【派遣社員の頼み方】派遣デザイナーの力を引き出す3つの注意点

クリエイティブの現場でも派遣社員を依頼することは多くあります。急なコンペのヘルプ、短期プロジェクトのチーム、人件費削減の調整、また組織改革のテストケースとして頼むケースなど様々な状況があります。そして、それらのケースのそれぞれで、派遣社員の力をフルに発揮させられているかは、疑問が残るように感じます。デザイナー、ディレクター、プロデューサー、営業職などデザイン関係者がクリエイティブ派遣を依頼する時の注意事項を3つにまとめました。

 

はじめに

筆者が広告代理店のクリエイティブ部門に勤務していた時、派遣社員を多く採用していました。
実際の作業は各チームリーダーが管理をしていましたが、チームによって派遣社員の有効利用に大きな差があると感じていました。派遣デザイナー、派遣コピーライター、派遣プログラマーなど職種は違っても、派遣社員の能力を上手く引き出していたチームには共通項があったように思います。

・信頼できる派遣会社
まず大前提として、依頼する派遣会社が信頼できる会社であることは当然です。派遣会社自身の体質、あるいは担当者によって紹介してもらえる人材の質が変わってきます。
筆者自身もお気に入りの派遣会社を定めるまでには随分と失敗を繰り返しました。1回の依頼のみではなかなか判断はつかないですが、3回ぐらいお願いして良い人材が来ない場合は、見切りをつけて他社を当たった方が良いでしょう。

・業務の明確化
派遣社員をお願いする時には依頼する業務内容を明確にする必要があります。
クリエイティブワークの場合、職種によってどうしても作業の中には線引きし切れない部分が出てきてしまいます。なるべく細分化して、その上で依頼領域を多めに想定しておいた方が良いでしょう。

その他、期間、賃金、就業規則などに関しては派遣元企業と打ち合わせてください。ここでは、クリエイティブの現場に関してお話しいたします。
では、3つの注意点です。
 

[ 1 ]人材の見極め

派遣で来るクリエイターは、スキル、目的、性格、ワークスタイルなど状況が様々です。派遣会社からの引き継ぎで情報は得ているでしょうが、やはり自分の目での見極めが必要でしょう。

・スキル
最も重要なのはやはりスキルの見極めです。引き継ぎやキャリアシートからの判断だけでなく、自らスキルを判断して依頼可能な範囲とその信頼性を探りましょう

・目的意識など
派遣社員の場合、各人の就業目的は様々です。スキルアップのため、良い職場を探している、時間固定でのワークスタイルなど。女性であれば出産や子育ての問題、年齢によっては親の介護などの都合が生じている人もいるでしょう。
それぞれの人の目的、事情を理解することも重要と言えます。
その方がどのような想いで働いているかということは、仕事に取り組む姿勢に大きく影響します。例えば、それらの情報から、業務の明確化ができなかったグレーな部分に直面した時、そのデザイナーはどこまでの意識を持つかを掴めると思います。
 

[ 2 ]コミュニケーション

仕事の指示をする上でコミュニケーションは欠かせません。
明確な指示の出し方など、その注意点は優クリ-Lab「【制作外注】プロダクションのポテンシャルを引き出す10のキーポイント<前編>」がお役に立ちそうですので、そちらをご覧ください。
http://www.y-create.co.jp/forbusiness/outsourcing/
ここでは、別の側面をお話ししておきます。

・連体感
派遣社員の出勤当初は密なコミュニケーションが特に必要と考えます。気軽に質問できる雰囲気を感じさせてあげましょう。直属の作業指示者が多忙な場合は、マネージメントがバディ(友達、仲良し、相棒)などの世話係を指定するべきでしょう。
このチーム員としての連帯感は、例え時間~時間で働くワークスタイルの派遣社員だとしても重要です。
多くの企業へ出入りして場慣れした派遣社員もいますが、一般的には正社員よりも遠慮がちになる人が多いようです。定期的に相談に乗ってあげることも重要かと思います。

・教育
コミュニケーションの結果、派遣社員のスキルに不足を感じた場合、大きく不足している場合は派遣社員の交代となるかもしれませんが、埋め合わせられる場合には教育をする必要があるかもしれません。
「派遣社員に教育?」と抵抗感のある人もいるでしょう。しかし、多かれ少なかれ教育は必要です。抵抗感のある人は、引き継ぎと言い直しても結構です。
会社には独自のルール、マナー、流儀があるはずです。それらをOJTと称して失敗をするまで待つよりも、先行して教育をした方が結果的に効率的ですし、信頼関係も深まります

・依頼と命令
部下を育てるのには「命令するのではなく依頼をする」べきであると、新人マネージャーは教わると思います。部下の自主性を伸ばす方策と、コミュニケーションの問題です。これは派遣社員でも同じことです。
例えば命令口調で作業指示をするのではなく、仕事にまつわる話を含めて説明してその上で作業をお願いする。
相手は人間ですので、言われ方で感情のもつれが発生することもあります。そして、優秀な派遣社員は前後の状況を話しておけば、臨機応変に対応してもらえるでしょう。
 

[ 3 ]責任と信頼

・任せる
上の依頼と命令の話にも通じるところですが、部下を育てるのと同じように派遣社員にも責任を与えた方が良いでしょう。
もちろん、最終的な責任は指揮命令者にありますし、正社員と派遣写真では責任範囲に大きな違いがありますが、任せた範囲にはちょこまかと口出しをせずに信頼をしましょう。そのためにも事前の見極めとコミュニケーションが重要になってきます。

・誉める
そして、仕上がりに関して正当な評価を与えるのは言うまでもありません。
たまに「褒めて育てる」を取り違えてやたらと大袈裟に誉める人がいますが、それはちょっとどうなのでしょう?相手は子供ではありません。正当に的確に、成果に見合った評価を与えましょう。もちろん、成果が大きければ大きく誉め称えることもあるでしょう。

仕事を任せる上で良く使うキーワード「任せします」「サクッと」などに関して参考になる記事が以下にあります。
優クリ-Lab「【制作外注】プロダクションのポテンシャルを引き出す10のキーポイント<後編>」
http://www.y-create.co.jp/forbusiness/outsourcing_2nd/

・失敗
これまで生きてきて失敗したことがない人はいないでしょう。仕事の上でも失敗は付き物です。起きてしまった失敗は、その対処で被害を最小限に抑えたり、回復できたり、場合によってはプラスに持っていくことができます。

失敗の内容を回復する話は今回の主旨ではありませんので、失敗をしてしまった派遣社員への対応で重要なことを1つお話ししましょう。答えから言えば「怒らない」です。
もちろん失敗を放置せよとは言いません。叱る、注意する、指導するのは、失敗を繰り返さないために必要なことです。感情的に怒ってしまうのは、失敗の再発防止の観点からも良い策ではありません。
本人の不注意は当然叱責されて然るべきですが、派遣社員の場合、常勤している正社員に比べて不利な状況であることは理解できると思います。説明不足、誤解、不慣れなどを考慮して、指示者の反省と共に考える必要があります。

 

いかがでしたでしょうか?
クリエイターの派遣社員に関する注意事項をまとめました。最後まで読んでみると、新人教育に重なるのではないでしょうか。他の業界に比べてクリエイティブ業界では、派遣社員と正社員との扱いの差はあまりないと筆者は感じています。派遣社員には、新人社員に対するようにな丁寧にコミュニケーションと仕事の任せ方がポテンシャルを引き出す良い方法かもしれません。

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