
昨年からEU離脱時期が話題となっているイギリス。その影響はクリエイティブ産業にも及ぶことは避けられないですが、そんなイギリスにおいて2018年度で6年目を迎え、様々な分野から毎年最も活躍した個人ブログと企業ブログそれぞれ1つずつに贈られる賞が、英国ブログアワード(The UK Blog Awards)です。
今回は、2018年度にクリエイティブ業界に関わる各部門でトップアワードを受賞したブログ4つをご紹介しながら、傾向やブログ・デザインに活かせそうなアイデアを探っていきましょう。
目次
■“The 4 Of Us”
【クリエイティブコンテンツ及び、ファッション&ビューティー企業部門受賞】
ドイツ、ハンガリー、ノルウェーからやって来て、ロンドンで出会った三人の外国人モデルが発信するスタイリッシュなロンドンライフ。
ふと気になることは、三人のブログなのになぜ「The 4 of us(私たち四人)」ということですが、その理由は、三人が毎月ゲストを迎えることで、四人になるからだそう(アイルランドのロックバンドとは無関係)。
Marie Claireや Vogueで活躍中のアナベル、サラ、ザネットが届けるヘルシーでお洒落な写真や、三人が同じ色のアイテムを着こなすリンクコーデに加え、月一でゲスト登場する写真家や監督、モデル友達を迎える企画が、マンネリになりがちなライフスタイル・ブログに新鮮味を与えているということが評価されてのダブル受賞しました。
こういったスパイス的コンテンツは、自社のブログやウェブの企画においても、比較的簡単に取り入れることができそうです。
The 4 Of Us
https://www.the4ofus.co.uk/
■“Soph Talks Science”
【クリエイティブコンテンツ及び、教育個人部門の受賞】
ブログを開くとまず目に飛び込む可愛いイラストのアイコンは、ファッションかデザイン系ブログかと思うほど。『進化論』を提唱したチャールズ・ダーウィン、昨年3月惜しまれつつなくなったスティーブン・ホーキングなど名だたる科学者を輩出しているイギリスではありますが、Soph(ソフ)という笑顔がチャーミングな普通の女子医学生が「サイエンス=科学」という、一般には少しとっつきにくいテーマをわかりやすく紹介してのダブル受賞です。
クライアントの要望に合わせて、幅広い層になかなかアピールしにくい題材を見やすく味付けするそのテクニックとして、デザインの上でも参考になりそうですね。
Soph Talks Science
https://sophtalksscience.wordpress.com/
■“Look Up London”
【アート&カルチャー個人部門受賞】
「脚元ばかり見て歩いていないで、少し立ち止まってロンドンの街並みを見上げ、新しい発見をしよう」。
英国観光庁による訓練を受け取得するブルーバッジという資格保持者であるケイティの、そんな願いがブログ名「Look Up London(ロンドンを見上げよう)」に込められているようです。
生粋のロンドンっ子による個人ガイドツアーはお決まりの観光案内に留まらず、お化けが出ると噂の地下鉄駅を訪れるツアー、昔の東ロンドンに思いを馳せるツアー、終戦記念日にまつわる名所ツアーなど、地元の人でも知らないような穴場スポットをたっぷり紹介。そのブログは、歴史的かつ文化的見地からも読み応えがあるということも評価されたそうです。
写真のクオリティが高いのも、パッと見でさらに「読みたくさせる」ポイントでしょう。
Look Up London
https://lookup.london
■“Fathers Of Daughters”
【インフルエンサー個人部門受賞】
可愛いお嬢さん4人(うち1組は双子!)と奥様という女だらけの家族に囲まれた英国人男性が、お父さん目線で日々の暮らしをインスタグラムに投稿しているブログ。
育メンぶりをアピールするというよりは、女性に囲まれた生活の中でお父さんが悪戦苦闘したり、お嬢さんたちのやんちゃぶりを披露したりと、イギリスらしいユーモアあふれるショットやセンスのよいライフスタイルが満載。そのプレゼン力や吸引力は、クリエイターのコンテンツ作りにも活かせそうです。
思わずクスッと微笑んでしまう内容がウケてフォロワー数はなんと90万人以上、ついには『Forever Outnumbered』という本も出版しました。
Fathers Of Daughters
https://www.instagram.com/father_of_daughters/?hl=en
■まとめ
このように、海外で話題のブログやインスタグラムを覗くことで、ひねりを加えマンネリを払拭するアイデア、幅広い読者を惹きつけるコンテンツ作り、違った視点から物事を見る提案、ユーモアあふれるイメージ戦略など、ディレクションやデザインの新たなインスピレーションが生まれるかもしれません。PVが優れた、魅力的なブログ作りの参考にしてみては、いかがでしょう。
出典元:https://blogawardsuk.co.uk/winners-2018/
執筆:ママリサーチャー イギリス在住:A.T.