こんにちは。クリエイターワークス研究所(CWL)です。
「企業内で働くクリエーターに聞く!」シリーズの第二弾は、たきコーポレーション様にてコピーライター兼プランナーとして働く加川斐乃さん。
言葉に向き合うことの難しさや楽しみ・やりがい、また、AIの台頭についてなど、ざっくばらんにお話しいただきました!
日々の仕事で感じるやりがいや大変なこと、成長を感じる場面などをざっくばらんにお話しいただきました!
◆役割:広告物のコピーライティング、キャンペーン企画等のプランニング
◆制作物:リーフレットや什器、Webサイト、SNSや動画等
◆クライアント:化粧品、食品、健康商品などがメイン
言葉のプロは、どのようにインプット・アウトプットをしているのか
ーークリエイティブに興味をもったきっかけは何でしたか?
小さい頃からものづくりが好きで、絵を描いたり、ストーリーを考えて絵本をつくったりしていました。テレビCMを見たり、商品に書いてある職人さんのメッセージを見たりするのも好きでした。昔から、言葉が好きなんだと思います。
ーー仕事の中で楽しいこと、大変なことはどんなことでしょうか?
ご提案をして、反応をいただける瞬間が一番楽しいし嬉しいです。
お客様の表情がぱっと明るくなって「どれも良くて選べない」と言われたり…。
提案に至るまでの迷いや苦しみを乗り越えて、チームの皆と喜びを分かち合える最高の瞬間です。
大変なことはやはり、制作の過程です。
誰にとっても不快にならない言葉を選ぶ必要があるので、色々な立場の人のことを想像して考えています。
同時に、時代遅れな言葉であってはいけない。言葉でも文章でも、アウトプットするまでに様々な道のりがあります。
ーー大変な道のりに感じます。どのように乗り越えているのでしょうか?
一人で考えていても限界になることがあるので、人と話してみることを意識しています。
チームや友人、家族に「こういう時、どんな気持ちになるかな?」と聞いてみます。
あとは、映画や音楽、SNSなどは興味がないジャンルでも触れてみるようにしています。
「こういう風に感じる人もいるんだな」と勉強になるし、言葉選びの判断軸として有益になります。
スピード面の成長の背景にある、会話での「汲み取り」スキル
ーークリエイターとして成長を感じる時はどんな時でしょうか?

ご提案から決定するまでのスピードが上がったことです。
お客様が考えていることやその背景にあるものを、会話の中から汲み取れるようになったことが要因かなと思います。
あとは周囲の助けを得たりすることで、自分の中での迷いを消化するスピードも上がったと思います。
迷いがあったりお客様の意図とずれていたりすると、出し戻しが増えてやり取りも多くなってしまいます。これが少なくなったことに、成長を感じています。
ーー言葉の引き出しを豊富にすることが大事そうなイメージですが、プライベートでも努力されているのでしょうか?
仕事とプライベートをきっぱり分けている、ということはないかなと感じています。
良いか悪いかは分からないですが、広告って溢れているので目につきますし、そこに思いをはせることが楽しかったりします。仕事の脳とは切り離してフラットな気持ちで言葉に触れるという意味でも、プライベートで色々な言葉やデザインをキャッチすることは大切だと考えています。
人間とAI、クリエイティブ業界で共存はできるか?
ーー最近はAIでもライティングができますね。AIの台頭について、加川さんの見解をお聞かせください。
AIコピーライターのことを最初に知った時は、仕事を取られてしまうのでは…という恐怖感がありました。
が、今は、怖いという気持ちは無くなっています。
なぜなら、人間にしかできないことがあるということに気が付いたからです。
情報がそろっていてすべてが言語化できていれば、それをプロンプトにしてAIが仕上げてくれます。
だけど実際にお客様とお話をしていると、全員が全員、やりたいことを言語化できる訳ではないんですね。
「うまく言えないんだけど、こういう感じ」というニュアンスだったり
お客様自身も気づいていないけど本当はやりたいことをお話している時に、その語気で熱意が伝わったり。
そういう、言語化されていないことを汲み取るという行動は人間にしかできないことだと思います。だからこそ、人間がつくるコピーは美しいなとも感じます。
AIと人間とで役割分担をして、お互いがwin-winになれば良いなと思います。
ーー最後に、クリエイターを目指している学生や若手クリエイターにメッセージをお願いします!
ものづくりが楽しい、という気持ちを仕事にできるのはこの職種・業界ならではだと思います。
さらに、同じ気持ちをもっている仲間と出会い一緒に仕事ができる喜びは何にも代えがたいです。
AIの台頭など業界の変化はありますが、ものがあってそれを伝えたい人がいる限り、ものづくりがなくなることはありません。
一緒にものづくりを楽しみましょう、と伝えたいです。
編集後記

以上、加川さんへのインタビューとなりましたが、いかがでしたでしょうか?
言葉を選ぶ際に、さまざまな立場の人々を考慮し、周囲の方々から学ぶことによって、加川さんのような「素敵な言葉遣い手」になれるのだと感じました!
また、AIの台頭に関する加川さんの「言語化されていないことを汲み取る行為は人間にしかできない」という考え方は、デザイナーをはじめとするクリエイターだけでなく、他の職種の方々にも共通する重要な視点だと思います。
加川さんや、たきコーポレーションZEROについてもっと知りたい方は、ぜひ以下よりチェックしてみてください!

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