【ロシア編】クリエイティブ目線で活躍する女性リーダー達に迫る!!

国際機関「Grant Thornton International」の研究によると、現在、ロシア企業トップの43%が女性で世界平均のおよそ3倍、女性リーダー数は世界第一位です。一方で、日本は最下位(20位)の9%という結果になっています。ロシアで女性が活躍する背景には、旧ソ連時代に確立された男女平等意識、祖父母の積極的な育児参加の社会的風習がありますが、それに加え、仕事も育児もバリバリとこなすスーパーウーマンぶりがあります。今回はそんなロシアで活躍する女性リーダーに迫ります。

ロシア女性の労働環境と日本との違いは?

1917年のロシア革命以降、ソ連が「男女同権」の方針を徹底させた結果、ロシアを含む旧ソ連諸国には女性経営者が多い傾向にあります。「ロシア女性は走る馬を止め、燃えている家に入る」という有名な詩人の言葉もあるほどで、昔から『独立心旺盛でとても気が強い』と言われています。

このように、仕事も家事にもパワフルなロシア女性ですが、日本のような残業三昧で休日なしと言うことはありません。残業は年間120時間までと労働法で定められ、基本的に残業をしない習慣です。

また、ほとんどの企業でフレックスタイム制が導入され、有給休暇が年間28日間(うち14日間は連続で取得)、さらに祝日などの公休日が33日(土日を除く)もあり、合わせて約60日もの休暇があります。

一方で日本は、有給休暇が最大で20日間ですが消化率が極めて低く、公休日も16日(土日を除く)と、大多数が有休を使い切るロシアと大きく異なっています。

さらに、ロシアでは『生きるために働け、働くために生きるな』という古い諺があります。仕事はあくまでも生活の手段で、『仕事優先』という感覚はありません。これは業種や働き方に関係なく、給料が同じだった共産主義国時代の意識が今だに根づいているせいかもしれません。

ロシアで最も有名な幼児教育教室『ベビークラブ』

第一のキーパーソンとなるエフゲニア・ベラノシェンコ氏は何と5児のママで、ロシア最大の幼児教育教室である『ベビークラブ』の経営者。現在、8ヶ月〜7歳までの子ども達が学び、75都市に240以上の教室と幼稚園、私立学校があります

彼女の教室が人気である秘訣は、何と言っても『ソ連式お教室』の基本を崩壊させたこと

ソ連式お教室とは「スパルタ詰め込み教育、親は蚊帳の外」という感じで授業内容をほとんど知ることはできませんでした。また、薄暗い建物で質素な教室には先生がいつも清楚なワンピースでおり、小学生以上を対象とした教室が多く未就学児は門前払いでした。

現状に捉われない「発想」とオープンな姿勢

彼女は『就学前児童発達への投資は、あらゆる教育で最大のROI(投資収益率)をもたらす。むしろ、一番伸びる時期に教育を積極的にすべき』と提言しました。

そんな彼女の教室はソ連式とは真逆で、デザイン会社に勤務していたという彼女自身がデザインした、ビビットでカラフルな色使いの一見遊び場のような教室です。さらに、服装もTシャツGパンという極めてカジュアルで小さい子供がより馴染みやすくなっています。

今までの閉鎖的なお教室とは異なり、全教室にカメラを設置。子供の様子が見られる待合室も完備、保護者は紅茶を飲みながらリラックスして待機できるようにしました。またオンラインチャットで、授業の様子を写真付きで頻繁に報告してくれるサービスもあります。

親と教師が協力しあって進める教育、そして、そのオープンな姿勢が現代の教育に関心を持っている母親達に支持されたのです。

彼女はSNSにおいて、母として経営者としての考えを常に発信しています。そのことから仕事・家族・自分、すべてを大切にしたいと悩む親達にも支持されています。自分の人生や仕事、また教育を新しく創り出す彼女は、クリエイティブ面での発想を大切にし「デザイン」の本質的な部分、いわゆる「コト(体験)」のデザインを実現しています。

ロシア宅配食材トップを走る『ウージンドーマ』

ロシア労働社会防衛省の調査によると、15歳以上のロシア女性就労率は60.1%と高く、モスクワでは、共働き家庭の食事の選択肢として便利な宅配食材『ウージンドーマ(お家で晩御飯)』に注目が集まっています。

調理は簡単で一流レストランのような見た目、そんな夢のミールキットサービスを誕生させたビジネスウーマンこそが次のキーパーソン、エレーナ・チャゾワ氏、弱冠26歳です。公式広報によると、現在1週間に500〜800 セットを配達、年間9千万ルーブル(約1億5千万円)を売り上げています。

