
社会人として長く生活していると筆者も仕事柄、他業種の人と多く関わり、様々なタイプの「できる人」に遭遇します。そんな人々と仕事を共にするうち「仕事ができる人」には、どうやらいくつかの共通した特長がわかってきました。今回はその知見を共有すべく、仕事やプライベートでもすぐに活かせそうなものをセレクト、「5つの条件」として解説していきます。
目次
■連絡をマメに行いつつ内容が的確、かつタイミングも絶妙
すべき連絡をつい後回しにしてしまう。また、メールをなかなか書き出せず、いつの間にか時間が経ってしまった。などの経験がある方もいらっしゃることしょう。
当たり前のようですが、仕事ができる人というのは実に連絡をマメにします。さらに連絡すべき内容もしっかり優先順位がつけられ、緊急性の高いものは即レス当たり前、かつ内容に関してもいつでも簡潔・的確、送る側の意図がしっかりと伝わるように構成されています。
また送るタイミングも絶妙で、こちらに負担をかけない程度にリマインドをかけてくれます。
これは逆に言うと「送らなくてよい連絡は送らない」、そして「待つべき時は待つ」ということ。できる人々はこのあたりのさじ加減がとても上手で、こちらも仕事がしやすく効率的な連絡をしてくれる人が多い印象です。
これは「自分がどんな内容で、どのようなタイミングでもらいたいか?」常に相手の立場に立ち、双方の仕事がスムーズにいくように考えているとも言えます。
連絡という仕事は日常的なルーティンですが、相手がいて初めて成り立つことですから、この相手の立場に立つことがポイントだと言えます。
■精神論ではなく、方法論で考えている
仕事がうまくいかない時にはつい精神論になりがちです。想定どおりに運ばないことに対し、「やる気がないから」「知識が足りないから」「がんばりが足りないから」など、具体的な解決策にならない発言・思考をしてしまってはいないでしょうか。
問題解決時に上記のような考えでは、堂々巡りになってしまいます。
そんな時、できる人々は、たとえばやる気がないときは「なぜやる気が出ないのか?→では、どうしたら出るのか→その具体的な方法とは?」と論理的な思考に基づいて答えを出します。
また、知識が足りないと感じれば「どのような知識が足りないのか→それによって起こる支障は?→知識を補うために必要なことは?」など、冷静に対応策を導き出しそれに向かいます。
思考には人それぞれの「癖」というものがあります。いきなり、上記のような論理的・冷静には難しいかもしれません。
ですから、最初はいつも通りの感情論になりつつも、その一歩先に「だとしたら、どうするべきか」を考え、自分の感情に支配される範囲を減らしていくことで「癖」が矯正され、できる人々に近づいていけることでしょう。
■ネガティブな言葉を発しない、言い換えが巧い
仕事ができる人は不思議と、「暇」「疲れた」「眠い」「できない」「やっても無駄」などのネガティブ言葉をあまり使わないイメージがあります。
世には「言霊」という言葉もあるくらい、口に出した言葉は心や身体、ひいては行動を左右するくらいの力を持っていると言われています。
言葉は自分自身に対しての作用だけではありません。たとえば失敗談があった時、それを面白おかしく話してくれる人と嫌味ったらしく話す人では、どちらの話を聞きたいかは明確でしょう。そして、そんな面白おかしく話せる人のところには自然と人が集まっていくのです。
これは「暇」を「自由」にとか、「できない」を「チャレンジし甲斐がある」に言い換えたりと、言葉の言い換えを巧みに行っていることにつながります。これは上述した思考の「癖」とも関係しています。
できる人というのは、ついついマイナスなことを言いがちになる時、この言い換えを意識的に、そして日常的に行いつつ自分や周囲をコントロールしているとも言えるでしょう。
つまり、私たちもこれを同様に行うことで徐々に、「ネガティブな言葉をポジティブに言い換えられるようになる→気持ちもポジティブに持っていけるようになる→自分や相手にポジティブ効果をもたらす」という好循環が生まれていくはずです。
常に意識しながら無理にでも言い換えていくことが大事なので、多少の時間は必要かもしれませんがきっと自分の変化に気づく時がくると思います。
■まずは行動する。とにかく行動あるのみ
仕事ができる人や成功者に100%共通する項目をあげるとすれば、それは「行動力がある」ということ。行動によって結果が生まれるわけで、できる人は必ず行動しているとも言えます。
しばしば「リスクや失敗を恐れず行動する人は仕事ができる人」と言われますが、そこまで重く考えることもありません。リスクを冒さなくとも行動力は養えます。シンプルにフットワークを軽くしてみると考えればよいでしょう。
たとえば、人に書籍を紹介されたらすぐさま目の前で購入してみる。おすすめ映画を紹介されたら観て感想を伝えるなど、自分のできる範囲で少し動いてみるだけで、大きな効果を得る方法はたくさんあります。
筆者も実際に試したことがありますが、目の前で書籍を買う、すすめられた映画の感想を伝えるというだけで驚かれ、相手にとってはよい印象を与えることもできます。つまり、この程度で驚き喜ばれるという事実は、裏を返すと意外なほどに行動している人が少ないとも言えるわけです。
自分の行動力を養える上、少しの手間と出費で「できる人」や「話が無駄にならない人だな」と思われるのであれば、コストパフォーマンスは相当高いとも言えるでしょう。
■常に「なぜ?」を意識している
行動にも繋がりますができる人は、常に自分が「今なにをしているか?」、「なぜそれをしているのか?」などの状況把握をしっかり行っています。この把握がされていない人は、行動のクオリティが低くくなる、方向性を見失うと言わざるを得ないでしょう。
わかりやすく例えてみましょう。
たとえばキッチンを掃除するとします。単純に「キッチンを掃除する」と思っている人と、「なぜキッチンを掃除するのか」を把握している人とでは、大きな相違があります。
掃除するだけと考えている人は、ただ漠然とシンクやコンロを清掃したりしがちですが、「なぜ」を意識している人は「シンクに水垢がついているので」「コンロにコゲが目立ってきたので」など、明確な目的意識と解決策をもって掃除ができます。どちらがよりキレイになるかは明白ですね。
この「なぜ」を意識することで、仕事や行動のクオリティはグンと上昇します。メールを送るでも資料作成でも、どのような状況にでも応用できるテクニックです。
■まとめ
仕事ができる人の『5つの条件』をあげてみましたが、今回紹介したような特長は一つひとつをかみ砕いて考えると、どれも難易度の高いことではありません。少しだけ意識と行動を変えれば、すぐに実行できるものばかりです。
最初のうちは面倒で大変かもしれません。しかし継続はやがて「習慣」となります。そして、できる人において最大の特長と言えることが「できる行動を習慣化している」ということなのです。「習慣化」してしまえば、もはや自分のものになったも同然です。
皆さんもぜひ、これを参考に「できる人」を目指してみてはいかがでしょうか。仕事のみならず、普段の生活もきっと充実するはずでしょう。