
「NLP(神経言語プログラミング)」という言葉をご存じですか?
1970年代にアメリカで生まれた学問で、自分の脳や思考を操り人生のさまざまな問題を解決し、人間の行動や心理を学ぶことで、効果的なコミュニケーションの技法も身につけられるというものです。日本でも年間1万人もの人が学び、「NLPを学んだら、人生が180度変わった!」人もいるほど、劇的な効果が期待できるNLP。
今回はその世界を、ちょっと覗いてみましょう。
■『NLP』とは、いったいどんな学問か?
NLPとは「Neuro-Linguistic Programming」の略で、日本語では「神経言語プログラミング」と呼ばれています。
1970年代初頭に、カリフォルニア大学の言語学助教授ジョン・グリンダー氏と同大学で心理学を学んでいた大学院生リチャード・バンドラー氏によって研究開発された技法で、別名『脳の取扱説明書』。つまり、脳の効率的・効果的な使い方を学び、仕事や人生に役立てていこうという学問です。
グリンダー氏とバンドラー氏は当時、「天才セラピスト」として有名だったフリッツ・パールズ(ゲシュタルト療法)氏、バージニア・サティア(家族療法)氏、ミルトン・エリクソン(催眠療法)氏の技法を研究して体系化し、誰もが応用できるようなモデルをつくり上げました。
それが「神経=脳・言語=体」をプログラミングするNLPなのです。
例えば、プレゼンテーションで緊張し、クライアントの質問にうまく答えられなかったとします。「失敗してしまった」とただ落ち込むだけでは、次も同様の失敗を繰り返しかねません。
そこで、まず「質問へ的確に答える自分の姿」を思い浮かべ、できるだけ具体的に「そのイメージ」を頭の中で何度も再生します。さらに、「胸に手を当てる」とか「軽く手を握る」と言った簡単な動作とそのイメージを結びつければ、実際のプレゼンではその動作をすることで、イメージ通りの行動を呼び起こせるというものです。これはNLPの「アンカーリング」と呼ばれるテクニックです。
■NLPで具体的にできることとは一体何か
ではNLPを学ぶと、どんな成果が得られるのでしょうか。「日本&全米NLP協会公認」の「NLP-JAPANラーニング・センター」によると、以下の効果が期待できるといいます。
1.感情や思考、行動のコントロール
2.飛躍的に高まる他者への影響力
3.短時間で構築できる他者との信頼関係
4.心のしくみ(メカニズム)の理解
5.成功者に共通する「気づき」の能力が高まる
6.自分を変える方法がわかる(信念の書き換え)
7.ビジョンの構築(人生で進む方向を発見できる)
8.自分や他者の問題解決
9.成功者の思考・行動パターンが身につく
10.成功の加速
実際に、NLPを学び成功している著名人も大勢います。オバマ前大統領、レディ・ガガ、タイガーウッズなどもNLPを学んだと言われています。
<参考サイト>NLP-JAPANラーニング・センター:https://www.nlpjapan.co.jp/
■「why」ではなく「how」に注目する方式
NLPはよく「実践心理学」と言われます。さまざまな分野にまたがる心理学の中でも比較的新しい学問です。ある課題を解決したい時、従来の心理学では「なぜ、そういう事態になったのか」という「Why」に着目、原因へのアプローチで問題解決を図るのが主流でした。
一方、NLPでは「どうすれば、望む結果を得られるのか」という「How」に焦点を当てることで、現状を自分の思い通りに変えていくのです。
例えば、
うまくいく人は、どのように脳を使っているのか?
脳の中は、どのように情報処理が行われているか?
自分はどんな思考パターンで行動しているか?
どうすれば思考パターンを変えられるか?
などのように考えていくことで、論理的に成功プロセスをたどることができるわけです。
■脳を思い通りに「プログラミング」する基本ステップ
「How」に着目した時に一番手っ取り早いのは、すでに成功やうまくいっている人のやり方を真似ることです。NLPでは成功者のやり方を詳細に分析、それを具体的に手順化したさまざまなテクニックが学べます。では、どのようなステップで問題解決するのでしょうか。
【ステップ1】 問題を明確にする
「プレゼンでは緊張してしまいうまく話せない」、「クライアントを怒らせた」など、自分が困っている、または解決したいことを明確にします。問題をできるだけ具体的に認識することが、解決への近道になります。
【ステップ2】 望ましい状況を明確にする
「プレゼンで堂々と発表したい」などのように、「自分がどうなりたいか」のイメージを明確にします。
【ステップ3】 NLPのテクニックでアプローチ
NLPにはさまざまなテクニックがあり、その中から自分の問題解決に最適なテクニックを選び実践します。例えば、プレゼンをうまく話したいなら上述の「アンカーリング」で、「上手にプレゼンする」イメージを脳に定着させます。
【ステップ4】 うまくいっている時の「気分」を体感
プレゼンがうまくいった時の達成感や高揚感をイメージして深く味わいます。ここが非常に重要で、望ましい状況に対する自分の感情を十分に体感することが、その状態を「心と体に定着」させることができるのです。
■まとめ
「人はそんな簡単に変われない!」と思う人もいるでしょう。しかし、それ自体があなたの勝手な思い込みだとすればどうでしょうか?
NLPのテクニックで、これまでとらわれていた「古い考え方」を「新しい思考」パターンに上書き(プログラミング)することで、望み通りの行動変化が可能になるのです。
中編では、実際の具体的なやり方などもご紹介したいと思います。