2014年から始まったこの宅配食材サービスは、レストランで出てきそうなメニューながらもすべてのレシピが30分位内で完成、シンプルで気軽です。平日5日・2名分の晩御飯が4種類のコースから選べ、全コース平均3000ルーブル(約6000円)ほどです。約6000円で平日の晩御飯がすべてカバーできます。

使う人に最大限に寄り添ったサービス

人気の秘訣は、とにかくストレスフリーで手間いらずなこと。材料以外で調理に必要な焼き型など、準備するものは一切ありません。

また、すべてのレシピが写真とイラストで説明されており、誰でもできるクリアさとステップバイステップの説明です。さっと見るだけで理解可能で、そのシンプルさ故に『子供でも30分以内に作れる』という話題で、子供でもお手伝いしやすく食育の面でも役立ちます。

作る人の状況を考えたメニューで煩わしい工程が一切なく、忙しい夕食時の時間に「料理を楽しむ」事ができます。また、簡略化されたレシピは後で自分でリピートがしやすい点も人気のポイントです。

さらに食材も人数に合わせた分量で届けられるので、世界中で問題となっている食品ロスも防げます。

配慮と細やかなレスポンスも徹底

さらに、このウージンドーマは「配達問題」へ積極的に取り組みました。ロシアではまだ配達日が選べず、届かないことすらあります。そんな中で配達日のみならず、配達時間も午前と午後から選べるようにしたのです。顧客からは「その誠実さに、感動すら覚える」と高い評価を受けています。

さらに注目されている点は、オープンでクリアな「企業姿勢」。SNSで社内や社員たちの仕事を公開、通常は見られない企業の裏側までも公開しています。これは、社員のモチベーションアップはもちろん、消費者の信頼と安心感を与える結果になっています。

そして、彼女自身へのSNSによる直接質問を受け入れ、彼女からのレスポンスは非常に早く返信率も何と100%。企業と個人がつながるチャンスを作り、ただの宅配食品ではない「パーソナライズ」されたサービスで顧客の心を掴んでいるのです。

彼女は、等身大のアラサー女性として忙しい中での趣味、例えば、好きな演劇を習う様子や姿勢を正すために姿勢矯正レッスンへ通う様子をSNSで公開。ボランティア活動にも積極的で、仕事をしながらでも色々学べる、むしろ今こそ学ぶべきという考えを自身で示しています。仕事も私生活も全力の姿勢が、働く女性や同世代の女性達から広く支持されています

仕事とプライベートをわけることが成功の秘訣

今回の女性2人は好きなことを仕事にしていますが、それ以上にプライベート(家族)と仕事をしっかりわけている点がポイント。むしろ、プライベートの充実が『アイデアの源』になっています。

このように、プライベートの視点からも新しいデザインや発想の元をインプットしているが故に、自分の好きなこともビジネスに転換できているとも言えるでしょう。

そして、デジタルツールを利用してSNSマーケティングも取り込み、仕事以外にも生活スタイルをSNSで公開し、新しい女性リーダー像のあり方として提示しています。女性ならではの細やかなレスポンスやSNSでのプライベートな発信が彼女達の存在を身近に感じさせています。
また、顧客の生の声を積極的に受け入れ、企業側から見えなかった部分もすぐ現場に落とし込む柔軟さも大切な秘訣です。

次回は、体とデザインを美しく導き、自身も輝くアメリカの女性リーダー達に迫ります。

ママさんクリエイター向けの求人あります

ユウクリは「クリエイターが社会を元気にする」という企業理念に基づき、子育てや介護といった重要な役割を持つクリエイターにより活躍できるフィールドを提供するために、『マイクリ』を立ち上げました。

『マイクリ』では、例えば「時短で働ける正社員求人」などを通して、ママさんクリエイターのキャリア支援を行っています。

・保育園に子どものお迎えに行ける【時短の正社員求人】
・年収が103万円/130万円以内に収まる【扶養内で働ける求人】
・家事やフリーランスと並行できる【週4日以下の派遣求人】

といった就業条件の求人もあります。ご興味のある方はぜひご相談ください。

また、未記載の求人でも、ご希望に合わせて条件面の調整を行うことが可能な求人もあります。
まずはご希望条件をお伺いしてからのご調整・ご紹介も可能ですので、その場合は、仮エントリーからのご登録をお願いします。
仮エントリーはこちら

『マイクリ』の詳細はこちら


求人の一覧はこちら

SNSでもご購読できます。