
転職サイトや求人情報誌、人材会社のサイトなどの募集要項において、休日制度の項目でよく見かけるのが『週休2日制』や『完全週休2日制』といった表記。この2つを「同じもの」だと勘違いされている方、もしかしたら結構いらっしゃるのではないでしょうか?実は、両者は似て非なるもの。知らないと後で「しまった…!」という事態に陥る可能性があります。今回は、『週休2日制』と『完全週休2日制』の違いについて、具体的に見ていきます。
目次
■『週休2日制』とは?
週休2日制とは、「1年間を通じて、2日休める週が月1回以上あり、他の週は1日以上の休みがある」という休日制度のことです。つまり、週休2日と書いてあっても、毎週必ず2日ずつ休めるわけではありません。
たとえば、「第1週は土日休みで、残りの週はすべて日曜のみ休み」というルールであっても、週休2日制と呼ぶのが正解です。月5日ぐらいしか休みがないわけですから、かなり少ないですね。
「週休2日制=毎週2日休める」と勘違いしないよう、ご注意ください。
また、「基本的には毎週土日休み。ただし四半期に1度、第2土曜だけ出社日となる」という場合も、同じく週休2日制に該当します。したがって「週休2日制」だけでは、年間休日がどのくらいになるのか予想がつきません。
週休2日制という表記になっている場合は、「月●休み」「年間休日●日」といった詳細まで必ずチェックするようにしましょう。
■『完全週休2日制』とは?
完全週休2日制とは「毎週必ず2日の休みがある」制度のことをいいます。
こちらのほうは恐らく、一般的な正解率も高いでしょう。ただ、「週休2日制との違いは?」と聞かれて正確に答えられる方は、そこまで多くないかもしれません。
また、中には「完全週休2日制=土日休み」という認識をお持ちの方もいらっしゃるようですが、それも間違いです。もちろん「土日休み」も完全週休2日制の中に含まれますが、たとえば「水曜と日曜が定休日」といった、休みが土日以外になるパターンも、完全週休2日制の定義を満たしています。
ちなみに、以下2つの表記はよく似ていますが、意味は全く異なりますので要注意です。
・完全週休2日制(土・日)、祝・・・土日祝はすべて休み
・完全週休2日制(土・日・祝)・・・祝日がある週は、祝日+土日のどちらかが休み
後者の場合、「祝日がある週を含めて、常に週2日休み」という意味になり、祝日がある週は土日のどちらかが出勤となります。
■【おまけ】『隔週休2日制』とは?
週休2日制や完全週休2日制ほどではありませんが、隔週休2日制という表記もちらほら見かけることがあると思いますので、ここで説明しておきましょう。
隔週休2日制とは「2日休みの週と、1日休みの週が、交互にやってくる」休日制度のことです。
たとえば、「日曜定休+第1・第3土曜休み」などの休み方がこれにあたります。その場合、第2週・第4週の休日は日曜のみです。
表記内容の違いを知らないと、隔週休という漢字だけをパッと見て「週休2日制のほうがたっぷり休めそう」と思いがちですが、それも真実ではありません。
前述のとおり、週休2日制は「週2日休みが月1回あればOK」という制度です。場合によっては、週休2日制よりも、必ず月2回は週2日休みある隔週休2日制のほうが、休日日数が多くなることもありえます。
■まとめ
よく、「うちの会社はカレンダー通りの休みです」という言い方をすることがあると思いますが、その中身を正しく表記すると、「完全週休2日制(土・日)、祝日」となります。
完全週休2日制という文言だけを見て「土日祝休みってことね」と勘違いしたり、週休2日制を完全週休2日制と混同していたりすると、もしかしたら入社後に「こんなはずじゃなかった…」「思っていた働き方と違う…」といったトラブルにもつながりかねません。
「週休2日制」や「隔週休2日制」と書いてある場合は、年間休日をあわせて確認しておきましょう。また、「完全週休2日制」も休みが何曜日であるのか、祝日は休みなのかといった、「こんなはずじゃなかった」要因が潜んている可能性があるので注意しましょう。
また、もう1つ覚えておいたほうがよいのが、企業の担当者でも「完全週休2日制」「週休2日制」を混同しているケースがあること。表記だけ見て判断するのではなく、選考時や入社条件の調整の際に「何曜日と何曜日が休みであるのか」しっかりと確認をするようにしましょう。