人材コンサルタントが解説!オンライン面接で『企業側が』気を付けるべきこと

コロナウイルスの影響により、採用面接をオンラインで実施する企業が増えています。また、人材派遣においても『在宅派遣』が広がってきていることもあり、オンラインで事前打ち合わせをするケースが出てきました。感染拡大防止のため、今後しばらくは、商談・面接などオンラインで実施するという流れは続きそうです。
人材エージェンシーでるユウクリでは、4,5月はオンラインでの面接・事前打ち合わせを推奨し、実施してきました。今回は、実際に人材コンサルタントが面接に同席して感じたことや求職者からいただいた意見をもとに、『クリエイターを採用したい企業側が』気を付けるべき面接・事前打ち合わせのポイントをご紹介します。

制作事例を『オンライン』で見せられるようにする

特に制作会社などにおいては、企業の制作実績などを求職者に紹介していただくことをお願いしています。求職者自身が、今後どのようなクリエイティブに携わるのかを知ることは、企業への応募意欲を高める点において非常に重要です。また、逆にそのような開示がない場合、情報不足で志望度が落ちかねません。

昨今のWeb会議システムは、ほとんどが「画面上でデータを見せる=画面共有機能」があり、データ化してあればPC画面で画像やPDF等を見せながら話すことが出来ます。
しかしながら、

・データをプリントアウトしてファイリングしている
・雑誌/カタログなどはそのまま冊子として保存

という企業が意外と多いのです。
当たり前ですが、カメラに実物を映してめくってく・・・というのは非常に微妙です。というより、制作事例はデータ化するのが鉄板です。この機会に『自社のポートフォリオ・デジタル版』を用意するようにしましょう。

なお、ある会社では新人の仕事の一つとして、プロジェクト終了後、その際に作った制作物やプロジェクトの概要を自社のポートフォリオにまとめていく業務があるそうです。このような形で新人の教育にも活用しながら、自社の制作実績をまとめていくのもありかもしれませんね。

『画面共有ってどうやるんだっけ?』使う機能など、事前にチェックを!

すべての企業が「オンライン面接」や「リモートワーク」などを取り入れているわけではない現在、これらを積極的に取り入れている企業は「最新のトレンドを取り入れている」「働きやすそうだ」「柔軟性が感じられる」等のプラスの企業評価に繋がる傾向があります

しかし、例えばせっかく用意した企業ポートフォリオを「画面共有」で見せようとするも操作が分からない、となったら求職者はどう思うでしょうか?「会社として取り組んでいる」というプラス評価から、「詳しい人は限定的で、会社全体としてはアナログなんだな・・・」とマイナス評価に変わってしまうかもしれません。
最低限、「使う可能性がある機能の使用方法」「求職者が操作が分からない際に、簡単な説明ができる」この2つは抑えておきましょう。

また、Web会議システムに繋いだPCが近距離に複数台あると、ノイズが発生してしまう等の不具合がよく発生します。複数人の面接官がいる場合、特に狭い会議室などで実施予定であれば、念のため事前に起動してテストを行いましょう。

面接は「プライバシーが公開される場」であること

オンライン面接の際、面接官の方は社内のどの席に座っていますでしょうか?普段のオフィス内の自分の席で・・・ということはないでしょうか。面接では、求職者は自分の経歴・経験について話をします。場合によっては自身の年収や家庭環境、今の状況など、若干踏み込んだ話になることもあるでしょう。これらは「面接官のみが知り得ること」という共通認識のもと、求職者は話をします。

仮に面接官の後ろを複数の社員が行き来するような状況だとしたら、求職者は正直に話をしづらいでしょうし、その企業に対し悪い印象を持つでしょう。仮に面接官がヘッドホンをしていたとしてもです。
ベストは会議室に移動して面接を実施することです。そうできない場合は、極力人が周囲にいない環境を確保しましょう。

意外と気を付けないといけないのが、昨今のPCに内蔵されているマイク・カメラの性能を侮らないことです。カメラは意外に広角で映りますので、机の上に置いてあるなどに注意が必要です。多くのWeb会議ツールは自身の映像も映るため、どの範囲まで自身が映っているか事前にチェックをしておきましょう

また、マイクも窓から外の音が聞こえるなど、意外と多くの音が拾われています。特に求職者側がヘッドホンをしている場合、より様々な音が拾われていることもあります。

なお、リモートワーク下で面接をせざるを得ない場合もあります。この場合も、映るものに気を付けましょう。ペットやお子さんの乱入は場の雰囲気が和む方向になることが多いですが、同居している大人が映ったり・・・というのはくれぐれも避けたいところです。

こんな工夫や配慮も!

オンラインでもオフィスを紹介!

オンライン面接では企業側が求職者の人柄が見えにくいのと同様、求職者も企業の社風を知るのが難しいものです。

そのため、事前にオフィスの風景を何カットか用意しておき、画像を画面共有で披露。また、Webカメラを動かして、実際に今のオフィス風景を中継すると、より業務以外の環境面でも企業理解を深めてもらうことが可能です。

『背景画像』に気を遣う

多くのWeb会議システムで自身の背景に画像を挿入する機能があります。面接官メンバーで統一して「会社のイメージデザイン」「社内風景をアレンジしたもの」など、見栄えがいいものに変更をしている企業がいらっしゃいました。「クリエイティブに力を入れている」というのが伝わり、特にクリエイターに好印象です。

企業側としても実施している背景に映るものを気にしなくてよいので、準備の負担軽減としてもいいかもしれません。

『目線』と『ジェスチャー』に注意!

オンライン面接の際、どうしても相手が映る画面に目が行きがちです。しかし、カメラは画面の枠外にあるため、画面ばかりを注視していると「目線が合わない」状態が発生しています。

もちろん求職者の反応も大事な選考要素となるためカメラをずっと見るわけにはいきませんが、相手に特に訴えたいこと・伝えたいことは意識してカメラを見るようにすると効果的です。また、リアルに比べ「雰囲気」が伝わりづらいため、手振り身振りなどジェスチャーを意識し効果的に伝えるよう心がけましょう。

実はマウスの動きが丸見えです・・・

画面共有機能を使う際、相手側にマウスポインタもしっかり表示されています。面接に限った話ではないのですが、資料や画像を表示、説明をされている際、おそらく無意識でマウスをグルグル、キーボートの矢印ボタンで資料ページをあっちこっちに・・・。これもばっちり映っています。くれぐれも気を付けましょう。

求職者への共有事項/事前準備説明をまとめておく

人材会社がオンライン面接のセッティングをする際は不要ですが、自社で使用するWeb会議を指定する場合などは、「PC・スマホ、どちらからの接続になるのか」「アプリのダウンロードが必要かどうか」「不具合発生時の連絡先」など、事前に説明が必要そうなことをまとめておき、漏れなく求職者に伝えるようにしましょう

また、面接を同じ日に2件連続で設定する際は、1件目の面接が長引いて2件目の面接予定だった求職者がWeb会議システムにログインしてきて鉢合わせが発生するといった事態を防ぐために、ログインURLを使い回さないなどの注意も必要です。

まとめ

今はあくまでもコロナウイルス対策という側面が強いオンライン面接。しかしながら、遠方に住んでいる方や繁忙でなかなか時間が作れない方でも面接がスムーズに開催できるといったようなメリットもあり、今後、特に一次選考などの初期段階では積極的に取り入れられていく可能性があります。この機会に、ぜひオンライン面接を導入したり、スムーズに開催ができるよう準備を進めましょう。

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