【制作外注・番外編】どう頼むと成功して、どう頼むと失敗するか

以前このコーナーで、クリエイティブ系外部スタッフ・企業への依頼時の「10のキーポイント」を解説し、多くの反響をいただきました。発注側として広告代理店、クリエイティブエージェンシー、デザインプロダクションからご意見をいただきましたし、また、受注側の視点で、クリエイティブディレクター、アートディレクター、Webディレクターの方々からもご意見を頂戴しました。今回は、番外編として、これらをもとに「お任せします」問題と「危機回避」についてまとめました。
外部発注で期待通りの仕上がりに近づけるためにぜひご覧ください。


プロダクションのポテンシャルを引き出す10のキーポイント<前編>
プロダクションのポテンシャルを引き出す10のキーポイント<後編>

 

「お任せします」の方法

「お任せします」問題。信頼してお任せしたのに思ったように仕上がらなかった。
これには発注側、受注側ともに多くの反響をいただきました。まさに業界のあるあるネタです。そこで「お任せする」方法をプロダクションとの関係で3つに整理しました。

1)信頼関係にあるプロダクションに「お任せする」
これはほとんど問題ないでしょう。1を言えば10を仕上げてくれる。そんな関係ならトラブルもないでしょう。

ただし、そのような場合もマンネリ化には気をつけてください
「新しい」や「新鮮さ」と言った言葉はよく使いますが、誤解を招くこともあります。本当に従来の物と変えたい場合は、その意図を明確に伝えないと「いつもどおりの新しさ」で仕上げられてしまいます。

2)たまに発注するプロダクションに「お任せする」
まず、以心伝心と呼べる関係でない限りは、ブランドやキャンペーンの話をきちんと伝えるようにしたいものです。時間も取られ、手間もかかりますが、その方が最終的に経費削減にもなり、良い関係の外注先を見つけることもできると思います。

ライバル会社のカラーリングで仕上げてきた。雰囲気が合わないCGを作ってきた。納品のファイルサイズが違っていた。そんな話はいくつも聞きました。

しかし一方で、キャンペーンサイトを依頼する際にキャンペーンの趣旨からバジェットまで詳しく話したおかげで、新しい形のWebと売り場の連動企画を提案してもらえた。そんな話も聞きました。

3)たまに、または初めて発注するプロダクションには「お任せしない」
相手が有名プロダクションでも初めての発注では「お任せ」しないでください。
ブランドのガイドラインをクックブックと呼ぶ企業があります。確かにレシピのようなものです。しかし、レシピだけで料理が美味しく仕上がらないのと同じように、ブランドのガイドラインを説明しただけで、ブランディングが上手く展開はできないでしょう。
要所要所は発注側で決めて、縛りの多い形で依頼する方が堅実と言えます。

 

「お任せする」側の勉強

そして発注側も勉強するべき事は多いと思います。
デザイン、クリエイティブの世界は日々進歩しています。見た目の流行だけでなく、戦略も変わり続けています。それらを判断できる目を持たなければならないでしょう。理想論のように聞こえるかもしれませんが、人に頼む本人が理解していることが前提です。
本を1冊、セミナーに1回行くだけでも変わってきます。

現状そのような自分でない方が外部発注する際には、重点的に説明するポイントの専門家、ディレクター、コピーライター、デザイナー、プランナーなどの社内スタッフに同席してもらう方が良いでしょう。

 

危機回避に備える

順調に進んでいた仕事が突然、つまずく。原因はいろいろあるでしょう。
ボスの一言でひっくり返る。外注スタッフの病気。サバーダウンでメールが不達・・・。珍しいことではありません。

外部発注しなくとも危機は発生しますが、外部発注の際は自社のコントロール外の要因が入ってくるので、リスクはぐんと高まります。
外部発注に関する危機回避をまとめました。

・スケジュールに余裕を
制作物の善し悪しに関係なく締め切りを守れない外部スタッフはいます。
あまりひどい場合は取引しないことですが、四角四面に締め切りばかりを重視していては、クリエイティビティが保てない場合もあります。また不慮の事故なども起こり得ます。
発注側があらかじめ余裕をもったスケジュールで計画を立てる、発注するなどの保険をかけるべきです。

・予算にも余裕を
お金に関しても同様です。想定外の修正を全て外部に押し付ける事は感心できませんし、それでは長い信頼関係は築けません。
カツカツの金額でお願いする場合もあるでしょう。しかし基本的には予算組みにクッションを入れておくべきです。

・危機を予測
全ての危機を想定することはできません。しかし、プロジェクトの早い時点で全貌を眺めて、どこでどんな事態が起こり得るのかを一通り検討しましょう。
とりあえずいち早く外注に投げてしまえ方式では、後々大きなトラブルになり兼ねません。

・芽を発見
進捗状況を管理する時には、ただ報告を受けるばかりでなく、その工程の意味を把握して能動的に管理することが大事に思えます。そうすると、何かいつもと違う変化、違和感を感じ取れ、大事に至る前に発見できるかもしれません。
デザイン作業で重要な「気づき」がここでも必要です。

・起きてしまったら、気楽に
不謹慎に聞こえるかもしれません。しかし世の中でポジティブシンキングの有効性が多く語られている通り、くよくよ悩んでいても仕方ないことです。
後悔、後悔、後悔で頭をいっぱいにするよりも、起きてしまった事を解決する手立てに切り替えて考えましょう。自分の意欲、健康状態、さらに外注先や社内の環境にも影響します。
事の大きさでは気楽とまではできないでしょうが、くよくよしていても先には進めません。

 

連絡が取れなくなった外注先社長・・・

最後は、筆者自身の古い体験談で締めくくります。

まだ携帯電話が今ほどには普及していなかった時代の話です。
連日作業をお願いしていた外注先の社長が、ある朝、突然連絡が取れなくなりました。会社でも行方を掴んでいないとのこと。連日連夜忙しかったからと、最初は寝坊くらいに考えていました。

1時間、2時間と経ち、昼を過ぎたあたりからだんだんと皆で心配し始めました。ご本人のことも気にかかりましたが、作業の遅れが気になりました。
そこの会社の他の方に引き継ごうとしても社長以外は分かりませんの一点張り。仕方なく内部処理するため派遣社員や知人を急遽手配し終わった頃、やっと真相が掴めました。
交通事故を起こしていたのです。
対人でもなく大した事故ではなかったのですが、事故現場で揉めたらしくその処理に当人がパニック状態。挙げ句の果てにこちらにも逆ギレするような始末でした。

今では笑い話で語り合えるようになりましたが、こう言った事は長く仕事をしていると、いつ不意に発生してもおかしくはありません。
普段何気なくやりとりしている方と突然連絡が途絶える。あるいは、自分自身がそのような状況に陥る。率で言えば高くはないのでしょうが、そのような場合も想定した準備は必要でしょう。情報のシェア、緊急時のネットワーク網、そして外部スタッフの幅も必要でしょう。

 

やっぱり信頼とコミュニケーション

さて、いかがだったでしょうか?
外部発注の要は、【後編】でも書きましたが、クリエイターとのコミュニケーション、そして信頼関係です。なんだかんだ、結局これが一番大事なことです。
外注=業者と言う川下扱いは長い目で見ると良い結果を生まないように思います。外注=パートナーと言う目線で良い果を生み出してほしいと思います。

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