【職場改善】クリエイターの発想力と集中力をあげる職場環境作りとは?

クリエイターが創造力をより発揮し、より仕事に集中できる職場環境を作るにはどうすればいいでしょうか。クリエイティブを刺激するおしゃれなインテリアにする?リラックス効果の高いグリーンを取り入れる?休憩ルームやマッサージ機などを設置する?
今回は、ちょっと意外な、でも手軽で効果的な方法を紹介します。

 

集中力を高めるのは「空気」?

クリエイターが創造力を発揮して仕事に集中できるオフィスとはどんなものをイメージしますか?

デザイナーズブランドのおしゃれで疲れにくい椅子やデスクをゆったりと配置し、観葉植物や花も取り入れたようなオープンな雰囲気のオフィスでしょうか。それとも、それぞれのスペースは半個室状態にして、クリエイター自身が家族の写真や趣味のガンダムフィギアなどを好きなように飾り、気分があがるような自分だけの空間を用意しているオフィスでしょうか。

フリーアドレスでパーテーションを自分で動かせ、ワイワイとミーティングしたり、作業に集中できるよう壁を作れるような、自由自在にレイアウト変更できるオフィスもあるかもしれませんね。

ここで一つ、重要な忘れものを紹介します。
それは「空気」です。

アクセンチュアの調査によると、人が創造性や集中力を高め、生産性を上げるのは、室温(気温)24度、CO2濃度600ppm(450~900ppm)の環境だそうです。

会社、自宅、オフィスのどこが一番この状態に近いのかを調べた結果、何と一番理想的なCO2濃度が保たれているのは「カフェ」でした。

カフェで仕事をしたことがあるフリーランスデザイナーの方はかなり多いでしょう。いや、ほとんどの方が経験あるはずです。
デザイナー以外でも、自宅ではなくあえてカフェで執筆する小説家も少なくありません。オードリーの若林さんなど、カフェでネタを考える芸人も多いです

そんなカフェのインテリアを再現しようと、オフィス内におしゃれな家具を配置して、おいしいコーヒーメーカーを導入するだけではダメなのです。

あなたのオフィスに足りないのは、ズバリCO2濃度なのです!

 

具体的には?

特に鬼門なのがミーティングルームです。閉じた空間でブレストやディスカッションをしているとあっという間にCO2濃度があがってしまい、理想的な濃度をはるかに超えてしまいます。

観葉植物を置くことで、CO2を酸素に代えてもらうことはできます。目にも緑は優しいです。ただ残念ながら、会議室で急激にあがるCO2濃度を下げるにはいたりません。

ではどうすればよいか。

一瞬でCO2濃度を適正にするもっと簡単な方法があります。
それは、「換気」をすること
シンプル過ぎる答えに拍子抜けしてしまうかもしれませんが、これが一番なのです。

外気のCO2濃度は330~400ppmです。会議をはじめて30分くらいたったら、少し窓をあけて換気すれば、だいたい900ppm前後となり、創造性や集中力を高めるためにちょうどよい値になります。

換気は風水的にもいいということもありますし、ランチの弁当の臭いやおじさんの加齢臭(笑)を一層して室内をスッキリさせてくれるという効果も。男性は換気をするのを面倒くさがる傾向が高いものですが、生産性が高くない会社ほど、会議室が加齢臭臭くなるのはそれも原因の一つ、かもしれません。

加齢臭の話はともかく、ミーティングが終わったら、次のミーティングに入るまで10分程度ドアを開けておくと、CO2濃度は他のスペースと対流し、適正水準になるそうです。

高層ビルで窓が開けられない時は、外気冷房を行っているかを確認してください。
外気の温度と湿度を利用して年中温度・湿度を調整した省エネはよく用いられています。小型の扇風機を使って空気を対流させるのもいいですよ。

 

目や耳から入るノイズをいかにシャットアウトするか

さらに、クリエイティブな職場環境を維持するために気を付けておきたいことがあります。
それは、「ノイズをいかに抑えるか」という点です。

創造性や集中力を奪うノイズは、目に入るものと耳から入るものがあります。

目に入るものについては、余計なものが視界に入らないよう、パーテーションで簡単に囲って集中スペースをすぐに作れるような、そうした工夫はオフィスに必要でしょう。
実際、各自のデスクをパーティションで区切っている制作会社も多いと思いますが、あれはとても理にかなったオフィス作りと言えます。

また、個人的にはWebのポップアップ通知をオフにするなどの工夫で目から入るノイズを最小限におさえる工夫も効果的です。

しかし、耳はそうはいきません。
耳からのノイズをシャットアウトするには、「耳栓」が一番です。

周囲の音を遮る目的で、好きな音楽やα波がでる音源などをイヤホンで聞く人もいますが、そういう場合は、ボーカルが入っていると逆に集中力が落ちることもあるので注意です。
最近の脳の研究によると、音楽が仕事の邪魔になることがあるという結果も出ているそうです。

また、台湾の学生102人を対象にした調査では、歌の入った音楽では作業への集中度が落ちることが確認できたそうです。あるいは、成人133人を対象とした別の調査では、ヒップホップを聞きながらだと読書への集中度が明らかに落ちることが分かっています。

耳栓のいいところは、これをすることで「集中しているので邪魔しないでね」という静かなアピールにもなるところ。無駄に声を掛けられることも減るはずです。

耳栓はいろんな種類が流通しています。使い捨てタイプの耳栓で有名なMoldexには「耳栓 8種お試しセット」があります。職場でスタッフが使えるよう、さまざまなサイズ・タイプのものを揃えておくというのはどうでしょうか? 集中する環境作りには結構効果的といえます。

ただ、耳栓しているスタッフが増えると、コミュニケーションが希薄になる可能性もなきにしもあらずです。換気でせっかく空気を整えても、耳栓で職場の空気を壊してしまっては元も子もありませんのでご注意を。

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