になるケースが多い」「納品までのスケジュールがタイト」「突発的な案件や修正依頼が多発する」といった特徴が挙げられるクリエイティブ業界となれば尚更です。
そこで今回は、「クリエイティブ職で復帰するワーキングマザー」を受け入れる会社側が押さえておきたいポイントを3つに絞ってご紹介します。

 

【1】時短勤務やリモートワーク制度を設ける

まず大前提として、ワーキングマザーは保育園などに子どもを預けて仕事を再開することになります。そのため、基本的には預け先の保育時間の範囲内でしか働くことができません

一般的な保育園の開所時間は、7時~7時半頃ぐらいに始まり、終わりは17時~18時半頃。つまり、ワーキングマザーはその時間内に子どもを預けて出勤し、仕事をして、仕事が終わってから迎えに行って帰る、という忙しいサイクルを回していくことになるわけです。

園によっては延長料金を払えば19時~20時、遅ければ22時頃まで預かってくれるところもあります。しかし、公立の認可保育園や保育室などは融通がきかないことも多く、延長サービスを利用できないケースも見られます。
したがって、そもそもワーキングマザーは働ける時間が短いということを会社側がきちんと理解しておかなくてはなりません。
また、「短い」と言っても、残業なしであれば・・・といったレベルではなく、移動時間諸々を考慮すると、16時~17時には終業とする必要があります

その上で必要な措置は、まず時短勤務制度の導入です。
基本的にクリエイティブ業界は始業時間が遅めなので、その分だけ終業時間も後ろ倒しになります。しかし、ワーキングマザーは夜遅くまでは残れないため、1人だけ出社時間を前倒ししたり、退社時間を早めたり、といった施策が必要です。

また、クリエイティブ職であれば「パソコンがあれば家でも仕事ができる」という人も多いので、リモートワーク制度を導入するのも1つの手でしょう。
お互いフルリモートに不安があれば、「週3日はリモートOK」「火・木はリモートデー」といったルールを設けてトライするのもオススメです。

 

【2】仕事の総量や時間による「評価軸」を見直す

時短勤務で働くワーキングマザーは、周りの他の社員と比べて1ヶ月あたりの労働時間は当然少なくなります。しかし、それだけを理由に相対評価でワーキングマザーの実績を低く評価してしまうのは考えものです。

たしかに、当たり前のように残業をして長時間働いている同僚と比べると、早く帰らなくてはならないワーキングマザーは自然とアウトプットの量が少なくなります。
とはいえ、産前バリバリ働いていた女性が、復帰後に限られた時間の中で最大限のパフォーマンスを発揮しているにもかかわらず、「仕事時間が短いから評価も低い」と分かったら、どう思うでしょう。モチベーションは確実に下がるはずです。
「仕事のスキルもアウトプットの質も自分のほうが高いのに、ダラダラ遅くまで残っているだけのあの人より賞与が低いなんて・・・」といった不満が募れば、最悪の場合、そのせいで優秀な人材を失うことにもなりかねません。

そこで大切になってくるのが、評価軸の見直しです。

時短勤務者もフェアに評価できるように、単に案件の本数や労働時間だけで成果をはかるのではなく、時間効率や1案件あたりの仕事のクオリティを評価軸に組み込みましょう。さらに、残業をせずに高い成果を出している人ほど評価が高くなるような制度をつくれば、会社全体の生産性や従業員満足度もより高まっていくはずです。

 

【3】急なトラブル時にもフォローできる体制をつくる

ワーキングマザーが最も大変な思いをするのは、「子どもが熱を出した」などのトラブルが発生したときです。

基本的に、37.5度以上の熱を出している子どもは保育園に預けることができません。たとえ子どもがピンピンしていても、熱がある時点でもう登園できなくなります。
また、登園時は平熱でも、勤務中に「お熱が上がりましたので迎えに来てください」と呼び出されることも少なくありません。

このように、ワーキングマザーは自分ではどうしようもできない緊急事態に見まわれることが多いものです。
特に月齢が小さい子どもや保育園に通い始めたばかりの子どもは周りから風邪や病気をもらいやすく、中には「子どもの熱で毎月1週間は会社を休んでいる」という人もいます。

そうした事態にも対応できるように、会社としてはワーキングマザーをフォローできる体制を日頃からつくっておく必要があります。
特に大事なのが、1つのプロジェクトをワーキングマザー1人に背負わせないことです。担当を1人だけにすると、上記のような理由で出社できなくなった際のリスクが大きすぎます。
仕事の進捗や進め方を日々共有しておき、いざというときに他の人が巻き取れるようにしておくことも重要です。そうすればクライアントに迷惑をかけないようにリスクヘッジができる上に、「会社に迷惑がかかるから、これ以上仕事を続けられない・・・」とワーキングマザーが過度なプレッシャーを感じて辞めてしまうことも防げます。

プロジェクトの進捗を共有するのには、グループウェアの導入がオススメです。
グループウェアは、比較的規模の大きいプロジェクトで複数人のメンバーが制作に携わるケースなどで、すでに導入をしている制作会社も多いと思います。これと同様に、クライアントとのやり取り確認を含め、普段からグループウェアでメンバー全員が確認できるようにしておくと、緊急時に引き継ぎ不足で・・・といった混乱を緩和することができます。

 

まとめ

上記3点は、いずれもワーキングマザーを受け入れるにあたって最低限取り組んでほしい内容です。
そして、これらと並行して上司や同僚の意識改革を行うことも同じくらい重要になってくるでしょう。
ワーキングマザーは早く帰るからといって決してラクをしているわけではありません。休みがちだからといって他人に仕事を押し付けたいと思っているわけでもありません。周囲が思う以上に、ワーキングマザー本人が「休むこと」と「周囲に迷惑をかける」ことに申し訳なさや罪悪感を感じています。
そういったことに周りがきちんと理解を示し、あたたかくサポートすることが大切なのです。

会社全体として、プロジェクトをシェアするのは当たり前であるという認識を作ることや、一般社員も有休を取りやすい環境を整え、お互いに業務をシェアし合うのが普通である環境作りの検討も必要でしょう。
これができると、ワーキングマザーだけでなく、周囲の社員も無理なく働けるようになるなどのメリットが生まれます。

今まさに産後復帰予定の社員を抱えている、あるいはすでにワーキングマザーが活躍しているという会社の方は、ぜひ参考にしてみてください。

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