会社・組織

《クリエイターの働き方実態調査⑤》クリエイターが思うリモートの課題とは?

リモートのデメリット

前回のおさらい

こんにちは。クリエイターワークス研究所の宮本です。
前回の調査報告は《クリエイターの働き方実態調査④》リモートワークにしてよかったことは?のテーマで、以下のような結果を共有させていただきました。

「通勤のストレスが減った」がダントツの1位
「作業の集中」「出費を抑えられた」「生活習慣の改善」もメリットに感じている
・クリエイティブ職も一般職もメリットに感じる項目はほとんど同じ
・フルリモートで働くクリエイターの方が「人間関係によるストレスが減った」ことを実感している
・フルリモートで働くクリエイターの方が「家族との時間が増えた」ことを実感している

リモートワークのデメリット、トップはダントツの「運動不足」が58.4%

では、デメリットについてはクリエイターはどのように感じているのでしょうか?
今回はそのリモートワークのデメリット・課題についての調査報告をさせていただきます。

まず、ワースト5をインフォグラフィックで表現してみました。

圧倒的に 「運動不足になった」 がトップとなり、次いで「オンとオフの切り替えがしにくくなった」となりました。

尚、全項目の結果は以下の通りとなりました。

前回の「リモートワークにして良かったことは?」の問いで「通勤のストレスが減った」がダントツの93.8%だった反面、運動不足という新たな課題に直面しているクリエイターが多くいるようです。

また、社内コミュニケーションの項目(「上司」「同僚」「部下」「他部署」とのコミュニケーションが減った)のうち、「同僚同士のコミュニケーションが減った」が圧倒的に多いことも気になる結果となりました。

その他にもあるある、リモートワークのデメリット・課題

さらに、より具体的なリモートのデメリット、課題を聞き出すこともできました。
(以下は、「その他」の項目を選択したコメントから抜粋しています)

▼情報交換・コミュニケーション
・ネット以外での情報不足
(フリーランス・個人事業主 ディレクター/男性50代前半)

・雑談からのビジネスヒントなどが無くなったり営業をしにくくなった
(会社経営者 デザイナー/40代前半女性)

・上司にわからない事や聞きたい事があった場合、パソコン越しでの対応なので、レスポンスに間があったりPC画面上で指示すればすぐわかる事が文章での対応になるので、ややこしくなったりすることがある
(派遣社員 テレビ関係 CGデザイナー/30代前半男性)

・全体的にコミュニケーションが減った
(フリーランス・個人事業主 デザイナー/40代後半女性)

▼守秘義務
・同じくリモートワークをしている家族との場所の融通(MTGが重なると守秘義務的に問題あり
(正社員・契約社員 Web制作会社 執行役員/40代前半女性)

▼ネット環境
会社からのサポートがなく
自宅のMacを使い、仕事に必要なアプリケーション代を自分で支払っている
(派遣社員印刷会社 デザイナー/女性40代前半)

・自宅wifiが突然NGになった際の業務進行対策が個人に担いすぎ。そこのバックアップも考えて欲しい
(正社員・契約社員 広告制作会社 デザイナー/40代後半)

▼風習
出社主義との摩擦
。クリエイティブ職・営業職など、業務意識の違いが明らかになった
(正社員・契約社員 広告制作会社 ディレクター/30代後半女性)

▼オンとオフの境界線
家事育児との両立
。かなりしんどい
(フリーランス・個人事業主 ライター/30代後半女性)

▼マインド
・たまの出社時の機材の用意や気持ちの面での億劫さがしんどい
(派遣社員 ゲーム会社 プランナー/20代後半女性)

▼健康

原因不明の体調不良に悩まされ続けることになった
(フリーランス・個人事業主 コーダー・エンジニア/40代前半女性)

クリエイティブ職と一般職。リモートワークのデメリットもほぼ同じ結果に

リモートワークのデメリット。
それは、一般職とは違いが出るのでしょうか?
昨年2020年に株式会社NTTデータ経営研究所が行った、一般職が81%を占める実態調査と比較してみました。

株式会社NTTデータ経営研究所 テレワーク/リモートワークへの取り組み状況 2020年

上記の図では、「自分で自分の時間を管理すること」が一番の課題として挙げられており、クリエイターでダントツだった「運動不足」は3位となっていました。
クリエイターの方が運動不足の現状を強く問題視していることが分かります。

さらに、「上司・部下・同僚とコミュニケーションがとりにくいこと」と「仕事とプライベートの区別がつかないこと」は上位となっており、一般職も同等の問題認識を持っていることが分かりました。

フルリモートとハイブリッドの働き方で違いはある?

今回、クリエイターワークス研究所が実施した調査では「フルリモート」と「ハイブリッド」で働き方を区分しているため、前回のメリットと同様、デメリットについてももう少し細かく見ていきたいと思います。

結果から申しますと、全体的にさほど違いはありませんでしたが、以下の3つの項目では開きがありました。

「運動不足」については、フルリモートのクリエイターの方が約20%程多くなりました
通勤という概念がなくなってしまったことで、課題として強く実感しているようです。

社内コミュニケーションの項目の中でも開きがあったのは、「同僚同士」の項目。
出社も含むハイブリッドの方がコミュニケーションを取れる機会がありそうですが、これは意外な結果となりました。

「作業環境」では15%もの開きがあり、ハイブリッドのクリエイターの方が課題に感じているようです。
やはり、会社に出社することがないフルリモートのクリエイターの方が、作業環境整備を徹底できているのかもしれません。

まとめ

今回は、リモートワークをしているクリエイターにフォーカスし、そのデメリットについて比較検証していきました。

・「運動不足になった」がダントツの1位。
・ 社内コミュニケーション(上司・部下・同僚・他部署)のうち、「同僚」同士が最も課題感が強い
・その他、「情報交換」「セキュリティ」「健康」などの側面からデメリットを挙げたクリエイターも
・一般職の最大の課題は「自分で自分の時間を管理すること」となり、クリエイティブ職とは違いがある
フルリモートで働くクリエイターの方が「運動不足」を強く課題に感じている
・ハイブリッドで働くクリエイターの方が自宅の作業環境に強く課題を感じている

今回の調査で、リモートワークにはデメリットも多く潜在していることが分かりました。

なかでも、社内コミュニケーションに関わる項目に回答が集まったことから、次回は「社内コミュニケーションで工夫していることは?」について調査報告をしていきたいと思います。

今までの調査報告はこちら

https://www.y-create.co.jp/CWL/?p=29
https://www.y-create.co.jp/CWL/?p=220
https://www.y-create.co.jp/CWL/?p=10
https://www.y-create.co.jp/CWL/?p=234

記事に関する取材・転載についてのお問い合わせはこちら

2022年に実施しましたクリエイターの働き方実態調査に関して、
取材のお問い合わせ、並びに資料・調査データ転載のお問い合わせはこちらからお申し込みください。

【クリエイターの働き方実態調査】
・リモートワークはどれくらい浸透している?
・リモートワークのメリットは?
・リモートワークの課題は?
・クリエイターの理想の働き方は?
・クリエイターは今どんなことに興味を持っている?
・クリエイターの今後のキャリア、どう考えている?
など、計53問のアンケート項目から実態を明らかにしています。

【クリエイターワークス研究所】クリエイターの働き方実態調査に関するお問い合わせはこちら