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《クリエイターの働き方実態調査④》リモートワークにしてよかったことは?

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リモートワークで最もよかったことは「通勤のストレスが減った」が94%

こんにちは。クリエイターワークス研究所の宮本です。
今回は【リモートワークにしてよかったこと】についてフォーカスし、実態を見ていきたいと思います。

まず、前回のおさらいです。

《2021年クリエイターの働き方実態調査》コロナ禍2年。クリエイターの働き方は変化した?①で報告したとおり、『コロナ前と比べて、生産性は上がりましたか?』の問いに関して、フルリモートで働いているクリエイターの約70%がコロナ前に比べて仕事の「生産性が上がった」と回答しました(下図参照)。

n=227(単一回答)


では、具体的に、リモートワークにしたことでよかったことは何なのでしょうか?

現在の働き方で「フルリモート」もしくは「ハイブリッド(リモート&出社)」を選んだクリエイターを対象に、「リモートワークにしてよかったことは何か?」アンケート調査を行い、インフォグラフィックで表現しました。

n=160(複数回答可)

今回の調査では、ベスト5は上記の通りになりました。
やはり通勤が減った分、自分の時間が増えたと答えた方が多かったようです。
また、家族との時間を増やすことができているクリエイターも多いようです。

金銭、健康面でのメリットもある一方、社内コミュニケーションの希薄化が露呈

ちなみに、5位以下の全項目の回答は以下の通りです。
5位以下は格段に数値が少なくなっており、上位5項目に回答が集中した形となりました。

n=160(複数回答可)

さらに、より具体的なリモートのメリットを聞き出すこともできました。
(以下は、「その他」の項目を選択したコメントから抜粋しています)

▼習慣化
・家で仕事することへの罪悪感がなくなった

▼効率化
・集中できるので仕事の能率が上がった
・クリエイティブな作業に集中できる

▼節約
・余計な出費が減った
・ランチ代、洋服代が減った
・化粧品・衣服・服飾品など見た目に投資する金額と食費を節約できた

▼健康
・毎日のメイクから離れる事で敏感肌のコンディションをキープできた
・睡眠時間が確保されて生活リズムが改善された
・肉体的に健康維持ができるようになった
・通院などがしやすくなった

▼家族
親の介護に付き添いができた

このように、出社をしない分出費が抑えられたことや、生活習慣の改善ができたことをメリットとして感じているクリエイターもいるようです。

一方で、意外にも「オンとオフを切り替えやすくなった」の回答は12.5%に留まり、仕事も家事も同居する空間ではメリハリをつけられていないクリエイターもいるようです。

さらに、極端に数字が低い項目が4つ。
それは、上司、同僚、部下、他部署間の社内コミュニケーションの項目です。
なかでも、「部下とのコミュニケーションが増えた」と答えた回答者はなんと0%
リモートになったことで、部下のマネジメント面で課題を感じている中堅クリエイターも少なからずいるのかもしれません。
(「リモートワークの課題」については、次回報告させていただきます)

クリエイティブ職と一般職。リモートワークのメリットはほぼ同じ結果に

リモートワークのメリット。
それは、一般職とは違いが出るのでしょうか?
昨年2021年に総務省が行った一般職をターゲットにした実態調査の結果を引用し、比較してみました。

(出典)総務省(2021)個人向けアンケートで見るテレワークの実情

クリエイティブ職も一般職も、基本的には「通勤時間」や「自分・家族との時間」「ウイルス感染」の項目が上位となっていることから、基本的にはどの職種においてもリモートワークの利点はさほど違いがないことが分かりました。

フルリモートとハイブリッドの働き方で違いはある?

今回、クリエイターワークス研究所が実施した調査では「フルリモート」と「ハイブリッド」で働き方を区分しているため、もう少し細かく見ていきたいと思います。

「フルリモート」と「ハイブリッド」の働き方をしているクリエイターで区分してみると、違いは出るのか?検証してみたところ、ほとんどの項目にはさほど違いは出なかったものの、以下2つの項目では開きがありました。

「人間関係によるストレスが減った」
先述したとおり、上司、同僚、部下、他部署との社内コミュニケーション面では希薄化している可能性を示唆するデータとなりましたが、一方で、「人間関係によるストレスが減った」の項目が大幅に伸びました。
なかでも、ハイブリッドよりもフルリモートの方が約20%ほど多いことが分かりました。

人によっては社内で相性が合わない人もいるもの。
出社して同じ空間を共有することなく、相性の良くない人と顔を合わせなくても済むことが心理的に安定するのかもしれません。

「家族との時間が増えた」
この項目では約30%ほどの開きがありました。
同類の項目「自分の時間が増えた」ではフルリモートもハイブリッドもさほど差がでなかったのですが、「家族との時間」となると、フルリモートで働くクリエイターの方がそのメリットを強く実感しているようです。
今までハードワークで家族との時間が取れていなかったクリエイターこそ、その恩恵を感じている方も少なくないかもしれません。

まとめ

今回は、リモートワークをしているクリエイターにフォーカスし、そのメリットについて比較検証していきました。

「通勤のストレスが減った」がダントツの1位。
「作業の集中」「出費を抑えられた」「生活習慣の改善」もメリットに感じている
・クリエイティブ職も一般職もメリットに感じる項目はほとんど同じ
・フルリモートで働くクリエイターの方が「人間関係によるストレスが減った」ことを実感している
・フルリモートで働くクリエイターの方が「家族との時間が増えた」ことを実感している

時にハードワークを強いられるクリエイターも、リモートワークをすることで健康、生活、家族、金銭、人間関係など多角的に改善することができている実態が伺える結果となりました。

とは言え、メリットがあればデメリットも当然あるもの。
次回は、リモートワークの課題についても見ていきたいと思います。

↓今までの調査報告はこちら↓

https://www.y-create.co.jp/CWL/?p=29
https://www.y-create.co.jp/CWL/?p=220
https://www.y-create.co.jp/CWL/?p=10

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