【グラレコ 活用事例】株式会社ヤプリ

【グラレコ 活用事例】株式会社ヤプリ

株式会社ヤプリ様は、アプリ開発・運用・分析をノーコード(プログラミング不要)で提供するアプリプラットフォーム「Yappli(ヤプリ)」を提供しています。

プログラミング不要のため、これまでハードルの高かったアプリ開発が、誰でも簡単に開発できるようになります。導入企業は600社を超え、店舗やEコマースなどのマーケティング支援から、社内や取引先とのコミュニケーションをモバイルで刷新する社内DX(デジタルトランスフォーメーション)、バックオフィスや学校法人の支援まで、幅広い業界の課題解決に活用されています。弊社ユウクリでも「美大芸大就活ナビ」のアプリ開発・運営で利用しています。

同社は、Mobile Tech for All(モバイルテクノロジーで世の中をもっと便利に、もっと楽しくすること)をミッションに掲げており、ノーコードでアプリ開発の敷居を下げ、あらゆる企業がアプリを運営できることを目指している企業です。

今回の「ステキに出会う旅」は、ヤプリ株式会社マーケティング本部の松下様にセミナーでのアンケートの回答率を上げる効果的なグラレコの使い方についてお伺いしました。※グラレコとは?
また、今回グラレコを担当したグラフィックレコーダーの本園大介氏にもグラレコ自体が持つ魅力について話していただきました。

セミナーアンケートへのインセンティブとしてグラレコを配布

- まず貴社の事業について教えてください。

Yappliは、アプリ開発・運用・分析をノーコード(プログラミング不要)で提供するアプリプラットフォームです。

- 所属部署について教えてください。

マーケティング本部に所属しております。展示会やセミナー、オンラインのマーケティング広告など幅広い業務を行っております。

- ご依頼の概要について聞かせてください。

ユウクリさんへは、先日実施した共催セミナーがきっかけで依頼させていただきました。
※共催セミナーでは、オンラインでグラレコを実施

ヤプリは「Yappli Summit 2022」という年に一度の大規模なリアルイベントを開催しました。コロナ禍以降初めてのリアル開催となり、そのイベント内での施策の一つとしてセミナーのグラレコを依頼しました。「Yappli Summit 2022」は、弊社で最も注力しているイベントです。クライアント様からこれまで接点のなかった方々まで幅広くお招きし、全体では1000名を超えるお申し込みをいただきました。

2022年は、イベントコンセプトとして「&EASY(難しいことを、簡単に)」というテーマを掲げました。難しいことを簡単にすることで、社会をより良くしようと努めている、あらゆる分野の先導者たちをセミナーゲストとしてお呼びし、東京ミッドタウンで開催しました。グラレコは、その中の施策の一つとして、セミナーへ参加しアンケートを回答いただけた方へのインセンティブとして取り入れています。

ヤプリサミット3

同イベントは、ヤプリで開発されたアプリを使用していただくイベントでもあります。イベントへ来場されるお客様へは“ヤプリサミット専用のアプリ“を使用して、会場内でキャラクターを探したり、ポイントを集めたり、集めたポイントでくじを引いたりなど、会場での滞在を楽しみながら弊社に興味を持っていただける仕掛けを用意していました。

今回取り入れたグラレコも、アプリを通した施策となっており、セミナー参加者へは終了後すぐ、アプリからプッシュ通知でアンケートを送付され、さらにアンケートに回答してくださった方へ、アプリを通してグラレコが配布されるという仕組みになっています。

”視聴者が欲しいもの”としてたどり着いたグラレコ

- グラレコご依頼の背景にはどんな課題がありましたか。

オンラインセミナーの場合、主催側としては視聴者様の反応がわかりません。そのため、アンケートで視聴セミナーの感想を聞きたいという思いがあります。

しかしながら、単に「アンケートにご協力ください」と促すだけでは回答率は上がりません。回答することによって「何かしらのメリットが視聴者に発生する」「視聴者様が欲しいものを交換として渡す」ということが重要になってくるかと思います。基本的には「アンケートの回答率を上げる」ということが狙っている効果になりますが、その観点では、
グラレコを使うと使わないでは結構差があり、グラレコをプレゼントする場合、視聴者は積極的に回答してくれます。

ヤプリサミット

- セミナーアンケートでのインセンティブだと、動画のアーカイブや資料が多く用いられているイメージがありますが、なぜグラレコなのでしょうか。

弊社はセミナー開催頻度が高いため、視聴者へのアンケート回答インセンティブとして何が良いか、これまで色々と試してきました。モノのノベルティとか、単価の高いものを抽選でプレゼントする場合や、進行スライドなどさまざまなことを試しました。

その中でも、やはり“グラレコなどのセミナーの内容に関連したもの”が一番回答率として良い印象です。セミナー内容を振り返るにあたり、何ページに渡った膨大な資料等ではなく、1枚の中で完結に要点がまとめられていれば見返しやすいですよね。そこがグラレコのいいところだと思います。

グラレコの良い点は、それだけではないと思います。リアル開催の場合には、”リアル感を楽しんでもらう”という点も大切な要素になるかと思います。実際に、先日のイベントでは、描いているところや、横で絵を使ってまとめているということも含めて楽しんでいただけました。

また携帯の画面上でセミナーの内容が確認できるため、場所を選ばず見返すことができる点や、お客さま同士の話題の種としても見ていただくことができるので、とても良かったと思っています。

端的に要点を凝縮させて残せるので、内容を振り返りやすい

- グラレコは他のイベントでも実施されていますね。初めて導入した経緯をお聞かせいただけますか。

初めて導入したのはコロナ前の2019年のMMU(現Yappli Summit)というイベントだと聞いています。リアルイベントを盛り上げられるコンテンツを探していて「グラフィックレコーディング(グラレコ)というものがあるらしい」と知り、採用したそうです。

