海外のクリエイティブ事情~オーストラリア、インパクトの強い街頭広告クリエイティブ5選

街中に溢れる広告は、一定の期間が来ると貼り替えられ、次から次へと新たな広告を目にすることになります。シリアスなものから吹き出してしまうような楽しい広告まで様々ですが、後々まで記憶に残っている広告の内容はほんの一握り。おもしろいと感じた広告でも、どんな商品でどこの会社のものだったのか覚えていないことの方が多いものです。
そんな中でも、うまく商品やサービス内容と絡めてあり、一度見たら忘れられないオーストラリアの広告を5つご紹介していきます。

 

癌カウンシルによる皮膚癌防止キャンペーン広告

癌カウンシルによる皮膚癌防止キャンペーン広告

【企業】
Cancer Council
癌カウンシルは、癌全般の予防や発生数の減少に向け、世界的調査や研究、基金、癌患者の支援活動を行っている団体です。

癌の中でも、オーストラリアでは皮膚癌が最も発症数が多く、実に70歳までに3人に2人が発症。年間約1900人が皮膚癌で死亡していることから、皮膚癌予防活動には特に力を入れています。皮膚癌防止キャンペーン「サンスマート」を長期に渡り行っているほか、日焼け止めクリームから帽子、UV用水着を販売する小売店「キャンサー・カウンシル」も運営しています。

【広告のキャッチフレーズ】
「Cutting your sun exposure is easier than cutting out a skin cancer.(紫外線にさらされる部分をカットする(減らす)ことは、できてしまった皮膚癌をカット(切除)するよりたやすい)」

【広告内容】
上記キャッチフレーズとともに、日焼け止めクリームを無料で提供。
広告内、皮膚癌部分に手を入れ、レバーを押すと日焼け止めクリームが出てくる仕組みとなっています。

皮膚癌のおそろしさを伝え、日焼け止めクリームの塗布を促すのが狙い。
広告として視覚で訴えるだけでなく、同社商品のサンプリングのプロモーションも兼ねています。サンプル配布の人件費が不要な上、斬新なアイデアでインパクトの強い広告です。

【設置場所】
バス停留所

【参考URL】
https://adsoftheworld.com/media/outdoor/sunsmart_cut_out
http://www.adweek.com/adfreak/australian-bus-stop-ad-dispenses-sunscreen-beachgoers-133521

 

ヴァージン・オーストラリア航空による
「AUS to USA」広告

「AUS to USA」広告

【企業】
Virgin Australia
ヴァージン・オーストラリア航空は、オーストラリア第2位の航空会社。
豪クイーンズランド州ブリスベンを拠点とし、豪国内を中心に太平洋諸国やアメリカ、アジアなど30都市以上に就航しています。

【広告のキャッチフレーズ】
「AUS to USA(オーストラリアからアメリカへ)」

【広告内容】
AUSの頭文字「A」を移動(旅行)することで、USAに行けるという、文字遊びによる渡航促進の広告となっています。

写真やイラスト、文章もなく、アルファベット3文字のみとシンプルながらも、「文字を飛ばす=飛行する」ことから航空会社によるものだと連想される、遊び心とメッセージ性の強い広告に仕上がっています。

【設置場所】
道路上

【参考URL】
https://allinad.wordpress.com/2012/09/30/virgin-australia-clemenger-bbdo-sidney/

 

オーストラリア児童期財団による育児放棄の被害を訴える広告

育児放棄の被害を訴える広告

【企業】
Australian Childhood Foundation
オーストラリア児童期財団は、トラウマや虐待、育児放棄などから子どもたちを守り、安全な生活を送ることができるように活動する団体です。

【広告のキャッチフレーズ】
「Neglected children are made to feel invisible.(育児放棄された子どもたちは、自分たちを他人から見えていないように感じさせる)」

【広告内容】
ポスターの裏側に隠れて、顔や姿が見えない子どもの人形を使った街頭広告。
足だけが見えるリアルな子どもの人形にギョッとさせられ、街頭ポスターの中でもひと際目を引きます。被害者である子どもの気持ちに立ったキャッチフレーズと人形で、育児放棄による子どもへの悪影響を訴えるのが狙い。

【設置場所】
街頭

【参考URL】

Neglected Children are made to feel invisible

 

マクドナルドによる「反射」を利用したロゴマーク「M」広告

反射を利用したロゴマーク「M」広告

【企業】
McDonald
マクドナルドは、みなさんご存知の通り米国に本社を置く世界最大のファーストフードチェーン店で、全世界で3万6000店舗以上展開しています。もちろん、このオーストラリアにも店舗があります。
オーストラリアでは、2000年代前半までは低価格路線を軸に売り出してきましたが、健康志向の高まりとともに業績が低迷したのを機に、サラダなど健康的な商品を拡大するなど、ニーズに合わせた方向転換を行いました。

【広告内容】
電光の反射を利用したマクドナルドのロゴマーク「M」のデザイン広告です。

電光の反射ゆえに、昼間には完全な「M」マークが見ることができません。見られる時間帯が限られてしまうのですが、知名度の高いロゴマークだからこそ、一瞬しか広告やロゴを見ることができないドライバーにとってもインパクトが強く、通り掛かる人々の目を惹きつけることに成功しています。

まるでマクドナルド店舗の横を通りかかったような感覚に陥り、食べなれたハンバーガーの味を思い出し食欲を沸かせるのが狙い。顧客を呼び込む戦略広告として優れたアイデアです。

【設置場所】
バス停留所など

【参考URL】
https://au.pinterest.com/pin/5277724534458858/

 

映画「バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生」のデジタル宣伝広告

「バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生」のデジタル宣伝広告その1

「バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生」のデジタル宣伝広告その2

【企業】
Warner Bors. Entertainment
ワーナー・ブラザーズは米国の映画製作・配給会社。前述のマクドナルドと同様、有名映画を多く手掛けており、映画ファンでなくとも社名だけは知っているという方も多いでしょう。
今回の広告のバットマン、スーパーマンをはじめ、ハリー・ポッターシリーズなど、子ども向けやSF映画になどに定評があります。

【広告内容】映画「バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生」の宣伝デジタル広告。
バットマンとスーパーマン、どちらのヒーローを支持するか選び、タッチスクリーンで自分の顔写真を撮影、自分自身が広告上でそのヒーローになれるというインタラクティブなデジタルサイネージ広告です。

ポスターなどの映画の宣伝広告は数多く存在しますが、通常、その映画に関心があったり、登場するキャラクターや演じる俳優のファン層などにしか目に留まらないことが多いです。それに対しこの広告施策では、最新のデジタル機能を取り入れ、行き交う人々の参加型広告にすることで話題性やクチコミ性を強め、あまり映画に関心のなかった層への認知・関心を強めることに成功しました。
最近増えてきたデジタル広告の中でも、視覚宣伝の域に留まらず、娯楽性を加えたことでプロモーション効果がより高まった成功例と言えるでしょう。

【設置場所】
豪大都市シドニーやブリスベンのショッピング街中心地

【参考URL】
http://www.jcdecaux.com.au/innovation/batman-vs-superman-augmented-reality-selfies
 

キャッチコピーやグラフィックなどで目を引く街頭広告が一般的だったのに対し、サンプル配布を兼ねたものやタッチスクリーン式の体験型デジタル版など、インタラクティブな広告がオーストラリアでは増えてきています。「一度見たら忘れない」だけでなく、「一度体験したら忘れない」広告が増えてきているとも言えるでしょう。
日本でもターミナル駅などを中心にデジタルサイネージ化が進んでいますが、体験型広告など、街頭広告も更に変化していくのではないでしょうか。

 

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