第3回【ポートフォリオの作り方】基本編(下)~大手外資代理店の元スタジオマネージャーが解説!

クリエイティブ業界の就活ではポートフォリオが重要。でも、分かっているがなかなかスタートできない。そんな方のためにもまず自分の作品の『棚卸し』から着手することを前回お話ししました。また、実際にデザイナーの採用選考の際に感じた、ポートフォリオ全体の『リズム感』の重要性もお伝えしました。

今回は、自分の作品をどのように扱えば良いかを中心にお話しします。

初見で伝わるのか?

デザイナーのキャリアが長い人のポートフォリオでも「んっ?」とたまに感じる事があります。
「これは何?」と。
デザイナーは自分が制作したデザイン物については大抵のことは把握しています。そのため、様々な前提条件も当然のことのように思っています。
しかし初めて見る側には、その「前提条件が分からない」ことがあります。

例えばどういうことかと言うと、
・期間限定、地域限定で販売されたのか?
・ターゲットは誰なのか?
・冊子の表紙なのか、ペラの1枚物なのか? などなど

ルビンの壺」というトリックアートがあります。この「ルビンの壷」のように、自分は「壷」を見せようと思っているのに、相手が「向かい合う顔」を見ていては、伝えたいことも伝わりません。『相手が初見であること』を充分に意識してください。

写真撮影の利用

さて、多く見かける失敗のひとつに立体の展開図」があります。
立体作品は展開図は、そのまま見せても作品の良さは100%伝わりません。『立体作品は立体で見せる』これが基本です。
モックアップを作り撮影してポートフォリオに掲載しましょう。デザイン物の種類によっては、撮影の際に演出を施すことも良いと思います。プロダクトデザインの場合もCG画像ばかりが続く間に、演出のある写真が入るとメリハリが効いて効果的です。小さなペラペラの名刺。これも写真によって紙の風合いが伝わることもありますよね。

何を見せる作品か

掲載作品で『何を見せたいのか』この点も意識しましょう。
プロダクト作品として仕上げのエッジを見せたいのか、他ツールとのイメージ統一を見せたいのか、あるいは使用したイラストレーションを見せたいのか・・・。見せたいポイントがポートフォリオを見ている採用側にきちんと伝わるように工夫しましょう。

(見せたいポイントのために)
・データをそのまま掲載するのか
・写真の場合、撮影方法はどうするのか
・データでも写真でも、掲載画像の大きさは?
・イラストや図の補足は必要ないか
・部分のアップ、逆に周囲の環境を見せる方が良いか

展開=バリエーション、ツール展開

筆者は広告系デザイナーの採用面接が最も多かったのですが、広告のリサイズが不必要に並んでいると飽きを感じ、うんざりしたことさえありました。
しかし、作品の展開が必要なケースは当然多くあります。むしろ作品を1点だけぽんっと見るより、バリエーション展開、ツール展開で見た方が「そのデザインの意図や世界観を的確に」捉えられます
自主制作として展開作品を作るのも良いと思います。春向けの作品に、夏秋冬の展開を考える。パッケージデザインに対して、広告展開、販促ツール展開を考える。これらはとても効果的です。

掲出例、施工例、使用例

では、なぜ「うんざりするケース」が生まれるのか?それは単純に同じようなものが並ぶからです。
広告のバリエーションをデザイン部分のデータだけで載せる人がとても多いように思います。ヨコ位置、タテ位置、微妙にサイズの違うもの、様々なバリエーションをひとつのページ内に器用にレイアウトする人がいます。もはや個々の作品ではなく模様に見えて来ます。
このような場合は、掲出例を間あいだに掲載します。「どういう環境に掲出されているか」「どんな人が見てくれているか」ここでもバリエーションを展開できますね。
Webデザインでも同じです。作品データ、画面写真ばかりでなく、操作する人間を含んだ写真も利用できると思います。

「本当はもっと、、、」

ところで、学生が課題提出で発する定番のセリフに「本当はもっと〇〇しようと思った」があります。
実はこのセリフ、プロのデザイナーの作品面接でも驚くのほど多く耳にします。

「本当はもっと〇〇な色なんです」

この言葉を口にしたことがある人も多いのではないでしょうか。であれば、本当の色で見せてください
あなたが意図してデザインした『本来の色』をポートフォリオ上で表現すべきです。プリンターの関係で再現が上手くいかない場合は色チップや現物を利用しましょう。

現物はどうするか?

現物の扱い方にもご用心です。基本的には、薄いリーフレットであっても現物をポートフォリオには入れない方が良いでしょう。
連載1回目に「ポートフォリオはプレゼンテーション」とお話ししましたが、現物をクリアフォルダから出し入れする作業が全体の流れを崩してしまう恐れがあります。現物はポートフォリオとは別に用意し、タイミングを計りスマートに登場させましょう。

 

前回と今回の2回でポートフォリオを作る際の具体的なアドバイスをお伝えしました。お役に立ちそうでしょうか?肝心なのはあなた自身のクリエイティビティを「100%以上にして」伝えることです。過去にデザインした作品群、そして今のポートフォリオのクオリティ、この2つで希望の職場へ挑んでください。

【ポートフォリオの作り方】
第1回 まず始めに
第2回 基本編(上)

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