【助成金】活用しよう!「受動喫煙防止対策助成金」 喫煙環境の整備は採用にも影響大です!

もともと喫煙者の多いクリエイティブ業界。今でこそ非喫煙者が増え、オフィス内全面禁煙の制作会社も多くなりましたが、ちょっとタバコ休憩を・・・という社員がいる会社はまだまだ多いのではないでしょうか。今回は、このタバコに関する助成金を紹介します。その名も「受動喫煙防止対策助成金」。喫煙環境の問題で、中途採用や派遣スタッフの候補者が集まらないというケースも少なくありません。心当たりのある企業担当者の方は要チェックです!

 

「受動喫煙防止対策助成金」とは?

受動喫煙防止対策助成金は、いわゆる「中小企業」に対する助成制度で、下記に該当する事業主のみが利用することができます。

1.小売業(小売業、飲食店など):労働者数50人以下もしくは資本金5,000万円以下
2.サービス業(物品賃貸業、宿泊業、娯楽業、医療・福祉など):労働者数100人以下もしくは資本金5,000万円以下
3.卸売業:労働者数100人以下もしくは資本金1億円以下
4.その他の業種(農業、林業、漁業、建設業、製造業、運輸業、金融業、保険業など):労働者数300人以下もしくは資本金3億円以下

ちなみに、クリエイティブ・デザインの制作会社や代理店の場合、2のサービス業に該当します。労働者や資本金など含め、まずは自分の会社が該当するかを調べてみましょう。
また、当然ながら、助成制度を受けるには労災保険に加入している必要がありますので、気をつけてくださいね。

では次に、上記に該当する中小企業事業主が助成を受けるために行う内容について見ていきましょう。
助成の対象となる内容は次の通りです。

a.喫煙室の設置・改修
b.屋外喫煙所(閉鎖された空間)の設置・改修
c.換気装置の設置など、①②以外の受動喫煙防止措置(宿泊・飲食業のみ)

これらの措置を行った事業主に対し、かかった経費の一部が支給されるという仕組みです。

なお、この助成制度は何度も受けることができるわけではなく、1つの現場につき1回きり、という点に注意が必要です。
また、一つの事務所内で複数箇所に別々の対策を取った場合は、合わせて「1回」の申請を行う点についても覚えておきましょう。

 

具体的には何をすれば良いの?

ここからは、どのように工事などを進めて行けば良いのか、認められるスペースはどのくらいか、などの具体的な措置内容について、より深く掘り下げていきましょう。
実際に対策を取る際の参考にしてみてくださいね。

まず、a.「喫煙室の設置・改修」を見てみましょう。
喫煙室とは、デパートなどに設けられている「喫煙専用の部屋」のことです。したがって、喫煙以外の目的で使用する部屋は、喫煙室とはいえません。
また、喫煙室を設ける場合は、部屋の外にタバコの煙が漏れ出さないよう、部屋の空気を外に排気するためのシステムが必要になります。

この喫煙室を設けるにあたって決められている要件は「喫煙室の入口で、喫煙室内に向かう風速が 0.2 m/秒 以上」です。つまり、喫煙室の出入口から喫煙室の内部方向に向けて、秒速0.2以上の風が吹くように換気の設計を行わなければなりません。
さらに、喫煙室を設けるにあたって必須な要件として、喫煙所以外の場所はすべて禁煙にすることが挙げられます。喫煙室の外でタバコを吸うことを許してしまっては、せっかく作った喫煙室の意味をなさないためです。

なお、喫煙室は一から作らなければならないわけではありません。すでに喫煙室が設けられている会社の場合でも、新たに整備をすることで上記の要件を満たすことになった場合は、助成の対象となります。

では、次にb.「屋外喫煙所(閉鎖された空間)の設置・改修」について見ていきます。
これは、屋外に「閉鎖された」喫煙所を設けることです。開放された喫煙所の場合、屋内の事業所に煙が流れ込んで受動喫煙に陥る可能性がないため、助成の対象外となる点に注意が必要です。

bの場合に決められている要件は、「出入口・給排気口以外は閉鎖された空間で、直近の建物の出入口に喫煙による粉じん濃度が増えないような対策がなされていること」です。

最後に、c「換気装置の設置など、ab以外の受動喫煙防止措置」を見ていきましょう。
これは、aやbのように喫煙室を設けず、「喫煙区域」のようにタバコを許可するスペースを設けた場合の要件です。ホテルや飲食店など、喫煙者が訪れる可能性がある業種で認められています。

対策としては、喫煙区域における煙の濃度を一定以下とする必要があります。
例えば、店内の喫煙席の数に応じた換気量が「70.3×席数(㎥/時間)」以上であることや、喫煙区域の粉じん濃度が0.15(mg/㎥)以下などの条件が挙げられます。

 

気になる助成金額とは

ここからは、実際に受動喫煙防止対策を取った場合に受け取ることができる助成金額について説明をしていきます。

受動喫煙防止対策助成金の場合、一律○○円、という設定ではなく、対策を取る際にかかった経費の一部を助成するシステムを取ります。
具体的には、要件a~cの内容でかかった経費(工費・設備費・機械設置費・備品費など)の半額となります。

なお、この制度には上限額が定められており、最大200万円までとされています。
たとえば、aとbの措置を同時に行った場合、aとbを合算して200万円までを受け取ることが可能です。

ただ、この助成制度には、もう一つの「上限額」があることに注意をしなければなりません。
それは、「単位面積辺りの経費上限額」が設けられていることです。
設置された喫煙室や屋外喫煙所などが社会通念上妥当であるかを判断するため、このような要件が定められています。
具体的には、下記のような内容です。

d.喫煙室の設置・改修:喫煙室の面積(㎡)当り60万円
e.屋外喫煙所(閉鎖された空間)の設置・改修:屋外喫煙所の面積(㎡)当り60万円
f.換気装置の設置など、ab以外の受動喫煙防止措置:措置を行った面積(㎡)当り40万円

たとえば、3㎥の喫煙室の設置や改修を行った場合、3㎥×60万円/㎥=180万円が助成対象の経費となり、その半額となる90万円が助成金額となります。

 

受動喫煙防止対策助成金は、うまく使えば社員・会社ともに利点のある制度です。
また、事務所内での喫煙がOKな場合や、喫煙ルームがあってもしっかりと分煙ができていない場合などでは、これが理由で派遣スタッフに就業を辞退されてしまうケースが実は少なくありません。一時的に就業する派遣スタッフですら影響があるのですから、長く働く前提の正社員であればなおさら影響は大きいといえます。該当する企業は、早めの対策をおススメします。

なお、利用するにあたって実際にどのような工事を行えば良いのか、何に気をつければ良いのかが分からない場合があることが予想されます。このような場合に備え、厚生労働省では相談ダイヤルによる電話相談の受付や測定機器の貸し出しなどの支援を行っています。利用してみる方法も有効でしょう。

◆受動喫煙防止対策 相談窓口
一般社団法人日本労働安全衛生コンサルタント会ホームページ 職場における受動喫煙防止対策に関するご相談:http://www.jashcon.or.jp/contents/second-hand-smoke
◆測定機器貸出し
柴田科学株式会社ホームページ 受動喫煙防止対策機器貸出しお申込みができます:https://www.sibata.co.jp/news/news-31136/

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