テーマ:「マーケ・制作発注担当者向け、見積もり書の見方とチェックポイント(動画編)」
所要時間:約5分
こんにちは。高田です。
本日は業務委託でのやりとりに必須な「見積書」の見方についてのお話です。
マーケティング戦略に動画コンテンツを取り入れたいとお考えの企業担当者はまず、外注先に見積もりを依頼することになると思います。
そのとき出てきた見積もりの見方で困ったご経験はありませんか?
「妥当な金額っていくらなの?」
「この費用は必要なの?」
声をかけた外注先によっても金額が違うし、そもそも何の費用でなにが必要なのかどうか分からない。
正直高いのか安いのかも判断できないという方が多いのではないでしょうか。
今回は動画制作を始めたいけれど、見積もりの見方が分からないという担当者のために、内訳や金額の相場、チェックポイントなどについてまとめてみました。
※動画の長さが30秒~1分程度の場合を想定。
※ご注意:あくまでも「よくあるパターン」のまとめです。
外注先が代理店か制作会社かフリーランスかによって、見積もり金額や出し方は様々です。
一例としてご確認ください。
1人~数人で完結できるもの、例えばWeb用商品プロモーション動画、会社のイベントや株主説明会等で使用する各種説明動画、サービス案内用の各種アニメーション動画。
もしくは、複数名で一気に対応するパワーが必要なもの、例えば大量のテロップや簡易編集作業、コンスタントに高頻度の対応が必要なSNS用動画制作などを得意としています。
お困りのことがあれば、お気軽にご相談ください。
見積もりの全体の内訳
まずは全体の内訳を理解しておきましょう。
動画制作は大きく分けて「実写動画」と「アニメーション動画」に分かれ、それによって、見積金額は大きく変わります。
実際に撮影し、その素材を元に仕上げるもの。
費用感は1万円~天井知らず。
スマホ等の手軽なカメラ1台で撮影し、簡単なテロップ程度の編集となる場合は比較的安価となります。
一方、モデルやタレントを起用した場合、カメラを複数活用した大胆な編集が必要な場合、有名な監督やディレクターを起用する場合、ロケハンが発生する場合などは高くなります。
実写ではないものを動かす動画です。
イラストや動く図表・グラフ、画面内のデザインなどの作成費が中心。
費用感は50~150万程度。
こちらも制作者に著名人を使う場合は高額になっていきます。
3DCG技術を使う場合には更に金額はアップし、時間もコストも大幅にかかります。
※実写とCGアニメーションを組み合わせたような動画は、両方の費用がかかります。
見積もりの内訳は主に以下で構成されています。
・企画・構成費
・ディレクション費(進行管理費)
・制作費
・撮影費
・諸費用
企画・構成費
コンテンツの意図や目的、ターゲットから、どんな内容の動画にするのか全体の企画・構成を考え、台本や絵コンテを作成する費用です。
金額の相場は5万円~30万円程度
当たり前ですが、動画の長さ(尺)が長いほど高くなる傾向があります。
また動画が大勢の目に触れる前提の場合、ありきたりなアイデアでは話題になりません。
いくつもの案をだし、目新しい演出などにまとめていく必要があるため、費用が高くなりがちです。
コンテンツ全体のコンセプト立案から市場分析やリサーチなどを行う場合には、さらに費用がかかります。
打ち合わせも綿密に行うため時間もかかります。
ディレクション費(進行管理費)
ディレクション費は、クライアントとの窓口となるプロデューサーやディレクターの進行管理に関する費用です。
制作の打合せや、スタッフの選定、体制構築、撮影などの準備から、現場の指揮命令、動画制作全体の予算管理や進行管理などを行います。
・クライアント、スタッフとの窓口対応
・スタッフ、キャストの手配
・制作スケジュール、香盤表の作成
・全体の方向性の確認やチェック
・予算の管理
金額の相場は5~100万円程度。
ディレクション費は全体の20~30%で計算される場合が多くなります。
テレビCMや大きなプロジェクトで有名な映像ディレクターを起用すれば、そのディレクターを起用するためのギャラが発生しますので、ディレクション費は更に高くなります。
制作費
制作にかかる費用は、実写の動画かアニメーション動画かによって、金額が大幅に異なります。
実写の動画の場合
タイトルロゴやテロップ入れ、途中で挿入する素材などの費用分として計上することが多いです。
アニメーション動画の場合
上記もありますが、アニメーション動画にかかる費用のほとんどは、イラストレーターやアニメーターが作成するイラスト費用になります。
イラストをどれだけ作るかで変動しますので、漫画のような表現であれば安く、ゲームのように細かな表現が多くなればなるほど高くなります。
金額の相場は5~100万円程度となることが多いです。
こちらも著名なイラストレーターや監督等を起用すると、価格は数倍になることがあります。
またイラストを作成する場合、他媒体への流用時には二次使用料が発生するケースがほとんどです。
トラブルに発展するケースも多いので、はじめにきちんと契約書を交わすことをおすすめします。
