海外のクリエイティブ事情~スペイン人は日本が大好き!でも誤解も多い?街で見かける“日本”を題材にしたユニークな広告

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日本のマンガやアニメの影響もあってか、日本への憧れや興味が強いスペイン人。そうした背景からか、街中では日本を題材にした広告を見かけます。しかし、よくよく見ると、「日本のことを実は知らないのかも……?」と思えるようなものも多いです。そんなスペインで見かけた日本をイメージさせる広告について紹介します。

 

他国には無関心なスペイン人が日本に興味を抱くワケ

ヨーロッパ諸国の南に位置するラテンの国スペインは、家族・恋人・サッカーに対しての情熱度の高さは世界トップレベルと言って間違いないでしょう。
仕事はぼちぼち、有給100%消化は当たり前で家族や自分の時間を大事にするほか、超朝食・朝食・昼食・夕食・夜食と1日5回の食事、昼食後のお昼寝(シエスタ)、夜は午前2時以降という独特な考え・生活リズムを持っており、この国のルールを知らない人は旅行に来て驚くことも多いと思います。

愛国心が強く独創的な考えのスペイン人は、他国に対して比較的無関心。しかし、アジアにある小さな島国「日本」には誰もが好印象を抱いています。
その理由のひとつとして、多くの人が幼少期に日本のマンガを読んでいることが挙げられます。マンガの中で日本の生活や食文化を上手に表現していることから、日本に対しての知識は割と高く、興味を持っており、憧れも抱いています。

 

日本と聞いて思い浮かべるものは「寿司」!

日本への憧れ、興味関心が強いスペイン人。そのためか、街の中でも日本を題材とした広告をあちこちで目にします。

とにかく見かけることが多いのが「寿司」です。スペインでは代表料理パエリアがそうであるように、海鮮ものは料理によく使われます。新鮮な魚の確保ができるためかスペイン人は生魚を好む傾向にあり、寿司は大人気です。

ある銀行の広告も「寿司」がテーマとなっていました。携帯とミニチュアの寿司が可愛らしくデザインされています。

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「TU MÓVIL TE RESERVA MESA CON TUS AMIGOS, Y CON TU MÓVIL PONES PARTE DE LA CUENTA」
「友達との会食の予約も支払いも携帯ひとつで!」

日本酒の熱燗やしょうゆにわさび・店看板のちょうちんも細かく描かれていますが、一番後ろの龍はなんだか中国と混ざっているようにも感じます。

 

これが寿司? それでもスペインでは大人気

首都マドリードには、なんと約150件もの寿司レストラン(混合和食レストラン含む)があると言われています。
日本人が経営しているしっかりとしたレストランは高級店として扱われ、あまり庶民的ではありません。一方、気軽に入れるお手頃価格の寿司レストランも結構見かけますが、それらの大半は中国人が経営しています。

やはり、日本人が経営していないためか、メニューに出てくるのは日本人から見ると違和感のあるものばかり。とは言え、日本が大好きなスペイン人にとっては、これでも十分魅力的な「日本食」に映るらしく、日本語(アルファベット表記)と写真を店頭に用意すれば集客効果は抜群。

寿司5巻が「SASHIMI(刺身)」、揚げロール巻が「TEMPURA(天ぷら)」まではまだいいのですが、手巻き寿司の写真の下には「TAMAKI」とあり、おそらく「TEMAKI(手巻き)」のミスなのでしょうが、飽きれることにこれで通用してしまっています。

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日本をイメージさせるビジュアルで宣伝すれば売れる!?

あるスーパーマーケットで見かけたのは、和傘を持った着物女性が写った広告です。日本料理の紹介かと思いきや、寿司はあるのですが、アジア料理全般の販売コーナーの宣伝広告でした。
日本をイメージさせるビジュアルを使うことで、スペイン人の心を掴むことができ、商品そのものの価値も高められるという計算が見え隠れします。

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やはり日本のアニメ・マンガは魅力的、かつ根強い人気を誇る

街の中には、日本のアニメキャラクラーを表示した店や品物もたくさん見かけます。

あるアートギャラリーで見つけた広告にも日本を題材としたものが使われていました。
日本男児が「神風」の鉢巻をした絵となっていますが、背景は旭日旗(きょくじつき)です。歴史に強い人を除いて、日本の日の丸旗と旭日旗の違いを認識しているスペイン人はほんの少数派でしょう。

 

最後に

こうした広告や看板を見ていると、スペイン人が日本をひいきにし、日本が大好きであることは伝わってくるのですが、少し誤解もあるのか、イメージだけが先行してきちんと理解できていないというのが実情です。しかしながら、独特な文化を持つ遠く離れたアジアの小さな島国がこんなにも愛されていることに喜びを感じます。
私達日本人も、スペインの代表料理を「パエリア」と呼ぶか「パエーヤ」と呼ぶかなんて、それほどに気にしていないのと同じく、細かいことはさておき、その国のこと、その国の文化が好きであることが大事なのかもしれません。

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