【撮影ディレクション】カメラマンに上手く伝えるには?

撮影ディレクション

クリエイティブ系の仕事において写真を使用することは、グラフィックでもWebでも多いと思います。ストックフォトが日々勢力を伸ばしている時代ですが、やはり予算に余裕があるならばオリジナルで撮影したいものです。そして、お金を払って撮影するからには、もちろん失敗は許されません。そこで、カメラマンに撮影の指示、ディレクションをする時の注意点をまとめましたので参考にしてください。
広告代理店、デザインプロダクションの営業職、若いデザイナー、さらには撮影には自信がないけど今さら聞けないと言うディレクターの方、注目です。

 

一番大事なこと

本題に入る前に、前提としてコミュニケーション力です。
遠慮する事なく、かと言って高飛車になる事なくカメラマンとコミュニケーションを行い、共通の認識を持てること。そこが要です。

 

その写真で何をしたいのか

伝えるべき事のうち、最も重要で、大部分を占めるのは「何をしたいのか」です。何のために撮影するのか?何をどう撮って、誰に何を伝えたいのか?
自分では分かり切っている内容も含めて正確に説明してあげてください。

以下に6項目にまとめましたので1つ1つ確認してみてください。

[1] ブランドのこと
どこの企業(クライアント)の何の商品(ブランド)のために撮影するのか?前提としてブランドイメージを話してあげてください。
後になってから「あ~、A社の商品だったの?」なんて意外な事にならないように。

[2] 今回のコンセプト
この撮影は、何を表現すれば良いのかを詳しく説明しましょう。

例えば、
ただ単に「革新性」と伝えるのではなく、長年「革新性」を貫いて来たけれどもその根底には「変わらぬ企業DNA」が有り、その部分はコピーで表現するので、写真は「革新性」を表現するのだと。
そう伝えられると、カメラマンもイメージが湧きやすいことでしょう。

[3] ターゲット層
この写真を使った、ポスター、パッケージ、カタログ、あるいはWebサイトは誰を対象にしているのか伝えましょう。年齢、性別だけでなく、趣味、ライフスタイルも絞り込まれているのならば、それも伝えます。
さらに、そのターゲットはずっとターゲットだったのか、今回から変えようとしているのか、またターゲット以外にどんな層の人たちが見る可能性があるのかなども付け加えておくと理解が深まると思います。

[4] イメージ
仕上がり写真のイメージを伝えましょう。
冷たいトーンなのか、カラフルでポップなトーンなのか、真摯で力強いトーンなのか、目指している写真のイメージを伝えます。
良くできたラフを見せるのが一番ですが、無い場合はイメージサンプル、参考写真などを使って共通のイメージを持たせることが重要です。また、ラフは撮影不可能なアングルやライティングで完成している場合もありますので、そのあたりも良く話し合いましょう。

[5] 目的
その写真を使ったツールでターゲットに何をさせるのかを伝えます。

分かり切っている事のように思えますが、例えば、
商品パッケージで使用する写真を撮影する際、その目的はもちろん「その商品を購入させること」ですが、もしかすると「新パッケージになったことを大きくアピールしたい」のかもしれません。あるいは、「他社製品との差別化」が重要なのかもしれません。
丁寧に目的を話してあげることが重要です。

[6] 被写体
当たり前ですね。写すのは、人か、物か、風景か、話さない方が難しいでしょう。機材の準備に関わりますので、大きさ、素材などを含めて細かく事前に教えてあげてください。

また、上の「今回のコンセプト」に含まれる部分ですが、例えば、
ファッションブランドの商品を着たモデル撮影をする際、商品よりも、モデルよりも、その背後の風景を含んだ全体の空気感を最も重視するケースもあるかもしれません。その場合、商品の素材を細かく写すことに注力し過ぎても困るでしょう。

 

知っておきたいカメラの知識

以下のような知識を理解していると、ここまでの指示をより突っ込んだ形で伝えられるでしょう。
機会があれば詳しくお話しするとして、ここではカンタンに説明しておきます。

・シャッタースピード
シャッターが開いて閉じるまでの光を取り込む時間です。
その時間により水滴が空中に止まって見えたり、逆に手ブレを起こします。

・絞り
光を取り込む穴の大きさです。その大きさによって、次で説明する被写界深度が変わります。

・被写界深度
写真のピントが合っている距離のことです。レンズの種類、絞りによってその距離が変わります。

・光量(露出)
シャッタースピードと絞りの組み合わせによって、受光部に取り込む光の量です。
これによって写真が明るくなったり、暗くなったりします。

・ライティング
露出を適正にするため、そして写真上の陰影を調整するために人工的に光を当てることです。

・陰影
影のことですが、ライティングによって硬くくっきりさせたり、曖昧でぼんやりさせたり、様々な調整が可能です。

 

事前に伝えるべき事務的な話

さて、長くなりましたが、残りは事務的な部分です。

・用途
この「用途」は前述の「目的」とは違います。
どんなメディアで、何回使用するか。これは価格が関係してきます。
使用毎に価格が変わる場合と、一括で買い取って何回でも使える場合があります。事前にクリアにしておきましょう。

・予算とギャラ
上の用途も踏まえてカメラマンへのギャランティをきちんと決めておきましょう。撮影カット数、そして臨時の追加カットの料金も確認しましょう。
また、事前に撮影スケジュールを組みカメラマンの拘束時間を決めて、時間超過分の料金発生についても話し合っておくとトラブルになりません。その他、撮影以外もカメラマン関わる場合は撮影予算も話す必要があるかもしれません。

・撮影場所
ロケ地、スタジオなど撮影場所も相談しておきます。スタジオは、カメラマンが使いやすい場所を押さえてもらうのも良いでしょう。
屋外の場合は、天気の予備日も必要です。

・禁則
制限事項、禁止事項。ブランドの都合、競合との類似、あるいはターゲット層との関わりで、例えば色や構図などに制限があるようなら忘れずに伝達しておきます。

・納期と納品形態
撮影したデータをいつまでに、どのようなファイル形式で納品するのか。これも忘れずに。

・後処理
レタッチのことです。
撮影だけでは表せなかった表現、写ってはいけない仕掛け、モデルのシワ、街の汚れなど、レタッチが必要なケースは多いと思います。その話も事前に済ませておきましょう。
カメラマンによってはレタッチを自分では行っていない人もいます。

・香盤表
タイムスケジュールを組み、現場入りの時刻、準備の所用時間、クライアントやスタッフ拘束時間、そして各カットの撮影時間などが入った香盤表を事前に作ることは重要です。
特に大人数が関わる場合には必須となります。

 

外部発注の心得え

さて、合わせて以下の記事も目を通しておいて欲しいと思います。ここまでの話と重なる部分も多いですが、外部スタッフとのコミュニケーションの重要性をより理解してもらえると思います。

優クリLab for Business
「プロダクションのポテンシャルを引き出す10のキーポイント 前編」
http://www.y-create.co.jp/forbusiness/outsourcing/

「プロダクションのポテンシャルを引き出す10のキーポイント 後編」
http://www.y-create.co.jp/forbusiness/outsourcing_2nd/

撮影の成功をお祈りしています。

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