【離職防止】大切な戦力を逃さないために!知ってほしい「小1の壁」のリアルと企業ができる対策

 

内閣府も重点課題に置く放課後の学童問題

一般的にいわれている「小1の壁」とは、放課後の過ごし方のこと。具体的には、学童クラブ(放課後児童クラブ)についての話です。

特に都心部など、地域によっては定員オーバーによる待機児童という問題も起きていますが、それ以上に大きな問題なのが閉所時間の早さです。
この問題は、内閣府の少子化社会対策の中でも重点課題として把握、力を注がれており、平成29年12月に厚生労働省から公表された調査(※1)によると、午後6時半~7時に閉所する学童クラブは、全国の約55%、午後7時以降も開いている学童はわずか7,2%です。約半数は午後6時半までに閉所となり、以降の時間は、ひとりで帰宅して留守番をするか、民間の学童クラブへ移動するしかありません。
(※1 厚生労働省 http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000189556.html

しかし、一般的に民間の学童は、入会金2~3万円に加え、月額利用料が月4~5万円程度。さらに給食代などのオプションも加えると5~6万円近くになり、フルで働きたいという気持ちがあっても、働いた分だけ出費が増えていくという悪循環に労働気力が失われていってしまいます。
クリエイターの場合、収入は減っても出費(学童費)を抑えたいという理由でフリーランスへ転向したというママの話もよく聞きます。

 

時短勤務、裁量制などを導入

では、会社や雇用主として「小1の壁」を乗り越える助けはできないのでしょうか。

企業によってはすでに取り組んでいる例もあります。
例えば、ソフトバンクでは小学生卒業まで短時間勤務を利用できる制度を導入しています。同様に小学校入学以降も短時間勤務を利用できる制度は、厚生労働省の「平成28年度雇用均等基本調査」(※2)によると、約22,7%の事業所が導入しています。
平成26年度の調査は約22%だったことを考えると微増ではあるのですが、現在は5社に1社以上が小学校入学以降も短時間勤務を選択できるようにしています。
(※2 厚生労働省 http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/71-28r-07.pdf

また、裁量労働制の導入も一案です。デザイナーやディレクター、コピーライターなどの「専門業務型」に該当するクリエイターは、労使協定を結び、管轄の労働基準監督署に届けることで導入できます。与えられた業務を個人のペースでやり終えることができるため、時短勤務のようにほかのクリエイターにしわ寄せがいかないのがいいですね。
ただし、裁量労働制でも残業代や休日・深夜労働による賃金への上乗せがすべて不要になるわけではありません。労働日数や時間の管理も必要になります。

 

学校行事はパパと分担して出席できるように

また、小学生ママが悩むのが、平日の学校行事や病欠による有休、半休消化です。小学1年生は、他学年に比べて保護者会の日程(年4~5回)が多く、学校公開日(授業参観)も昔よりも多くの日程(年9~12日)が設定されています。
もちろん、欠席することも可能ですが、親同士の交流が子ども同士の交友関係に影響を与えやすい小学1年生は、保護者の出席率は高く、なかなか欠席しずらいのが実情です。

ただし、最近の保護者会や学校公開は、平日でもパパが出席している家庭も増えてきている印象があります。
ママクリエイターではない話となってしまいますが、学校行事はママが出席するものと決めつけず、パパである男性が育児を理由に有休・半休を取得しやすい環境を作ることも大事だと言えます。パパママクリエイターにとっても、家庭とのバランスがとりやすい職場は働き続けたいと思う職場であることは間違いありません。

 

テレワーク導入で病欠、学級閉鎖に対応

この冬、小学生をもつワーママを震え上がらせたのが、インフルエンザによる学級閉鎖です。
東京都感染症情報センターが発表した「2017-18年のインフルエンザの流行状況」(※3)によると、のべ2,287の小学校で学級閉鎖になりました。しかも、感染症による学級閉鎖の場合、学童保育も利用できず、1年生はひとりで留守番するのも難しいため仕事も休まなければなりませんでした。

こんなイレギュラーな事態に助かるのがテレワークです。テレワーク自体、情報漏えいなどのリスクもあり、完全な導入に抵抗を感じている会社もあるかもしれませんが、小学生をもつワーママにとってリモートワークが許されるかどうかは、フリーランスになるか、それとも勤務し続けるかを迷った際、最も大きな判断材料になります。
ちなみに筆者もリモートワークが可能であることが、職場選びにおいて一番惹かれた点であり、仕事を続けられている点だと思っています。
※テレワークについてのメリットデメリットについては、こちらの記事もご覧ください
(※3 東京都感染症情報センター http://idsc.tokyo-eiken.go.jp/diseases/flu/flu/

 

ここまで「小1の壁」を実感したクリエイター系ママという目線で書かせていただきましたが、実際のところ、各職場には各職場の課題があり、そう簡単には制度や働き方を導入できないと思います。
しかし、例えそうだとしても、「小1の壁」を家庭や個人の問題として突き放してしまうのではなく、理解する姿勢を示し職場全体でのフォローを感じれるだけでもパパ・ママクリエイターのモチベーションにいい影響を与えるはずです。そして、それは成果となって会社の利益につながっていくと思います。

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