こんにちは!クリエイターワークス研究所(CWL)です。
「企業内で働くクリエイターに聞く!」シリーズ今回は、数々のCMでの受賞歴を誇る「東北新社」。
お話を伺ったのは、アートディレクターの髙橋さんとCMディレクターの林さんです。
髙橋さんは広告やCMのグラフィック制作に加え、企画書など幅広く手掛けており、林さんは50名ほどの映像クリエイティブチームの中で特に注目され、指名されることが多いディレクターです。
お二人は同じ美術大学のデザイン学科を卒業されており、学生時代のエピソードや入社のきっかけについてもお聞きしました!
◆役割:
(髙橋さん)グラフィックデザイナー兼ディレクター。営業活動も行っています。
(林さん)映像ディレクター。
◆制作物:
(髙橋さん) グラフィックデザイン全般、映像関連のキービジュアル、Webサイト、イベントプロモーション関連デザインなど。
(林さん) 映像制作全般、TVCM、ミュージックビデオ、SNS向け動画、展示会映像など。
選択と経験の積み重ねが描く未来!いつの間にか「すごくて面白い仕事」に繋がっていた
ーーお二人が働いている会社や部門について教えてください。
髙橋さん: 東北新社は、老舗の総合映像プロダクションです。直取引の仕事も、代理店経由の仕事も受けています。周囲からは「CMの会社」として知られがちですが、実際にはCMや映像プロダクション業務だけでなく、プロモーション、イベント、デザイン、web、衛星放送、洋画やNetflixなどの字幕・吹替、IP(ひつじのショーンなど)など幅広いジャンルを扱っています。
僕たちが所属する「OND゜」はいわゆる広告プロダクション部門のクリエイター約100名のプランナーやディレクター、デザイナー、エディター、シネマトグラファーなどが集まっています。ここでは企画演出やデザインなどを行い、グラフィックデザインやCM制作、イベントプロモーションなど多様なプロジェクトに取り組んでいます。
僕はグラフィックデザイナーとして入社し、途中で企画書作成の部門に配属されましたが、現在はグラフィックデザイナー兼ディレクターとして活動しています。
林さん: 僕も「OND゜」の一員で、映像部門に所属しています。髙橋さんより歴は短く、入社6年目。2年半の研修を経て、2021年秋にディレクターとしてデビューしました。
ーーお二人の具体的なお仕事について教えてください。
髙橋さん: 僕のチームはグラフィックデザインを中心に活動していますが、映像のキービジュアル作成や関連するノベルティの制作も行っています。クリエイティブ業務に加えて、営業活動も行い、企画書を持参することもあります。
最近手掛けた具体的な仕事には、車や食品、建設機械の広告、社内管理システムなどがあります。業種はさまざまで、大手企業からスタートアップまで幅広く、官公庁からの依頼も受けています。
▼髙橋さんの実績例
林さん: 僕は映像制作全般を担当するチームに所属しています。TVCM、WebCM、プロモーションビデオ、ミュージックビデオ、展示会動画、最近ではSNS向けの縦型動画も多く制作しています。外部からの依頼もありますが、僕は東北新社のプロデューサーと組むことが多いです。そのため、会社の仕事の幅広さがそのまま僕の仕事の幅に繋がっています(笑)。
▼林さんの実績例
ーークリエイティブの仕事に興味を持ったきっかけは?
髙橋さん: 僕の場合、就職活動を始める時期に先輩たちが広告業界で素晴らしい仕事をしていることを知り、広告グラフィックデザインの仕事に興味を持ちました。2年生くらいまでは課題が多くていそがしかったのであまり周りは見ていませんでしたし、むしろプロダクトを作ることが好きでした(笑)。
この会社に入社した理由の一つは、人事部の方の親切な対応に感銘を受けたことです。また、僕の母校でも講義を行っていた著名なCMディレクター、中島信也さんが在籍していることも大きな要因でした。最初は東北新社にグラフィックの仕事があることを知らなかったのですが、実績を見てその規模感とクオリティの高さに惹かれました。
林さん: 子どもの頃から絵を描くのが好きで、ものづくりで褒められることが嬉しいという経験がありました。美大に進学したものの、当初は映像をやるつもりは特にありませんでした。
入学してしばらくして、「好きなものや表現がちゃんとある人たち」に影響を受けて、自分も何かそういうものを探すようになりました。 そのときたまたま友人に誘われて映像制作を始めたのがきっかけで興味を持ち、映像業界を志すようになりました。
入社には同じく中島信也さんの存在が大きな影響を与えました。就職活動中に調べていくうちに、CMに興味を持つようになり、自分も挑戦したいと思うようになりました。面接段階では、東北新社はたくさんの企業のなかの一つだったのですが、先輩方の魅力に次第に惹かれ、志望度が高まりました。老舗だからこそというか、自然体で包容力のある雰囲気が心地良かったです。
大変だけど楽しい、クリエイターの仕事のリアル
ーー仕事の中で楽しいと感じる瞬間、大変だと思う瞬間は?
