【Meets Creative】ステキに出会う旅 Vol.2:design COIL 田中さん

【Meets Creative】ステキに出会う旅 Vol.2:design COIL 田中さん

建築系の専門学校を卒業後、建築事務所を皮切りに制作会社など数社を経験。スキルとキャリアのステージを確実にアップさせ、フリーランスへ転向。スポット派遣や業務委託でユウクリが参加した展示会のブースデザインを手掛けるなど、フリーランスとして充実した日々を送るクリエイターの田中さんにお話を伺いました。

建築事務所からスタートしたクリエイターの道

建築事務所からキャリアをスタートされた経緯をお聞かせください
-高校が大学付属の女子高でしたので、そのまま女子大に進むことも出来ましたが、英文科や国文科に進むのは何か違うなと感じていました。当時から家や建築に興味があったこともあって、建築系の専門学校へ進学し、そこで設計図を描くなどの勉強に励みましたね。卒業後、建築事務所に就職し、建築に関する知識や図面などのスキルを身につけることができました。

試行錯誤しながら実務でマスターしたIllustrator

その後新しいチャレンジとして転職をされていますが、どのような会社に入られたんですか?
-展示会のブースを作っている会社に就職しました。展示会などのブースデザインなどは、未経験でしたが「図面を描くのは一緒だし、やってみよう!」と思って入社しました。今までの職場はCADでしたから、ここで初めてブース作りに必要なグラフィック的な仕事に触れ、Adobeイラストレーターを使い始めたんです。なのでソフトのマニュアル本を読みながら実務の中で、レイアウトしたり使い方を覚えていきましたね。

転職のたびにスキルや仕事の幅を広げられた経験が財産

なぜ展示会のブースデザインからグラフィックの道に移行していったんですか?
-1社目の建築事務所では、新人ということもあったんですが、創造性溢れる何かを作るというよりは、図面に関する知識や経験は得られましたが比較的単純作業が多かった印象がありました。
 
-2社目ではまた違った角度から自分の経験を生かしつつも「こういうクリエイティブな世界があるんだ」と思いましたね。色々勉強させていただきました。ただここでも図面的な仕事が多く、よりグラフィックが多めになっていったのは3社目ですね。
 
-3社目でも図面の仕事もありましたが、「字詰め」に関することなど、もうちょっと専門的なグラフィックの仕事が増えましたね。仕事はグラフィック寄りにはなりましたが、私は「この道に突き進むんだ」というよりは、その時々で「出来ることをやってみよう」というタイプなので、転職するたび、会社に合わせて仕事の幅を広げていったという感じですね。

今までの経験を活かしてやりたかった仕事が出来るようになった

フリーランスになる直前まで勤められていた制作会社ではどんな仕事をされていましたか?
-4社目の制作会社ではよりグラフィック要素の多い企業に就職しました。販促物、POP、カタログなんかも作ってましたね。この会社はグラフィックメインの会社だったんですが、立体の仕事が来た時なんかは「それ私出来ます!」とか手をあげてました。昔やってた得意分野がこういう形で戻ってくるんだなと感じましたね。駆け出しの頃にこういう事がやってみたいと思っていた事に近い仕事が出来るようになったのは不思議だなというか、自然とそういう風になるんだなと思いましたね。

思い切って飛び込んだフリーランスとユウクリとの出会い

フリーランスになろうと思ったきっかけと、実際フリーになってみていかがですか?
-転職をいくつかしたこともあり、特に会社にずっと在籍することにはこだわりが無かったというのがありますね。いつかはフリーでやってみたいという思いは有りましたが、会社員の方が安定的な生活ができるとかメリットを考えるとなかなか踏み出せませんでした。でも、会社の中にいては、自分の思うように動けなかったり、あとは体力的にきつかったこともあって、働き方を変えたいなという思いが強くなっていったんです。
当初辞めてからしばらくは半分派遣、すきまでフリーランスみたいな感じで考えていましたが、知り合いからフリーになるならお願いしたいと、割とすぐ仕事の依頼をいただいたんです。初めからある程度フリーランスでの形が整いそうな事もあり、ユウクリさんに登録する時には業務委託をメインで登録をさせていただきました。

経験を活かしたデザインで感謝されるものを作る喜び

ユウクリの展示会のブースデザインをやるきっかけを教えて下さい。
-ユウクリさんから、EXPOに参加する際のブースデザインをしてくれるクリエイター募集というメルマガが届き、それに応募させていただきました。ユウクリさんは展示会のブース設計などについては不慣れという事で、細かいことも含め私にお任せしたいというご依頼でした。前年の展示会時の予算感を参考に、前回やりにくかった点などをあらかじめしっかり聞いていましたので、その点を意識しながら作りましたね。特に角のエリアを斜めにカットして、そこに会社ロゴを配置する事で、どの方向からでもロゴが目に入り、目立つような設計にしました。ユウクリさんはロゴマークを変えたばかりでしたので多くの人の目に触れて良かったと思います。また、その斜めの部分にストックを設けたので、スペースのロスもありません。荷物が取り出しやすいように扉も設置しました。ユウクリさんからは荷物が外にむき出しにならないし、大変使いやすかったと言っていただき嬉しかったですね。あとは、キーカラーのオレンジを使ったり、親しみやすく入りやすいデザインを心掛けました。

クライアントも自分もWINWINな関係を作っていきたい

現在はどのような感じでフリーランスのお仕事をされていますか?
-今はグラフィックと立体を半々くらいの感じで、あとは展示会などで使用する動画なども手がけ始めました。動画制作はフリーランスになってからやり始めたことなので、これからもっとチャレンジしていきたいなとは思っています。クライアントにとっても、展示会の図面も描ける、グラフィックなどのブース設計やツールも出来る、さらにムービーも作れるとなればあちこちに頼まないで完結できますよね。同じ方向ですべてが出来あがるという事はお互いにとってメリットが大きいと思います。

ワークライフバランスを充実させた、フリーランス生活

今後の展望をお聞かせください
-私の今までの仕事の経歴は、結果として繋がってはいるものの、何か一つのことを徹底的に掘り下げていくようなスペシャリスト的なスタイルではなく、その時々の流れに身を任せて必要なスキルを都度身につけるというやり方でここまできました。
なので、すごいカッコいいものをアーティスティックに作りたいというよりは「操作性がいい・見やすい・使いやすい」といった事を大切に、工業的にカッコよくてクライアントやユーザーにとって、便利に繋がるデザインが出きたらいいなと思っています。
あと、フリーランスになって、プライベートな時間が増えたのが嬉しいですね。スポーツクラブに行ったり、部屋の気になっていたところの掃除や料理をしたり。何でもない自由な自分の時間を楽しみながら生活しています。そういった気持ちの余裕や充実感がより良い仕事に繋がると思いますし、フリーランスの醍醐味でもありますね。これからも続けられるかぎりフリーランスとして頑張っていきたいです。

プロフィール|design COIL 田中さん

グラフィック・空間 デザイナー
建築系の専門学校を卒業後、建築事務所へ。その後何社かの転職を経験し空間デザイン~付随するグラフィックデザインへと経験の幅を広げる。フリーランス直前まで勤めていた有名制作会社には12年勤務し、アートディレクター兼グラフィックデザイナーとして活躍。現在はワークライフバランスを重視しつつ、フリーランスとして多忙な日々を送る。
Instagram:designcoil