【リモートワーカーで成功する人のコミュニケーション術 】第1回:電話とメール、チャットツールの使い分け

自分のワークライフバランスにあった働き方ができるリモートワーク(在宅勤務・在宅業務)。一方で、クライアントの顔が見えにくく、コミュニケーションの取り方が難しいと感じているフリーランスの方も少なくありません。
この連載では、“ストレスを感じることなくリモートワークに取り組める環境づくり”を目的に、ディレクションの立場にいる筆者が、実際の現場の声をまじえて“しっかり稼げる”コミュニケーション術を紹介します。

2パターンあるリモートワークの働き方

リモートワーカーとしての働き方には、2つのパターンがあります。

ひとつは、〇時~〇時までと、勤務時間が定められているAパターン
この場合、定められている時間はあくまでも「勤務中」です。毎日の業務報告を義務付けていたり、リモートワーカーの顔が見えるようインターネット電話サービスのシステムを導入して、オフィスと常につながっている状況を保っている企業もあります。

この働き方は、リモートワークとはいえ、時間拘束をされている分、自由度は低いです。
しかしながら、コミュニケーションの観点から見れば有効。「相手の状況がわからない」「不明点をその場で確認できない」「やり取りにタイムラグがある」といった、リモートワークのデメリットを最小限に抑えられるからです。
自社社員の在宅勤務制度を取り入れている企業でよくあるパターンとも言えます。

コミュニケーションが難しいのは、もうひとつの働き方の場合です。
それは、制作物の納品を受注するBパターンです。
フリーランスのデザイナーに多い働き方とも言えるでしょう。

この場合は、締め切りまでに指定された製作物を完納すればよいので、何時間働かなければならない、といった時間的拘束はありません。
そのため、自分で「いつ働くか」を決められます。それこそ、深夜でも早朝でも。自分が効率よく働ける時間に作業ができるので、ストレスも少ないでしょう。
また、「仕事」の合間に、家事や子どもの世話など、プライベートな事柄を差し込むことも可能です。

このBパターンの働き方は、定時勤務であるAパターンのリモートワーカーに比べて断然、自由度が高い。
一方で、相手の状況が見えないため、丁寧なコミュニケーションが必要になります。

今回の連載では、このBパターンに従事するリモートワーカーさんにむけて、お話ししていきます

コミュニケーションの基本はチャットが便利

リモートワークで最も効率のいいコミュニケーションツールはチャットです。
「チャット」と括りましたが、サイボウズに代表されるような「グループウェア」でもいいでしょう。

これらは、まず、メールのように件名を入力したり、本文にあいさつ文を入れたりといった“ひと手間”が省けます
また、最初に“グループ”を作成して活用すれば、メール送信時でのCC漏れというミスも起こらず、誰がどういう状況にあるのか、チーム全体で把握できます

メールは、「メールのマナー」といったものがはやり存在しており、正式さを求められるもの。日々の作業におけるコミュニケーションで利用するのには不向きです。
正式な依頼ややりとり、あるいは、先方からメールを使うよう指示を受けた場合以外は、チャットを活用して、効率よく作業ができるようにしたいものです。

情報量が限られる文字でのコミュニケーション。誤解を防ぐためには?

しかし、どんなに便利なツールを使っても、文字でのコミュニケーションは、実際に顔を合わせて仕事をしているときよりも伝わる情報量は格段に少なくなります

たとえば、相手のそのときの状況。
別の案件でトラブルを抱えてイライラしていたり、急いでいたりといったことがあったとしても、こちら側ではわかりません。逆もしかりです。

それなら、チャットでミスコミュニケーションが発生しそうな場合は、電話をかけてしまえばいい、と思うかもしれません。
しかし、これもまた、難しいのです。

「今、チャットでやりとりしているのに、どうしてわざわざ電話してくるの? 面倒くさい」と思う相手もいます。
また、ビジネスの場では、意外と「電話で話せない状況だから、チャットで連絡しているのに!」という場合が多いです。
移動中、会議中、秘密の場所での作業中――。