来場いただくお客様は、基本的にはセミナー目的で来ていただいていますが、1時間の長尺では内容を覚えて帰っていただくことは難しいです。グラレコならば、1枚の紙の中に視覚的にもわかりやすく、端的に要点を凝縮させて残すことができるため、記録という点で最適だと思いました。

- 松下様はグラレコを活用されていますが、社内にグラレコができる人がいいなとか、ご自身でグラレコをやってみたいと感じることはありますか。

思います。会社にできる人がいればもっと手軽に取り組めそうですが、「絵をつけながらそのセミナーの要点をまとめていく」というのは、普通はなかなかできない特殊技能だと思います。録画したものを後でまとめるのとは訳が違い、ハードルが高いように思います。もちろん、自身でもグラレコができたらいいですね。実務で使えるということもありますが、話している内容をまとめる力が付きそうだと思うので、機会があればやってみたいなと思います。

- 今後の展望を教えてください。

今後も皆様に有益で活用いただける情報を発信していくことを目標に、ユウクリさんのグラレコのようなサービスを積極的に活用していきたいと思います。

- 今回は「ヤプリサミット」でグラレコを担当したデザイナー、本園大介氏にもイベント直後にお話を伺っています。本園氏は、「グラレココンサルタント」として活動し、年間150件以上のグラレコ・ファシグラ・講座・カウンセリング・コーチング等を実践しています。

来場者がイベントを”再体験”するためのデザイン

- 今回のグラレコではどのようなことを意識されていましたか。
一番は「何のため」ですね。「何のために、誰のために、どうしたいか」というところはいつも注意しています。今回はイベント来場者がターゲットで、タイトルが決まっているわけですが、タイトルに則った形で話が進行するとは限らないこともあります。しかし来場者はそこを期待しているので、その内容をベースに描いています。

また今日この会場に来て初めてこのキャラクター、&EASYくんたちをグラレコに使うことを思いつきました。みんなこれを目にしている、これに合わせたほうがより記憶の想起がしやすいかなと。

グラレコ

グラレコを後で見返した人がどうその体験を想起するか、顧客体験のデザインを重視しています。今回は”来場した人が見る”ことを前提としていて、”会場に来た人が見る”のと”来ない人が見る”のとではまた描き方が変わってきます。
今回のグラレコは、”会場に来てセミナーを体験した人が、もう一回再体験するためのデザイン”と言ったほうがいいかもしれません。

頭の中を可視化し、“ズレに気がつく”ためのツール

- 数々のグラレコを描いてきて、グラレコで得られる一番の効果とは何でしょうか。

きれいな空

番わかりやすいのは頭の中の可視化ですね。例えば「きれいな空」という言葉があって、それぞれ別の人に「きれいな空の絵を描いてください」というと、各々でまったく違う「きれいな空」が描かれますよね。 

これと同じことがビジネスの領域でも起きます。みんながわかった気になってサービス開発を進めていても、いざ世に出してみたら混乱させて炎上です、のような。最初のときにイメージをすり合わせておけばそのズレが少ないはずです。

意識を合わせるというより、グラレコは「ズレに気がつくためのツール」でもあります。ズレに気づけば、それを修正することができます。みんなの中での普通が何なのかではなく、普通なんてどこにもないと気づけることがポイントです。

- 「ズレに気がつく」グラレコの具体的なケースについて教えてください。

たとえば一部の経営者は、経営理念やビジョンなどが絵に書いた餅で、なにを言っているかわからないという場合があります。キラキラした言葉で想像しているけど中身がない。それを誰かが描こうとすると意外と描けない。そして言っている経営者も描けない。そうすると中身がないことが可視化される。空虚なものに対して、一所懸命社員が働いて誰しも不幸になってしまう。

なので、最初に「描けませんけど」と言ったとき、そこで対話をして詰めていったらちゃんと中身の入った理念やビジョンができます。

「価値ってなんだっけ」「誰にアプローチするんだっけ」と経営者が自分はこう思っているというのを発信しないと、社員は「偉い人が雲の上で言っているよね」で終わってしまう。

- グラレコに挑戦したことがありますが、“リアルタイムで一枚絵でまとめる”というところが難しく感じました。本園さんがグラフィックレコーダーとしてご活躍されるまでにはどのような経緯があったのでしょうか。

私はもともと手話サークルにいて、手話をしている方の隣に立ち、セミナーなどの内容を隣でリアルタイムでグラレコしていた時期があります。情報補償や要約筆記としての役目ですね。そうすると耳が不自由な方も話についていきやすくなり、大変喜ばれていました。そのときの経験がリアルタイムで話をまとめる力の下地になっています。

今までファシリテーションやワークショップ、プレゼンなど色々やってきた中で、一番喜んでもらえて、かつ自身の経験が活かせるのがグラレコで、いまの仕事にたどり着いたのです。

グラレコは誰でも描けるようになる

- 本園さんがこれから目指していることを教えてください。

本当に目指したいのは、みんながグラレコを描けるようになること。

自分の特殊能力にするつもりは全くなく、”誰でも描けるように”というところに落とし込んでいきたいです。そうすれば、企業研修で社員だけで可視化するということもできるようになります。はじめは難しく感じるかもしれませんが、コツをつかめば例外なくみんな描けるようになります。2万人以上を教えてきた経験に裏打ちされた確信みたいなものですね。

株式会社ヤプリ

”自社アプリを、かんたんに。
アプリをスピード導入 運用・分析までオールインワン”

株式会社ヤプリさまのWebサイトはこちら
>https://yappli.co.jp/