自社デザイナーの副業は、禁止すべき?認めるべき?

近年、自社社員の副業を容認する企業が増えてきています。とはいえ、「副業を許すと本業おろそかになるのでは?」「競合他社に自社の情報やノウハウが漏れてしまうのでは?」といった懸念もあり、依然として副業禁止を掲げる企業も少なくありません。では、もしも自社のデザイナーが「副業したい」と申し出て来た場合、現実的にはどのような対応を取るのがベストなのでしょうか。今回はそのことについて考えるために、副業を禁止した場合、容認した場合それぞれにおいて、企業側から見たメリット・デメリットをご紹介します。

 

副業を認めた場合のメリット

副業を認めた場合のメリットはいくつか挙げられます。

一般的によく言われるのは、デザイナーとしてのスキルアップです。
デザイナーとして、ある程度クライアント傾向や制作傾向が決まっている自社の制作物だけでなく、個人で様々な企業から仕事を請けることで、新しいスキルやマルチスキルを身に付けられる可能性があります。
いわゆる『「単能工化」を防ぐ』、あるいは『「単線型」キャリアから「複線型」にシフト』です。これにより、社員デザイナーの成長スピードがより早まる、強みが広がることが期待できます。

ただ、それ以上に大きなメリットがあります。それは『モチベーションアップ』です。
実際に、2005年に離職率28%だったITベンチャーの「サイボウズ」は、副業解禁などの変革により社員のワークスタイルを柔軟にしたことで、数年間のうちに離職率を4%にまで下げることに成功しました。2016年に社員の副業を解禁したロート製薬も、「社員のダイバーシティ」を掲げています。

 

副業を認めた場合のデメリット

一方のデメリットは、特に大きいのが、社員デザイナーがちゃんと本業を第一にできるかどうかです。
特に、まだまだスキルが低い新人や社内でも自立できていない社員が副業に手を出すとなると、「夜遅くまで作業→寝不足→本業でミスや抜け漏れが多くなる」など、クライアントに迷惑をかけたり周囲の社員から反感を買ったりする可能性があります。本業が疎かになってしまっては元も子もありません。
さらに、情報管理の教育が徹底できていなければ、社外秘の情報を外部に漏らされて大きなダメージを負う心配もあるでしょう。

 

副業を禁止した場合のメリット

副業の申し出を断ることで得られる最大のメリットは、『リスクの回避』です。

上記の「副業を認めた場合のデメリット」である本業への悪影響を回避できるという意味では、大事なことかもしれません、
実際、元来残業時間や休日出社の可能性が高いクリエイティブ業界では、このセルフマネジメント部分への懸念が非常に大きいのではないでしょうか。

 

副業を禁止した場合のデメリット

これも基本的には「副業を認めた場合のメリット」の裏返しです。
やはりなんといっても社員デザイナーのモチベーションが下がることは大問題です。

デザイナー本人が「副業をしたい」と申し出て、それを否定することで直接的にモチベーションが下がるということももちろん問題です。
しかし、それ以上に、デザイナーの一般的な転職理由の上位に出てくる「他の制作物を作りたくなったから」「スキルアップをしたくなったから」という問題は、実はこの「モチベーションが下がる」と同義と言えます。

特に、商品・サービスが大きく変化しないインハウスのデザイナー、代理店・制作会社であっても得意商材・クライアントが固定化傾向にある企業などは、マンネリ感を感じてしまう、新しい経験は積めない、といった理由に繋がりやすく、モチベーションの低下の要因となります。
さらに副業も禁止となれば、職場を変えることでしか、彼らは満足しなくなってしまうでしょう。

もう1点、今後デメリットとなりかねないことがあります。
最近は、既存の就業ルールや雇用形態に縛られないパラレルキャリアを選ぶ優秀な人材が増えてきています。その背景に、リクルートや日産、富士通、花王、ロート製薬など、大手企業が次々と副業を認めていることがあげられます。
特殊な取り組みですが、「副業必須」としている企業も出てきているそうです。

このような時代の流れの中で、「副業OK」と「副業NG」の会社間での採用力・雇用力の差が出てくるのはごく自然と言えます。
この流れが、一部の企業の特別な取組として限定的となるのか、多くの業種・様々な規模の企業で当たり前のように導入されるようになるのかはまだ不透明です。
ですが、多くの企業が導入する前であれば他の企業との差別化のポイントとして、広まったのであればそれに乗り遅れないように、それぞれ考えていく余地があると言えます。

 

副業は法律で禁止されているわけではありませんが、実際にデメリットが存在し、そのために副業を認めない企業のほうが多いのが現状です。
その反面、特にデザイナーにとっては大きなメリットを秘めているのも事実です。そして、それは雇用の継続・離職といった問題にも良い効果を及ぼす可能性があります。
また、時代の流れがどのようになるかも注視が必要でしょう。テレワーク同様、多くの会社がどのような枠組みで認めていくのか議論をする時代がくるかもしれませんね。

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