版権の使用権利がどちらにあるのかはっきりしておくようにしましょう。
編集費
映像編集は工数によって金額が異なりますので、細かな作業の調整が必要な度合いが増えるほど高額になります。
金額の相場は5,000円~3万円程度
YouTube動画のような編集は最も安く、高くても3万円程度が一般的な相場になります。
工数は
・動画内の字幕(テロップ付け)・ナレーションの挿入
・効果音の挿入
・画像・イラストの挿入
・エフェクト等の追加
などで変動。
3DCGや、特殊な加工が必要とされる動画は編集費が高くなり、相場が跳ね上がります。
ナレーションが必要な場合は、ナレーションスタジオ費が必要になります。
撮影費
実写動画の場合、素材がない場合は撮影になります。
撮影費は、必要なキャストやスタッフ、ロケーションによって大きく変動し、そのほとんどは人件費になります。
モデル、タレント
実写の撮影でモデルやタレントを起用する場合は、タレントの知名度や所属事務所によって金額が大きく変わります。
オーディション費、メイク、スタイリスト費用、衣装や小道具・小物などの費用も付随して発生するケースがほとんどです。
金額の相場は案件による
カメラマン・機材
カメラマンの人件費に加え、機材などの諸経費、スタジオを使用する場合はスタジオ代が含まれます。
カメラマンの人件費5~10万円程度
撮影に使うカメラ・ライトなどの機材費3~15万円程度
スタジオ費、ロケの場合の交通費10~35万円程度
音声・BGM
ナレーターや声優、作曲家などが関わります。
起用する方の知名度・実績や尺の長さ等によって費用は大きく変わります。
金額の相場は案件による
その他、料理動画の場合は、フードコーディネーターがつく場合があります。
撮影は、取り直しがききませんので、事前に絵コンテを確認し、双方できちんとすり合わせてから望みましょう。
諸経費
諸経費はロケ地までの交通費や宿泊費、スタッフ全員のお弁当代などになります。
ロケの場合はロケハンや移動の車代が含まれます。
また、カメラマンやスタイリスト、ヘアメイクにはそれぞれアシスタントがいますので、スタッフの人数が多くなるほどたくさんの経費が必要になってきます。
見積もりを安くするポイント
動画の見積金額では、一番大きく影響してくるのが撮影費になります。
撮影内容やキャストによってかなりの金額に差が出てしまうため、予算がある場合ははじめにきちんと伝えておく必要があります。
費用を抑えたい場合は、以下を見直してみましょう。
素材の準備
使用する写真やイラストなどの素材は、撮影や一から作成するのではなく、あるものを流用したり、レンポジを使用することで撮影費用は抑えられます。
デザインも前回ベースやフォーマットを使用すれば、企画費が抑えられます。
キャストの費用
有名なモデルやタレントを起用すれば、数百万円から数千万円といった出演料がかかります。
カメラマンや動画クリエイターも、著名な方は費用が高くなります。
出演者は社内の人材を起用し、モデルも予算に合わせてキャスティングすることで費用は抑えられます。
動画の時間
動画制作費は、時間が長いほど高額になります。
伝えたい内容を絞り、動画をコンパクトにまとめることによって時間も短くなり、重要なメッセージも伝わりやすくなります。
ざっくりお任せはリスキー
まずなによりも大切なこととして、発注側が「なんのために、どんな効果を見込んだ動画を用意したいか」ということを考えておくことが必要です。
外注先によって、どのような動画を得意としているかは様々です。
タレントの起用が得意、アニメーションが得意、大掛かりな撮影が得意、低単価で物量をさばくのが得意…など会社によって特徴が変わってきます。
大抵は、得意の裏返しで苦手なことがあるため、お願いしようとしているものが相手と相性が良いかを考えた上で発注することをおすすめします。
また撮影が進むにつれ、あれもしたい、これもしたいと要望が増えていったり、思わぬトラブルや修正で思いのほか費用が掛かってしまったという失敗はよくあります。
お任せしっぱなしで、対応範囲がどこまでなのか分からないままでは、後でこのようなリスクを負うことにもなりかねません。
見積もりに明細がない場合や何の費用か分からない場合は、恥ずかしくてもきちんと聞いて事前に明らかにしておくのが一番です。
まとめ
今回紹介した動画制作費用の相場や、チェックポイントはほんの一例になります。
実際の費用は動画の内容や制作会社によって大きく異なりますので、少しでも気になる点があれば、明細を出していただくなどして、質問するようにしましょう。
専門用語が分からないからと放置したままにしておくと、後になって実は必要なかったという項目がでてくるかもしれません。
また、撮影に変更が生じる場合も、概算見積もりを提示してもらい、予算オーバーにならないように注意しましょう。
ユウクリでは、動画コンテンツ制作に慣れていない企業様にも、分かりやすく見積金額を表示しております。
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