新卒の離職を防ぐ!中小企業が取り組むべきフォローアップ術とは?

新入社員も徐々に会社に慣れ、様々な関係性が見えてくる中で、現在の会社に疑問を持ち「離職」を考え出す人が現れやすい時期になってきます。会社としては研修もひと段落がつき、新人を仕事のサイクルに組み込みたい頃でもありますよね。
しかし、実際は入社1年未満での退職も目立ち、企業側も厳しい状態に置かれています。そこで、今回は離職防止に向け、その現状や取り組みについて中小企業をベースに考えていきたいと思います。

 

中小企業は特に厳しい、「離職」の現実

厚生労働省が行った新卒者(大学)の離職状況のまとめによると、1年以内に離職をする割合は27年3月卒業で11.8%、28年が11.3%、29年は11.5%と11%台を推移しています。また、勤務年数に比例するように2年目では20%台、3年目で30%台と増えます。

ただし、これは大企業も含めた平均値で、中小企業では入社後3年後の離職率は40%を超え、小規模事業者においてはなんと50%を超えてしまう結果となっているのです。

つまり、会社の財産となるべく人材に投資をしても、人材への投資の半数近くが「無駄」になる現実がここから見えてきます。そのため、人材の安定化は会社の存続にも影響を与えかねない重要課題とも言えます。


参照・引用:厚生労働省「新規学卒者の離職状況」より

新卒者の離職原因の第1位は「人間関係」

このような数字を受け、離職者を減らすための取り組みが急務ですが、なぜ「辞めて」しまうか、その理由を探る必要があります。

同様に厚生労働省のまとめによると、仕事を辞めた理由の第1位は『人間関係(上司・経営者への不満)』となっており、3年以内に離職した人の27.7%、およそ3割がこれを一番の理由としています。その後に『業務内容への不満』が10.7%、『給与への不満』9.6%、『労働時間への不満』8.6%と続いています。

つまり、「人間関係」「業務内容」で悩む新卒者がいかに多いか、そしてそれが辞めるきっかけになっていることが伺えます。入社当時は何もわからないままでこなしてきたものの、ちょうど周囲や自分の上司の様子がわかり始める今頃に、ふと離職が頭に浮かんでくるのです。

会社によっては、同じチームの先輩・部署の上司などが新卒者を見ることも多いようです。しかしながら、先輩や上司も日常的な業務に追われ、細やかな精神的ケアと業務内容とのマッチングなどに手が回らない、その人達自体と軋轢が生まれるケースも多々見られます。ですから現場任せにせず、会社全体で取り組むことが必要なのです。


参照・引用:厚生労働省「中小企業・小規模事業者のさらなる飛躍」より

フットワークの軽さを武器に!!中小企業が行う「取り組み」

現在は新入社員の育成と定着を図るため、企業が「メンター制度」をとっているところも少なくありません。メンター制度は、仕事などを指導する上司とは別に、先輩社員が精神的なサポートや相談役として、基本は1対1で指導していく制度です。

しかし、その「メンター」ともうまくいかず、相談できないまま離職というパターンもあるようです。企業規模によってはそのメンターも用意できない場合もあり、名前だけのメンターや、結局上司が兼任し、解決につながらないという話もあります。

では、一体どのような取り組みが新卒者の定着に役立つのでしょうか。中小企業で考えると「規模が小さい」わけですが、逆に言うと母体が小さいため「フットワークが軽い」というメリットがあります。それを逆手に実際に行われている例として、話を伺ったのでご紹介します。

1、Web系制作会社A社
この会社では、クリエイティブ系志望の新卒でも『会社全体の業務内容・自分の希望・人間関係』を把握するという理由で、自分の本命部署以外に、本人が希望する他部署を最大2〜3ヶ月体験してもらう体制をとっているそうです。

本人の考え、相談を密に繰り返し、他部署での仕事や経験に異論があれば、本命部署との間を行き来したり、他部署でも様々な相談を気軽にできるようにしています。何よりも本人の希望に即し、『仕事を覚える以上に全体を見る・様々な立場の人との人間関係を構築する・自分と合う人を見つけ相談できる環境を作る・自分の本当の希望を見極める』ということに終始しているそうです。

これによって、新卒者自身が本来希望していた仕事と違う部分の適性に気づいたり離職者が3年で20%減少し、効果を実感しているとのことでした。

2、システム構築系IT企業B社
こちらでは『匿名BOX』という社内用の書き込みを作り、立場の枠を超え、質問や相談、困りごと、あるいはただの呟きでも自由に書けるシステムがあります。匿名性を高めた書き込みで、それに対する回答や具体的な指南も自由に書けます。時には、先輩社員が新人の悩みや困りごとを先に推しはかり、解決の道や相談の促進につなげることもあるそうです。

さらに、新卒者(中途採用も含む)を希望のプロジェクトに入れ込み、本人や仕事の状況に応じてトライさせる『トライアルプロジェクト』という制度もあるそうです。
1週間ごとに振り返り、自分の仕事の完成度や次の目標、不満点を先輩に提出、さらにそこから仕事・チームのマッチングを検討、合わない時はプロジェクトやチームを変えるなど、臨機応変な対応をしています。

自分が望む仕事とのギャップ、周囲との適性など、名前は「トライアル」ですが、実はマッチングを見極めるところに重きを置いているそうです。この制度によって、チームを変えることで人間関係の悩みがよくなった、自分自身で立てる目標や不満解消から仕事へのモチベーションが高くなった新卒者が増えたそうです。

フォローは「量」だけでなく「質」を意識

面白いことにどちらの企業も、これ以外のフォローとして2週間〜1ヶ月おきくらいに、人事部や総務部がメンターのような役割で聞き取りと相談を行っているとのこと。仕事や、先輩・上司との相性、勤務体制や休日まで含めて、細かい聞き取りでフォローを行っています。

これはフォローする側もあらかじめ、知識を付けたうえで実施することが重要です。同じ部署間の先輩に相談する際は「一個人の意見」として受け取ることができます。しかし相談相手が人事部や総務部になれば、その意見は「会社の総意」となり、むやみに回数だけこなしたフォローでは思わぬ誤解を生み、逆効果となる場合もあります。

ここではきちんと企業で取り組むうえでの「質」を意識し、人事向けのフォローアップに関するセミナーに参加するなど、基礎的な知識を得て取り組みましょう。

人材育成の観点では第二新卒者の採用も


参照・引用:厚生労働省「中小企業・小規模事業者のさらなる飛躍」より

このようにそれぞれが独自に工夫をこらし、新卒者の定着を図る取り組みを行っていますが、それでも「離職の現実」は少なからずあります。なぜならば、一度「離職」を考えた人のうち、40.9%は「どのような理由があっても退職は避けられなかった」という回答をしているのです。それほど自社にフィットした新卒者の採用は難易度が高いのです。

もし若手人材を獲得したいが欲しいのであれば、第二新卒」を採用し人材育成することも検討すると良いでしょう。新卒者が3年以内に離職する割合が40%超えするのに対し、中途採用では「中小企業の規模に関わらず」、30%と離職率が低い調査結果があります。

々、第二新卒者は入社へのモチベーションが高く、既に社会人経験を積んでいるため自身の理想と現実のギャップが起こりにくくあります。

まとめ

現在はまだ売り手市場で、企業が選ばれる状況となっています。新卒者がそのまま会社の担い手となるように、企業側も手段を講じなければなりません。様々な施策には、新しい目線と寄り添う力が何より重要になってきます。新卒者を自社の顧客のように捉え、何を望み、何を求めているか、マーケティングのような視点で新卒者の離職防止を考える方法もアリなのかもしれません。

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