Webライターは正しいSEO知識をもっていないと「いい記事」が書けません。特に編集部と関係が希薄になりがちな在宅業務のフリーランスWebライターは、常に自身でSEO知識を「アップデート」していかなければキーワードとは内容がかけ離れている、もしくは情報が古いなどの状況に陥ることになります。今回は、正しいSEO知識と検索上位に上がる記事のポイントについての基本を紹介します。
目次
■SEOの原理とは?
SEOとは皆さんもご存知の通り、Search Engine Optimization(サーチ・エンジン・オプティマイゼーション)の頭文字を取ったもので、日本語では「検索エンジン最適化」と表現されます。「Yahoo!」や「google」を代表とする検索エンジンなどで、ユーザーが検索をかけた時に自分のサイト記事が上位表示されるように調整することです。
検索エンジンは一定のアルゴリズムによって記事を抽出しているので、そのアルゴリズムに沿った記事作成をすればおのずと上位表示される、ということで、アルゴリズム解析を専門に行う業者もあるほど。
しかし、検索エンジンのアルゴリズムは日々細かい調整が行われ、およそ3か月に1回はアルゴリズムの見直し・刷新をしていると言われていて、せっかくアルゴリズムを分析してSEO対策の改善をしたにも関わらず、次のアルゴリズム変化で再び記事のPVが落ちる、といったケースも多々見受けられるのです。
■SEOとフェイク問題
検索エンジンの上位表示だけにこだわり、SEOを正しく扱わなった場合は大きな問題も発生します。過去にあった「WELQ」問題はまさにその例で、きちんとした取材もエビデンスもない不確定な情報を大量発信していたために閉鎖へ追い込まれました。
さらに今、「フェイクニュース」というワードが話題となっています。
フェイクニュースとは文字通り「虚偽報道」のことで、マスメディアだけではなくソーシャルメディアなども含み「事実と異なる情報を報道」すること、またはそういった「メディアそのもの」を指します。
WELQは医療情報サイトであり報道メディアではないので「フェイクニュース」とは言えませんが、言ってみれば「フェイク記事」です。上位表示させるためだけにつくられた(=PVを上げて広告費を稼ぐ)と言った「フェイク記事」は、発見されれば当然、大きな非難の対象になるのです。
■過去によく行われていたSEO対策
各検索エンジンのアルゴリズムに関して具体的な内容が公表されることはないですが、特にライティングへ関わるところで、一般的なSEOとして「検索キーワードに応える記事にする」、「記事内容を検索エンジンに伝わりやすく構成する」というふたつがあります。
これにより、かつては「記事文章内に該当キーワードを〇回以上入れる」といった手法が当たり前のように取られていました。これは、ユーザーとして読んで気付いた人も多いかもしれません。
例えば、iPhone新製品についての記事を例にあげてみましょう。
iPhoneの新製品が発売されました。これまでiPhoneの新製品は毎年発表されてきましたが、iPhoneの新製品の発表会は今年も行われる予定です。この記事ではiPhoneの最新情報を、iPhoneの予約開始日、iPhoneの特徴や価格など、最新iPhone情報としてまとめていきます。
といった具合です。
日本語の文章としては、とてもまどろっこしく読みにくいですよね。
しかし「検索キーワード」がより多く入っているとアルゴリズムが拾ってくれる、むしろ、こう書かないと拾われない、とまことしやかに言われていた時代もありました。でも、現在では日本語の文章として「正しさ」というものも採点されており、必要以上に検索キーワードを入れ込んだ記事は逆に落とされる、と言われるようになっています。
■検索上位のために、現在やるべき「SEO対策」とは?
では、どうすればいいでしょうか。
「検索キーワードに応える記事になっているか」というこのアルゴリズムは、ユーザーにとって有益なページであるかどうかの判断です。つまり、自分の記事の検索ランキングを上げたければ「ランキングを上げる」という考えを捨てて、ひたすら有益なページ(内容)を作ることに注力すべきといえるでしょう。
よく、アルゴリズム対応に右往左往させられている人たちが「シルバーバレットは存在しない(=どんな状況でも通用する万能策はない)」という言葉を使いますが、まさにその通りなのです。
上記のiPhone記事にしても、ドメインの強さも含めて、検索上位にくるのは公式サイトであり、iPhone販売店です。そこには書かれていない内容で勝負するためにも、「ユーザーにとって有益なページは何か」を考える必要が出てくるのです。
その上で、「記事内容を検索エンジンに伝わりやすく構成する」という部分で言うと、記事内に記事と関係ない内容が多く盛り込まれていると「悪質な記事」と判断され、はじかれるとも言われています。
これは「タイトル」と「h2」、および「h3」 における親和性の重要性を表しています。
例えば、マネーの記事でタイトルが「家計簿診断」なのに不動産物件が紹介されている、投資情報のボリュームが大きかったりすると、検索エンジンには家計簿診断について書かれている記事と認識できないということです。
つまり、「タイトルに沿って忠実に書く」ことが重要なポイントであり、「タイトルの付け方」にもテクニックが必要であることがわかるでしょう。
よく言われているのが「タイトルには、ユーザー検索する時に入力する言葉を使う」で、「シンプルに完結でわかりやすく」が求められてきます。ここに関しては、紙媒体ともっとも違う点と言ってもよいかもしれません。
ドラマチックなタイトルはライターの力の見せどころですし、ダイレクトにサイトへ訪れるユーザーには効果的です。しかし、オーガニックのPVを高めたければ、検索キーワードに注目すべきなのです。
■まとめ
今、ほとんどのユーザーが記事にたどり着くために「検索エンジン」を利用しています。そのときに、検索上位(できれば、1ページ目の10件以内、最低でも3ページ以内の30件以内)に入らなければ、せっかく書いた記事も誰の目にも止まることなく、深い情報の沼に沈んでいってしまいます。
コンテンツの目的はその先のコンバージョンにつなげることですが、そもそもそのページにユーザーがたどり着かなければ意味がありません。
その点では、フリーランスのWebライターにとっては必須のスキルと言えます。