その情報は本当に「正確」か?ライターが改めて確認したい「情報の取り方」

ここ数年、デマや誤情報によるSNSでの炎上が目立つようになりました。最近でも怪しげな医療情報のトピックが話題になり、施術を受けた著名人が寄稿した過去記事などが掘り起こされて大炎上していたかと思います。文章を書いて世の中に公開する以上は「正確な情報」を伝え、内容に責任を取ることが求められます。今回はそんな「情報の取り方」に関して改めて、しっかりと考え直してみたいと思います。

少し立ち止まり「情報の取り扱い」について考えるべき

主にWebライター向けとして、「正しい情報の取り方」を確認しましょうと言ったことで進めていきますが、正直なところ「正しい情報」を得るにはコストも時間もそれなりにかかるのは事実なところです。単価の安いWeb媒体に寄稿している人などは「割にあわない」と感じてしまうかもしれません。

しかし、情報の手に入れ方を知らなかったり、執筆対象に対して無知なまま仕事に臨んでしまえば、気付かぬうちにフェイクニュースや悪意ある情報を拡散する手助けをしてしまう可能性があります。

上述の医療情報は極端な例ですが、例えば「○○で絶対行きたい観光ポイント○選」と言ったありがちなキュレーション記事も同じです。虚実や間違った情報を記載をSNSで突っ込まれ、炎上してしまう可能性はおおいに考えられるでしょう。
記事の掲載責任を負うのはメディアかもしれませんが、数々の炎上を見ていると、ライターも等しく燃やされている印象です。

そのため、正確な情報を得ることはリスク管理になります。また、「ここまで調べたけど、わからなかった」という結論だとしても説得力が段違いです。

では具体的に調べ物をする時には、どのように情報を見つけていけばよいのでしょうか。

Google検索やWikipediaは有用だが、それだけでは調べた事にならない

ライターのほとんどはしっかりと調べた上で執筆を行っていると思いますが、中には「Google検索」や「Wikipedia」で調べた事をもとに、記事を作成している人もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、残念ながらこれだけでは調べたことにはなりません

もちろん、GoogleやWikipediaは「超」がつくほど有用なのですが、逆に言えば、実用的な情報と同じくらい間違いやデマがあふれています。そこで「その情報は果たして正確なのか?」と言う、エビデンスやジャッジが必要になります。

手に入れた情報の正確性を確かめるためには、まず、その「出どころ」を見つけなければいけません。ネット記事を引用したものか、あるいは書籍をソースにして書かれたのか、状況は様々ですが、いわゆる「元ネタ」にあたってみることが何よりも重要です。

情報の「元ネタ」にあたるにはどうすればよいか?

ネット記事が引用された場合、元ネタはリンクをたどればわかります。できれば「元ネタの元ネタ」までしっかりと追求することが正確な情報を得るコツです。
逆に言えば、データを出しているが引用元が不明であったり、引用元のデータを都合よく解釈しているような情報は参考にしない方が懸命と言えます。

書籍や新聞記事などがソースとされている場合は、購入も一つの手ですが、それぞれ予算の問題もあります。そんな時に重宝するのが図書館や、雑誌などがアーカイブされている機関。この手の話は『調べる技術』を解説する本には必ずと言っていいほど書かれている方法ですが、それだけに王道であり、鉄板のやり方ですしコストにおいても最小限ですみます。

図書館の数や規模に関しては、大都市と地方でやや格差はありますが、国立国会図書館の「遠隔複写サービス」などの利用で、地方でも手軽に資料を取り寄せることができます。くわしい利用方法などは、「国立国会図書館 遠隔複写サービス」をご確認ください。

さらに「元ネタ」だけではなく、周辺資料も参照するのがオススメです。ここでは、実際に図書館に行き関連資料を読み込みます。ざっとでもいいので外枠をさらっておけば、次のステップで大いに役立つのです。

司書やレファレンスサービスを活用する

情報というものは、調べれば調べるほど疑問がわいてくるものです。そこで活躍してくれるのが、図書館に勤務している「司書」です。司書に関しては頻繁に相談する人と、まったくと言っていいほど相談していない人の差がかなり激しいかもしれません。

しかし、個人的には「絶対に」活用した方が良いと言い切れます。と言うのは、「○○の情報を探していて、○○な資料を探している」と伝えれば、的確な蔵書を探してくれ、その図書館にない場合は別の場所を紹介したりしてくれます

まずは自分で探すと言う事はもちろんですが、どうしても検索能力の限界もあり、思考も偏っている場合も少なくありません。司書に相談する事は、正確な情報を得るための手段として最良の一つだと言えるでしょう。「レファレンス」に関しても詳しい情報が載っていますので、「東京都立図書館 わかる! レファレンス(調べ物相談)」を参照してみましょう。

また、図書館によってはオンラインや電話、FAXなどでもレファレンスサービスを受け付けていますので、現場まで行く時間がない場合は積極的に活用するのも手です。

図書館以外にも「情報をとる方法」はいくつもある

公立の図書館以外にも、情報をとる方法はいくつも存在します。
例えば、公益財団法人大宅壮一文庫「大宅文庫」は、約1万2000種類の雑誌が80万冊も所蔵されていて(2019年4月現在)、ライターはもちろん、マスコミ関係者などにも長年重宝されており、資料は観覧や複写が可能です。

また「Web OYA-bunko」と言うWeb検索も充実しており、明治時代から最新の記事まで539万件の雑誌記事索引を収録。当時の流行や出来事に対する世間の反応、メディアの扱い方などを調べる時にはとても役に立ちます。国立国会図書館と同様に、大宅文庫でも「資料の複写・配送サービス」を行っていますので、地方の方もぜひ気軽に利用してみることをオススメします

政府や信頼のおける機関などが出している統計も情報の裏をとったり、信頼性を高めるために役立ちます。
例えば「総務省統計局」では、国勢調査から経済関連の統計を参照でき、政府統計ポータルサイト「e-Stat」では、さらに様々な統計結果が観覧できます。

ネットで使われる数字を見る時は、必ず参照元を確認、信頼できる機関の情報にあたり裏をとることで、より質の良い情報を手に入れられます。そして、出どころが違う複数の情報においてのを突き合わせも重要な確認事項です。

調べたことをもとに、情報の「取捨選択」をする

上述の内容は調べ物の「キホンのキ」であり、集めた情報を精査した上で取捨選択することで、はじめて執筆に取りかかることができます。もちろん、ネットや図書館などにあたるだけではなく、関係者や有識者への取材なども重要な要素です。長くなってしまうので詳述はできませんが、資料を合わせて情報の精度を上げるためには必要不可欠です。

情報の出どころを探り、一次ソースまであたるのは面倒な事なのは事実です。しかし、本来「書く仕事」はそれくらいやって、ようやく入り口だと言えるのです。

ですが単価が低く、数をこなさなければいけないような仕事では、じっくり調べるのも困難。そんな時はどうやったら効率よく必要な情報をとれるかに重きをおいて、上述の方法を活用しましょう。

まとめ

今回紹介した方法は初心者向けにはなりますが、情報に関してはフェイクニュースや出どころの怪しい情報がバズってしまいがちな現在だからこそ、初心者・ベテランを問わず、改めて考えなければならないことです。
情報があふれる時代だからこそ、世の中に「的確」な情報を発信して読者の「役に立てる」よう、情報のとり方について考え直す時期に差し掛かっているのではないでしょうか。

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