髙橋さん: 楽しい瞬間は、撮影が終わった後の達成感です。「はあ、終わったー」と言いながら飲むビールは最高です(笑)。完成後しばらくしてから作品を見返した時にも、当時の思い出や自分の成長を感じ、大きな満足感を得られます。
一方で、大変だと感じる瞬間は、現場でのコミュニケーションがうまく取れない時や、初対面の人々との協力がうまくいかない時です。しかし、それを乗り越えることで、より思い出深い作品が完成することもあります。仕事は本当に表裏一体ですね(笑)。
林さん: 映像制作は多くの人が関わるため、チームのコミュニケーションが重要です。目指す方向が一致し、愛情を持って取り組むメンバーと作業する瞬間は、どんなに忙しくても楽しいです。一方で、温度感が揃っていないと難しさを感じることもあります。
経験を積んで新たな仕事を任されるようになり、自分の成長を感じる瞬間や、チームの力で成果を上げた時には、強い満足感を得られます。絶対に個人ではできない規模感の仕事に携わることも増えてきました。
ーークリエイティブ職に必要なマインドは?
髙橋さん: チームで作ることへの理解と、良いものを作ろうとする愛(情熱)が必要です。
自分の枠にとらわれず、常に広い視野で物事を考えることも大切です。
情熱を持って仕事をしているとついついのめり込んでしまいますが、僕はフレックス制度を活用し、働く時間と休む時間のバランスを取っています。基本的には、仕事とプライベートの境界は設けず、常にインプットを意識して生活しています。
林さん: 自分の好きなことに正直に生きること、目の前の課題に全力で取り組むことが大切です。僕はオフの時間を大切にし、友人との時間を楽しむようにしています。休み中でも自然と仕事のことを考えてしまうことは多いですが、それは好きなことを仕事にしている責任だと思います。でもだからこそ、休むときは意識してしっかり休むようにはしています。
過去の自分に伝えたい?!今だからこそ言えるメッセージとは?
ーーこれから就職する学生やキャリアに迷っている若手の方へメッセージをお願いします。
髙橋さん: 自分が好きなことに正直に生き、やり続けることが大切です。どんな形でもいいので、自分のやりたいことを形にしておくことが、将来の自分に繋がると信じています。
林さん: 学生や若手のうちにやっておいて良かったと思うのは、失敗を恐れず様々な経験を積むことです。他人を巻き込むことや、他人の企画に参加するのも良い方法です。若いうちは他の人と比べがちで落ち込むこともあるかもしれませんが、自信のなさから何もしないのは良くないです。
髙橋さん: そうですね、完璧を目指しすぎて、理想と現実のギャップから何もしない、というのは美大生あるあるなのですが、非常にもったいないです。未熟でも失敗するかもしれなくても、様々な経験を積むことで成長が早くなると思います。
僕自身いつも必死でしがみついてやってきて、気がつくとそのいろいろな経験が今の自分を作り上げていると実感しています。現在も日々成長中です。
編集後記
以上、髙橋さん、林さんへのインタビューとなりましたがいかがでしたでしょうか?
お二人の熱意とクリエイティブへの真摯な取り組みが、制作物の映像やデザインに活かされているということを感じさせられました。
特に、チームワークやコミュニケーションの重要性、そして自分の好きなことに正直に生きることの大切さといった話も印象的でした。失敗を恐れず挑戦する姿勢が成長の鍵だと再認識しました。
主体的に貪欲に楽しみつつ仕事をされることが客観的にとても伝わってきて、聞いている方も元気になりました。素敵なお時間をありがとうございました!
もっとお二人や、東北新社のことを知りたい!という方は、ぜひ以下よりチェックしてみてください!
広告制作をはじめ、映像を中心とした幅広い事業を行う「総合映像プロダクション」
CM制作、プロモーション制作、グラフィック・WEB制作、音響・字幕制作、番組・映画制作、ライセンスビジネス、放送関連事業、ネット配信事業など、幅広い事業を展開。社内外のディレクター、プランナー、アートディレクター、デザイナーなど100名以上のクリエイターが所属するクリエイティブユニット「OND°」を運営している。