【助成金】法改正後の今がチャンス!注目の『両立支援等助成金』とは?

法改正後の今がチャンス!注目の『両立支援等助成金』とは?

優秀なデザイナーやディレクターが従業員として働き続けるには、それだけの環境が必要です。昨今では、30~40代の働き盛りのデザイナーなどが、育児や介護との両立で悩むケースが注目されています。
このような流れを受けて、国では『両立支援助成金』を打ち出しました。これは、仕事と家庭との両立を支援する事業主に対し、国が助成を行うという制度です。その年度毎、雇用情勢に合わせて改正が行われますが、今年度は「一億総活躍社会」を目標に、育児関連・介護関連について大きな拡充が行われました。
どのような制度・助成金なのかを解説します。

 

はじめに

経営者ならば誰もが重要視している「ヒト・モノ・カネ」の三要素。この3つはいずれも会社経営に必要不可欠な要素とされていますが、実はこの「ヒト・モノ・カネ」には、すべて「ヒト」=従業員が関わっていることにお気づきでしょうか。
「モノ」を生み出すディレクターやデザイナーも従業員ですし、「カネ」となる商品・サービスを販売する営業やプロデューサーも従業員、そして労働の対価として「カネ」を受け取るのも従業員です。

しかしながら、30~40代の働き盛りの年齢層のクリエイターの多くが育児や介護との両立で悩み、結果的に離職をしてしまうケースが増えています。

このような流れを受けて、国では『両立支援助成金』を打ち出しています。
これは、仕事と家庭との両立を支援する事業主に対し国が助成を行うという制度です。特に中小企業に対して手厚い保障を行うこの助成制度は、その年の雇用情勢に合わせて改正が行われています。

まずは、今年、大きく注目されている『雇用保険法』の改正情報とともに、内容を確認していきましょう。

 

どこが変わった?『雇用保険法』

平成28年3月に、雇用保険法をはじめとした雇用に関連した法律が改正されました。
離職者の防止や再就職を促すために行われた今回の法改正内容は多岐にわたりますが、そのうち、育児・介護との両立を支援するための制度にまつわる内容は、主に次のとおりです。

○育児休業にまつわる改正
・育児休業の対象子の範囲拡大
・育児休業の申し出が可能となる有期労働者の要件緩和

○介護休業にまつわる改正
・介護休業の分割取得・半日単位取得が可能へ
・介護休業のための所定外労働免除制度の新設
・介護休業給付率の引き上げ

○妊娠中の労働者にまつわる改正
・妊娠や出産、育児、介護のための制度を利用する従業員への、妨げ行為を防ぐための措置の義務化

上記からも分かるように、自社で雇用しているデザイナーなどが育児休業や介護休業をより取得しやすくなるような配慮がなされた内容となっています。

育児休業においては、非正規雇用者の休業明けの雇用見込みについて経営者と従業員の意見の食い違いが起こっていたことを受けて、子どもが1歳半になっても働き続ける可能性があればOKという内容に緩和されました。

一方、介護休業については、半日だけヘルパーさんにお願いする方法や、対象家族の状況に応じてよりフレキシブルに対応できるような改正が行われました。また、介護者を抱えているために残業が困難となる従業員に応えるため、所定外労働の免除制度が新たに定められました。

 

「両立支援助成金」とはどんなもの?

今回の法改正からは、国が「ワーク・ライフ・バランス」を推奨し「一億総活躍社会」を目指すという姿勢が強く見てとれます。
育児や介護の問題は、デザイナーやディレクターにとっても他人事ではありません。会社側としても、優秀なクリエイターを失うのは大きな損失となります。

そこで、活用をおすすめしたいのが、『両立支援助成金』です。
この制度にはさまざまな種類がありますが、本年度注目されているのが次のものです。

○出生時両立支援助成金
依然として低迷している男性の育児休業率をアップさせるための助成制度で、本年度新設されました。

子どもが生まれてから8週間以内に、中小企業なら5日、大企業なら2週間以上の育児休業を「男性」が取得した場合に、1人目なら60万円(大企業30万円)、2人目以降は15万円を受けることができます。
新たに男性の育児休業取得の環境を整えた事業主が対象となるため、過去3年以内に男性が育児休業を取得した実績がある場合は対象外です。

実際の申請手順や不明点については、社会保険労務士などの専門家に相談しながら実施する方法も一つの手段です。
ただ、最近では各地の労働局内に、キャリア形成促進助成金専門の課が設けられています。直接、電話や来訪で確認することができるため、活用することも有効でしょう。

○介護支援取組助成金
仕事と介護を両立させるための取り組みを行った場合に、60万円の助成を受けることができます。
助成の対象となる取り組みは、厚生労働省の「介護離職を予防するための両立支援対応モデル」に沿った手順で、次の内容すべてを行う必要があります。

1. 従業員の仕事と介護の両立に関する実態を把握
・社内アンケートを行い、回収率3割以上または回収数が100以上の要件を満たす

2. 介護に直面する前の従業員への支援
・人事労務担当者による社内研修の実施
・研修結果の記録
・リーフレットの配布

3. 介護に直面した従業員への支援 ・全従業員を対象とした相談窓口の設置
・厚生労働省が指定する資料を用いた周知活動

○中小企業両立支援助成金
中小企業両立支援助成金には、次の2つのコースがあります。

【代替要員確保コース】
次の措置を行った中小企業の事業主が助成を受けることができます。

1. 育児休業明けの従業員を取得前のポジションに復帰させる旨を就業規則などで定める
2. 従業員が育児休業中の期間には代替要因を確保する
3. 育児休業明けの従業員を復帰させて半年雇用する

金額は、育児休業取得者一人につき50万円です。期間雇用者を無期雇用として復職させた場合はさらに金額が10万円アップします。
上限は一年度あたり10人ですが、国から子育てサポート企業として「くるみん」を取得した事業主の場合は、平成37年3月末まで50人となります。

【育休復帰支援プランコース】
『育児復帰支援プラン』を作り、導入した中小企業の事業主が助成を受けることができます。
このプランは、厚生労働省にてマニュアルが用意されているため、参考にすると良いでしょう。

具体的には、プランの対象となる従業員が育児休業を取得した場合に30万円、育児休業明けに職場復帰した場合に30万円を受け取ることが可能です。
1つの企業につき期間雇用者1名、無期雇用者1名まで対象とすることができますが、年内には介護休業も女性の対象になる予定です。

 

ここで挙げた助成金の内容は、決して特別なものではありません。どれも、デザイナーやディレクターなどの社員が育児や介護と両立しながら安心して働くための環境づくりに役立つ内容となっています。
「助成金をもらうため」などと構えることなく、職場環境の整備の一環として導入を検討してみてはいかがでしょうか。

 

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