【資格】フリーランスWebクリエイターが資格取得するメリット~前編~

仕事応募などで書くことがある「資格」の欄。Web系に関する資格は多く、国家資格などもあります。転職などの履歴書では「箔」はつきますが、フリーランスは資格があっても実際の「実務」経験欄が乏しいとなかなか仕事に有り付けないのが現状。
今回、フリーランスのWebクリエイターにとって「資格」を取ることはメリットか、役に立つ資格はあるのかなど、10年以上フリーランスデザイナーを続ける筆者が前後編にてお伝えしていきたいと思います。

フリーランスと「資格」の関係

「会社」という枠から離れたフリーランス活動で大切なことのひとつに 「現状に満足しない」ことが挙げられます。「資格取得」と何の関係が? と思われる人もいるかもしれません。

実は、会社という枠で働く場合はいろいろな仕事と人に囲まれ、自分の仕事以外にも関わる機会があり、それがキャリアやスキルをあげる原点になることがあります。しかし、フリーランスは基本的に「自分」の仕事で終始し、関わる人も限定されがちです。
そのため、長期間フリーランスをしていくには、時代の流れや技術の進化を意識しつつ、スキルのブラッシュアップとキャリアップの更新・勉強が常々必要になります。

だから「資格」と言っても、フリーランスは単に資格だけあっても「実務」に活かせなければ「絵に描いた餅」になります。ですから、フリーランスにとっての「資格取得」は一般的論的な「スキルの証明」以上に、「自分のキャリアアップのための導線」にする方法として考えた方が、より有益性が高くなります。

「今の仕事」の需要やギャラが減ることはいつ何時起こるかわからず、フリーランスという小母体で入手できる情報にも限界があります。ですから、今後のスキル向上とフリーランスとして生き残るために「資格」を取る(勉強する)という方法でキャリアアップベースをし、実務につなげることが重要なのです。
そのため、『何のためにどんな資格を取るか?』を第一に考えなければなりません。

Web関係の資格はとにかく「たくさん」の現状

「Web系資格」をざっと調べてみただけでも30以上の資格が出てきます。ソフトに関する資格から、ディレクター関連やマーケティング、EC、Web解析に関するものなど、ありとあらゆる資格があります。

資格は「知識・スキル」を客観的に証明する上で非常に有効ですが、あくまでも自分の今後の方向性を見極めて「選ぶ」ことが重要です。今回はその中でフリーランスのWebデザイナーを例に、キャリアアップの目線から資格を見ることにしましょう。


Webデザイン系で定番の資格は?

色彩検定
文部科学省後援の公的資格で色に関する知識や技能を問う試験。
UC級~1級まであり費用は6,000円~15,000円ほど。

Adobe認定アソシエイト(ACA)
Adobe Systems社が公認する資格で IllustratorやPhotoshopの基本的問題が出題される。
受験費用は1,0584円。

クリエイター能力認定試験
サーティファイ社が行っている能力認定試験で、こちらもIllustratorやPhotoshopの能力を図る試験。
エキスパートは8,400円、スタンダードは7,400円となる。

ウェブデザイン技能検定
インターネットスキル認定普及協会が行う、Webデザインスキルを見るための「国家資格」。
3~1級まであり、学科は 5,000~7,000円、 実技は5,000~25,000円 ほど要する。
※試験実施年度の4月1日において35歳未満の方は実技試験の受検手数料が減免されます。

そのほかにも「Web検定(1,0800円)」、「Webデザイナー検定(エキスパート6,600円・ベーシック5,500円」、「Webクリエイター能力認定試験(エキスパート7,300円・ベーシック5,700円)」などがあります。

フリーランスが「資格を取る」ことのメリットは?

このようにWeb系資格は様々ありますが、資格を取るメリットとして一体どのようなものが挙げられるでしょうか。

〈その1〉顔の見えない相手に『信頼』を獲得する
フリーランスにおいては特に、若い駆け出しのフリーランスや、講師・不特定多数の中で仕事を請け負う時に功を奏します。一般的には、Webデザイナーがイラストレーターやフォトショップなどのツールを使えるのは「当たり前」なので、資格の有無を問われることはほぼありませんが、例えばこれが、ソフトの扱いを教える「講師」の仕事ならば、上記のソフトスキルの資格は大切なものになります。

またネットで新しい仕事を探す場合やSNSなどでは、ポートフォリオと併せて「Webデザイナー」の資格などがあれば、相手の信頼を得る材料になるでしょう。ただし、自分のクライアントの多くが過去の会社や知り合いなどの場合は、資格の有無に関わらず、あなたの基本的なスキルを周知していることも多く、飛びつく材料にはなりにくいかもしれません。

〈その2〉スキル・キャリアアップの導線にできる
フリーランスにとって有益で大事なポイントとなり、例えばWebデザイナーからキャリアアップを目指すひとつにWebディレクターがあります。会社なら勤続年数や経験とともに、ディレクターへの道も進みやすいですが、フリーランスにはその環境が整っていません。学校・独学・営業スキルで仕事を取るのが多数派でしょう。
もちろん、実務で多かれ少なかれその経験をしますが、フリーランスの場合は会社に属しているほどのチャンスが少ないため、そんな時に役立つのがこの「資格」なのです

例えば、先のWebデザイン系資格に出てきた『Web検定』は4つの資格から成り立ち、Webデザインはその中の一環で、さらに「Webリテラシー」という資格があります。しかも、こちらの資格取得は比較的易しいものとされています。ホームページによれば、

Webに関わる仕事を構成するデザイナー、ディレクター、プロデューサーという主要3職種の最重要知識だけをあつめて「Webリテラシー」と定義し、仕事を行う上で標準知識を備えているかを問う資格試験です。立場の違いによるコミュニケーションエラーを減らすことが、Webリテラシー試験の目的
Webリテラシー試験の概要より引用)

とされており、デザイナーならディレクターの足がかりとして、職種ごとの最重要ポイントを体系的に理解できます。

フリーランスならではの「資格」に対する意識を

資格を取る場合、そのスキルの知識・仕事の流れをトータルで俯瞰的に把握する必要があります。そして、それらを学ぶ教材などは、重要ポイントを理解できるよう端的にまとめてあります。
通常は実務が先にきて、その後「資格」に至りますが、フリーランスにはキャリアアップのために、要領よく体系立てて学び実務につなげることができます。また、時間や金銭的な制限を考えると、学校に通うよりも非常に有効です。

現実的な資格取得に至らずとも、Webディレクターやコーダーなどの仕事が見えることで、ディレクターの考えやコーディングを意識したデザイン、クライアントが求めるものがより具体的で明確になります。また、自分の「抜けている」スキルを確認できることも見逃せません。ただし、目指すスキル・比較的容易に取得できるかどうかをしっかり吟味して選ぶことが重要です。


まとめ

フリーランスにとっての資格取得は、極論的に言えばすべてが自分の仕事へつながるための方法です。会社のような盾のない中で、長くフリーランスとして生きていくために少しでも有利になる方法を見出していくことが必要不可欠です。
次回の後編では、フリーランスに役立つ資格などについて、周囲のフリーランスの意見も交えご紹介していこうと思います。

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