実態調査

《クリエイターの仕事満足度調査⑥》自由な働き方ができるって本当?フリーランスに必要な能力とは

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フリーランスクリエイターの実態

こんにちは。クリエイターワークス研究所(CWL)のまるこです。

クリエイターなら、一度は『フリーランス』という働き方に憧れたことがあるのではないでしょうか?
今回実施した仕事満足度のアンケートでも、『フリーランス・個人事業主』が81.7%と最も高く、働き方として満足しているクリエイターが多いようです。

このように見ていくと「フリーランスなら自由に働けそう!」と捉えてしまうかもしれません。
ちなみに、フリーランスについて、経済産業省が2021年に公表したガイドラインではこのように表しています。

フリーランスとは、実店舗がなく、雇人もいない自営業主や一人社長であって、 自身の経験や知識、スキルを活用して収入を得る者を指す

フリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドライン(2021年)経済産業省

その言葉通り、フリーランスは基本的に自分で何でもやらなくてはならない働き方です。
例えば、デザイナーならばクリエイティブワークだけでなく、当然請求・事務処理なども全て自身で行わなければならなくなりますし、会社員時代では代表、プロデューサー、営業さんが対応してくれていたような案件獲得・交渉事も必要に応じて自身で対応しなければなりません。

では、現在第一線で活躍中のフリーランスクリエイターはどのくらいのキャリアを経て独立したのでしょうか?また、具体的にフリーランスはどんな能力が必要と考えているのでしょうか?

今回はフリーランスクリエイターにフォーカスし、満足度の高い要因やフリーランスとして活躍するためのヒントを探っていきたいと思います。

Contents

フリーランスクリエイターの転職回数『3回』がトップ!『自分のペースで仕事ができる』ことが魅力

まず、今回回答いただいたフリーランスクリエイターの属性は30~40代の方が75.4%を占めています。さらに、職種は多岐にわたりますが、グラフィックデザイナー、Webデザイナーの方からの回答が多く集まりました

フリーランスになる前の転職回数(会社員経験)について聞いてみました。

会社員経験なしでフリーランスになったクリエイターも4.3%いるようですが、1~5社ほど実務経験を積んでからフリーランスとして独立しているクリエイターが83.2%であることが分かりました。

さらに、数社の会社員経験を経た後になぜフリーランスという働き方を選んだのか?についても聞いてみました。

ここまでのデータを見ていくと、まず会社員としてビジネスマナーを身につけ、失敗・成功体験で自信や実績を蓄積していった結果、新たなチャレンジとして「自分のペースで、自分のやりたい仕事」をするためにフリーランスとして独立するケースが多いようです。

ちなみに、雇用形態別で年収についてもアンケート調査も行いました。
フリーランスで年収幅が最も多かったのは『200~250万円未満』でしたが、700万円以上の年収層では、正社員よりも多く稼いでいるクリエイターもいるようです。

参照:《クリエイターの仕事満足度調査②》【雇用形態別/年代別】2022年イマドキのWeb/グラフィック系クリエイターの平均年収はどれくらい?

フリーランスとして満足度の高い状態でいるためには、デザイン以外の多角的なスキルが必要

続いて、現在活躍中のフリーランスクリエイターに、今フリーランスになって良かったことについて聞いてみました。

やはり『自分のペースで仕事ができる』ことに大きなメリットとして感じているクリエイターが多いようです。さらには、「人間関係にストレスを感じなくなった」という声も

このデータだけ切り取ってしまうと、やはり見方によっては「フリーランスって本当に自由そう♪」と捉えられてしまう恐れがありますが、上記のような働き方ができるようになるためには、幅広い能力が必要です。

というのも、現在活躍中のフリーランスクリエイターに「フリーランスに必要な能力」について、特に必要と感じている能力を3つ選択していただいたところ、以下の通りになりました。

『コミュニケーション能力』が圧倒的にトップですが、「雇人もいない自営業主や一人社長」であるフリーランスの特性上、その他の項目もいずれも必要!と感じているクリエイターが多いようです。

面白いのは、今回回答いただいたクリエイターの職種は『グラフィックデザイナー』『Webデザイナー』が42.7%を占めるのにも関わらず、『デザイン表現力・創造力』は24.6%にとどまっているということ

これはどういうことなのでしょうか?

デザイナーは美しいモノやきれいなモノを作れて当たり前

以前CWLのウェビナーにご登壇いただいた株式会社フレーム代表の石川竜太さんがデザイナーの勝ち残り方について、このように仰っていました。

株式会社フレーム×クリエイターワークス研究所
「デザイナーが成功するための【アウトプット術、キャリア設計、ビジネス戦略】とは?」オンラインイベント実施報告

「デザイナーであればきれいなモノが作れて当たり前。だから、デザイン以外のことをがんばる」

石川さんのこの言葉は会社員のデザイナーにも通じる内容ですが、フリーランスは『個人』の力で勝ち残っていかなければならないため、より意識していかなければならないことのように感じます。

そして、このような幅広い能力を発揮できているクリエイターほど、フリーランスという働き方に満足しているのではないでしょうか。

まとめ

以上、今回はフリーランスのについて紐解いていきました。
「いつかフリーランスとして独立したい!」と検討されている若手クリエイターや、現在ご活躍中のフリーランスの方にとっても参考になれば幸いです。

・フリーランスクリエイターの満足度は81.7%とかなり高い

・フリーランスとして独立するまでにする転職回数は平均3回

・『自分のペースで仕事ができる』ことに大きなメリットとして感じているクリエイターが82.6%

・フリーランスクリエイターにとって最も重要な能力は『コミュニケーション能力』


・デザイナーが勝ち残っていくためには、デザイン以外のことをがんばる

前回の調査報告(クリエイターの仕事満足度:労働時間)はこちら

https://www.y-create.co.jp/CWL/?p=2324
https://www.y-create.co.jp/CWL/?p=2301
https://www.y-create.co.jp/CWL/?p=1851
https://www.y-create.co.jp/CWL/?p=1558
https://www.y-create.co.jp/CWL/?p=1538

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クリエイターワークス研究所では、『クリエイターの「はたらく」の実態・課題をニュートラルに発信するメディア』として、クリエイターを対象としたアンケート調査を定期的に行っています。
今回の『クリエイターの仕事満足度』調査では、以下のテーマで46問の構成となるアンケートを実施し、411名のクリエイターから回答を得ました。
・労働時間、残業時間
・年収
・副業
・フリーランスの実態
・転職事情
・仕事のやりがい・大変さ

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