とくに、意図が読み取れず、ただ、感じの悪さだけが受け取れる文章が届いた直後には、電話は控えたほうがよいでしょう。このような場合、送ってきた相手は冷静さを欠いていることが多いからです。
しかも、電話は記録が残りません。言った、言わないのトラブルが発生することも。思わず電話したくなるかもしれませんが、大切な用件ほど、文字でやり取りするほうが確実です。

特に注意が必要な「至急」という言葉!骨髄反射で対応せず、具体的な期日を聞きだし優先度を決める

リモートワーカーが作業をする上で押さえておかなければいけないポイントは、まず「期限」と「優先度」です。
いくつも抱えている仕事の中で、「至急」と書かれている案件があるならば、それは今日中なのか、今日の何時なのか。具体的な期限を聞くことで効率的に仕事の段取りができ、クライアントに迷惑をかけずにすみます。

もちろん、自分の手が空いていて、数分でできる作業なら、対応できてしまうこともあるでしょう。
それでも、締め切りを聞くことが大切です。
なぜなら、「至急とさえ書けば、すぐに対応してくれるから便利」と相手に思われてしまうからです。

ひとたびそういう立場になってしまうと、本当に至急の対応ができない場合に、交渉ができなくなります。
結果、すぐにやらなければいけない(かもしれない)作業が山積みになって、どれから手をつけていいのかわからないという状況にもなりかねません。

こういうことを防ぐためにも、具体的な期限を確実に把握する習慣を身に着ける必要があるのです。

 

最終的に何を求められているかの「ゴール」を明確にしておくことも大事

もうひとつ、リモートワーカーが大切にすることに「ゴール」の明確化があります。

たとえば、修正、訂正の依頼を受けた際にも、ちらからのメッセージの投げ方で、その後の進め方が大きくかわってきます

出てきた指示に対し、「ピンとこないな」と思っても、そのまま伝えたのでは相手も対応のしようがありません。
とはいえ、「あなたの指示はあいまいで作業を進められません。わかりやすく説明していただけますようお願いいたします」という書き方もよろしくありません。
言い回しはていねいですが、相手をカチンさせる文章です。

たとえば、ライターの場合なら「当初、お打合せさせていただいた構成にはなっているので、修飾語の使い方や文章のテンポを整えればよいでしょうか。それとも、テーマ自体を替えたほうがいいでしょうか…?」というように、こちらからのアイデア、提案を出してお伺いを立てるという気遣いが必要です。
こう書けば、相手も「そうじゃない、こうです」と一番問題にしていることを具体的に書きやすくなり、こちらも修正対応に余計な時間をかけずにすみます。

優先度と少し重なってしまいますが、クライアントが最終的に求めているのは何なのか(ゴール)、の理解も重要です。

チャットなら、クライアントの意図をオープンに聞き出しやすい

あるオウンドメディアの記事を執筆しているリモートワーカーさんで「書き直しの指示とともに、クライアントから参考記事のURLが送られてきた」と言っていた人がいました。
「最終的に求められているもの」が提示されたといえなくもありません。でも、これだけでは不十分です。
構成なのか、言葉の選び方なのか、文章のテンポなのか、それともまったく別の事柄なのか…。送り主が、その記事のどこを参考にしてほしいと思っているのか、こちらにはわからないからです。
こういう場合も、こちらから提案を出しつつ、お伺いを立て、意図を引き出す必要があります

また、「とにかく、早く、一回、上げてくれ。あとはこっちで直すから」というリクエストを受ける場合もあります。
100点の原稿にしようと、何度も何度も推敲を重ねるあまり、締め切りギリギリになってしまうよりも、70点で提出してもらい、指示を仰がれたほうが助かる、と考えている人も少なくありません。

ライターに限らず、クリエイティブな仕事全般に言えることですが、最終的にはクライアント側の感性に合致しているかどうかが最重要ポイント。自分の頭だけで考えていると、広がらない場合もあります。
悩んだら、ひとりで抱えずに、チャットで情報をオープンにして、指示やアイデアを仰ぐという姿勢も、リモートワーカーには必要なスキルです。

ひとりで仕事をしていると思いがちですが、パソコンの先には頼れる人たちがいる。チームがある。そういう気持ちで仕事に取り組んでみてください。

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